なかよし7月号

 今月も「プリキュア」はいつもながら秀作でした。今年に入ってからのアニメ「プリキュア」には、なぎさへの愛情が感じられない話が少なからずあります。具体的に言うと、なぎさに何か失敗をさせ、そのままけなしっぱなしで終わる、という話です。人間ですから失敗はあるのは仕方ないのですが、それに対して何らかの挽回がないと、見ているほうが辛くなります。
 今月号の漫画「プリキュア」もなぎさの失敗で話が進みます。三人でハイキングに行き、足を滑らせたひかりを助けようとしたなぎさが、逆に崖から落ちそうになります。ほのかとひかりに助けられますが、逆に二人が足を怪我し、なぎさは無傷、という状況になります。
 そこでなぎさは奮闘。二人を交互に抱えながら、下山しようとします。しかし、これが第二の失敗を誘発。道に迷ってしまいます。日も暮れ、三人は完全に遭難してしまいました。夏とはいえ、夜の山は冷えます。特に怪我をしているほのかとひかりにはかなり厳しい状況です。当然ながら、暖を取るものもありません。
 するとなぎさは、メップル達の物まねをはじめます。二人を笑わせることによって暖かくしよう、という発想です。おかげで凍えることなく、何とか一夜を明かす事ができました。
 作者のなぎさへの愛情がひしひしと伝わってきます。また、度重なるなぎさの失敗に対し、ほのかとひかりが、度ごとになぎさへの信頼を口にするところがいいです。また、なぎさのギャグに対し、ほのかが「いつ見てもヘタクソ」と突っ込みながら笑うあたり、大変な状況でありながら、本音で接しているのが良く分かります。
 繰り返しになりますが、アニメには「なぎさ(に限った事ではありませんが)への愛情が少なからずあります。そういう話を作っている人にぜひ熟読してほしい優れた作品でした。

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なかよし6月号

 「プリキュア」は藤村に遊園地に誘われたなぎさが、大喜びしながら、何を着ていけばいいか悩む、という話でした。なかなかいい服がなくて悩み、「いっそデートを断ろうか」とまで言うなぎさに、「それは本末転倒」とほのかはキツめに言います。
 一方、前の日に風呂の中で店の事を考えているうちに3時間もたってしまうなど、相変わらず生真面目さと人間社会の不慣れを見せたひかりは、そのなぎさの悩みを聞いて、アカネに「カワイイ服」がどこにあるかを尋ねます。それを聞いたアカネは、彼女がカワイイ服を着たいのか、と思ってデパートへ連れて行きます。そこで、ひかりは自分が「カワイイ」と思った服を選んで、なぎさにプレゼントするのですが、それはウエディングドレスの無料レンタルサービスでした。
 当然ながら驚くなぎさに、ひかりはまた自分が外した事を知り、落ち込みます。それを見た二人がそれぞれの言い方でひかりをなぐさめました。

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単行本「映画ふたりはプリキュアMaxHeart」

 上北ふたごさんによる、映画版の漫画化です。感想を端的に言うと、「やはりプリキュアの面白さは戦いでなく人間ドラマだ」となりました。なかよし本誌であれだけ各キャラをうまく描いている上北さんをもってすら、「ひたすら戦いが続くだけ」という脚本を漫画化すると、平凡な印象の作品になってしまいます。
 この話で最も印象に残ったのは、異世界の勇者(?)「スクエア」でした。他人の力を借りるのが気に食わないらしく、度ごとにプリキュアにつっかかります。そしてついになぎさがブチ切れて外に出て行ってしまい、そこを襲撃されたため、宝物は奪われるはひかりは怪我するわと大変な事になります。
 で、その時「スクエア」が何をしていたかと言うと、蝙蝠に襲われて飛ばされ差し出したほのかの手を払いのけたのと、宝物が奪われる時に「やめろ」と言っただけ。そのくせ、戦いが終わると、「だから言ったじゃないか」などと偉そうにプリキュア達を糾弾します。
 その後も彼は「その他大勢」の一人的な「活躍」を見せるだけ。同じ「勇者」でも宝物奪還に協力した「マーキーズ」のほうが、よほど役に立っています。結論だけ言うと、この「スクエア」がいなければ、最初の襲撃の時にプリキュアとルミナスで魔女を撃退して、あっさり終わっていたでしょう。

 とにかく、上北さんに他人の脚本で描き下ろしをさせた本を出す暇があるのなら、なかよし本誌のページ数を増やすなり、連載された話を全て収録した単行本を出すなりしてほしいものです。

なかよし5月号

 プリキュアはほのかの誕生日ネタ。なぎさとひかりがタコカフェでの誕生日パーティーを計画。当日までほのかに気づかれないように企画します。しかし、そのためにほのかを避ける形になってしまい、それを「なぎさをひかりに取られた」と勘違いしたほのかが悩む、という筋立てになっています。
 ほのかの精神的不安を表現するために「薀蓄の失敗」を使うところとか、悩むほのかのさまざまな表情なが非常にうまく描かれています。特に、悩みながら実験をやって失敗した時の表情は秀逸でしょう。
 また、「ほのかの勘違い」という形を取りながら、「これまで、なぎさとほのかの二人は上手く描けたが、そこにひかりが加わった場合、なんらかの『化学変化』が生じないのか」というアニメMaxHeartにつきまとう不安を分かりやすく描いています。実際、私的には、いまだにアニメではそのあたりが落ち着いていないように思っています。
 同じ「誕生日と悩み」をアニメでもやっていますが、悩みの作り方といい、悩みの表現といい、やはり漫画のほうが一枚も二枚も上手です。なぎさのプレゼントが「狸みたいになった忠太郎のマスコット」というのも、なぎさの不器用さと心遣いがうまく現れています。喜ぶほのかの顔と独白もうまく決まっており、秀作の多い漫画版プリキュアの中でも特に秀逸な一作と成っています。

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なかよし4月号

 今月、最も印象に残ったセリフは、ひかりの「なぎささん、あのぉ・・・・ふじ・・富士山参拝って興味ないですか?」でした。アニメでは「クイーンの声」のせいで言動が電波になっている彼女ですが、漫画でも「不思議な言動キャラ」としての道を歩むのでしょうか。
 この「富士山参拝」はひかりと藤P先輩の仲を心配するなぎさに「ふじ」という言葉で誤解させるために作られたセリフです。とはいえ、数多くある「ふじ」で始まる言葉から、「富士山参拝って好きですか?」を選ぶとは並でありません。もしなぎさが同意したら、一緒に杖持って、登山していたのでしょうか?それはそれで見てみたい場面ではありますが・・・。
 なお、月刊連載という事もあり、アニメでは4話やっていまだに明かされていないひかりの設定を、扉の1頁で簡潔に説明してくれていました。この明快さがアニメにもほしいものです。
 あと、恋に破れたと思い込んで、それを紛らわせるためにひたすらラクロスに打ち込むなぎさの描写もうまいと思いました。

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なかよし3月号

 プリキュアがマックスハートに。といっても、これまでの「学園日常モノ」は変わらず、とりあえず一安心でした。話のほうは、新キャラ・九条ひかりの紹介でした。とりあえず、ひかりは無口な美少女で、アカネさんの従姉妹という設定。なぎさは藤村との仲をちょっと心配していました。あと、今回からポルンも登場しています。
 それはともかく、今回の話の最大の目玉(?)はアカネさんの店舗拡大(?)でしょう。やはりたこ焼き一品ではやっていけないのでしょうか。それにしても、たこ焼き専門からいきなりクレープとソフトクリームを始めるとは、かなり奇妙な展開です。
 なお、ほのかの薀蓄女王は、「ソフトクリームは四千年前の中国が起源」でした。私はてっきり、「中国の武道家・蘇太栗が考案した闘法(以下略)。(民明書房刊『我永遠に氷をアイス』より)などというネタだと思っていましたが、調べてみたところ、ソフトクリーム協議会のサイトにも記載されている「公式情報」でした。

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なかよし2月号

 プリキュアは、アニメが2月から「マックスハート」になる事もあり、今回が卒業ネタ。12月発売号で卒業式をやる、というのはかなり珍しいと思われます。バレンタインネタも吹っ飛んでしまいました。
 というわけで、凖最終回、とも言えるような話でした。卒業式でのほのかの祝辞に始まって、藤村との写真撮影、そして二人で写真を見ながらこれまでを振り返ります。
 写真を撮る時の、ほのかのしゃべりと、それにあわせて苦労しながら最後には「最高の笑顔」を作れたなぎさの表情がいいです。あと、スナップを見ながら、二人が振り返る場面に出てくる写真が、いろいろな二人の表情を描いていて、これまたいいです。
 2月頭には、「戦闘編」を大量に書き下ろした単行本が出るとか。こちらも大変楽しみです。

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なかよし1月号

 プリキュアは正月ネタ。いつもながら、細かいところまで描写が行き届いています。書き初め・初詣・獅子舞といった伝統的なものをうまくネタにしてまとめています。
 書初めから墨塗り合戦、というのは伝統的なネタとも言えますが、「獅子舞に噛み付く」というのはかなり斬新なのでは、とも思いました。
 最後の「お互い、今年のイチ押しの言葉」というのも、予想通りですが、きれいにまとまっています。そのなぎさの「イチ押しの書」で、下のあたりが詰まっているのも芸が細かいですね。自分の子供の頃の書初めを思い出しました。

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なかよし12月号

 目当ての「プリキュア」は、冒頭から「ほのか語録」なるノートが登場。なんと、連載中にほのかが言っていた「科学的知識」を全てメモッた上に、製本までしていた事が判明。さらに「P恋物語」なる「藤P先輩との妄想恋愛話」も既に第10巻まで作成とか。漫画のなぎさは、かなり「文学系」のようです(数歩ズレると「ブンガクな人」になりかねませんが)。
 それにしても、漫画でのほのかの恋愛理論も詳しすぎます。いったい、どこでそんな研究をしているのでしょうか。大変勉強になります。
 話のほうは、自然な展開で進みます。失敗を恐れながらもほのかの後押しで、勇気を出して一人でグランド整備中の藤P先輩のもとに行くなぎさ。重いコンダラ(仮称)を一緒に引きながら告白する、という場面設定も、なぎさと藤Pらしくていいです。
 立ち位置まで考えて告白しようとするも、グランド整備中には勇気が出ないなぎさ。しかし、その後の会話のはずみ具合からついに意を決して告白します。
 しかし、声がちゃんと出なかったのか、意を決して放った一言は風にかきけされ、藤Pには届きませんでした。途中からは読んでいるこちらも「いったいどうなるんだ?成功してほしい気もするが、今までの位置関係が崩れるのも・・・」とかなり引き込まれました。
 単純かつ明快な構成ながら、キャラの中身と心理がきっちりと描けているからこそ、ここまで引き込まれるのでしょうね。
 というわけで、告白は結局失敗しました。でもいつか、風にかき消されないようにハッキリと言える日が来ると思っています。

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なかよし11月号

 プリキュアは何と「ミップルとメップルの倦怠期」ネタ。とりあえずメップルは「初めて手をつないだ記念日」を忘れてしまったようです。アニメ初期のあの「バカップル」ぶりから見ると確かにかなりの「倦怠期」です。
 一方、ほのか邸で行われるその喧嘩を見ながら、ほのかはなぎさを全身くまなくマッサージ。あの若さでプロ並みの技術です。
 さらにマッサージ終了後は、ネット(ちなみに使用マシンはマック)で「けんたい期ののりこえかた」を検索し、二人の喧嘩もなんとかしようとしています。ちなみに実際に、「倦怠期」「対策」でググッたところ一番目が「夏バテ対策」、二番目が「顧客との倦怠期の乗り切る」というビジネス情報ページでした。
 なぎさのラクロスの試合中も不審な行動を取るメップルに、ミップルは破局を予感します。しかし実はメップルはミップルのために「二人でカレーを食べた記念日」のプレゼントに花を摘みに行っていたのです。しかも、途中で遭遇した猫との闘いにも勝利。海に行ったときの「勇者・カニに敗れる」の汚名返上まで果たし、めでたしめでたしとなりました。
 相変わらず、細かい所の表現とか、伏線の処理とかがうまくまとめられている作品です。いいかげん、正式に「ショートコミック」から格上げしてほしいものです。

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