Yes!第25話

 映画製作で忙しいのか、やけに回想などが多い話でした。それはまあ、業務的な事情で仕方ないとは思います。しかしながら、その回想で、「絶望仮面」画像を何度も流したのは勘弁してほしいものでした。本来の視聴者層にトラウマでも焼き付けたいのでしょうか。
 というわけで、話のほうは、15分ですむことを30分でやったような話でした。ただ、その15分部分については、楽しめる所が少なからずありました。
 一番の見せ場は、のぞみの「想い」の部分でした。「それなら声をラジカセに録画するのでなく、もっといい手段もある」など、突っ込みどころはあるとは思います。しかしながら、その不器用な発想と会話が、いい意味で、のぞみらしさを出していると思いました。ちなみに私は、彼女のラジカセへのこだわりを見たとき、「毎朝、ラジオ体操をやるつもりなのだろうか」と素で思ったりしました。
 もう一つの見所は、りんの突っ込みでした。相変らず、この五人の中で実は一番大人なだけあって、パルミエ王国住人を含めた皆の暴走を厳しくチェックしていました。また、かれんとの「ジュース論争」でも、自分の「オレンジジュース好き」をごまかしつつ、かれんに口で勝っていました。その一方で、グレープジュースを取り上げらそうになった時のかれんの描写も、なかなか可愛いものがありました。

続きを読む Yes!第25話

絶望先生第4回

 今回は第1集第5話と7話。小節あびると音無芽留の話でした。あびる話のオチからして、くっつけるなら藤吉晴美かと思いましたが・・・。まあ、紹介話をやっていないキャラのネタも普通にやるという、「原作を読んでいる事を前提としたアニメ」なので、あまり気にすることではないのでしょう。

続きを読む 絶望先生第4回

Yes!第24話

 ブンビーが敵味方問わず弁舌を駆使して本社の損壊を防いだ話でした。最初の所で変身したのぞみに対し、「きみ、ここでドリームアタックはやめなさい。本部が壊れてしまう」と説得します。のぞみに技を出す意図があったかどうかは不明ですが、このような形で主人公の必殺技を封じた(?)敵はなかなかいないでしょう。
 さらに「絶望の仮面」を破壊されてキレかけたカワリーノにも、「あなたが本気を出したら・・・」と言って、戦いの場所を変えることに成功します。悪の組織においてこのような形で、部下が上司を説得する、というのもこれまたかなり珍しいでしょう。
 今回のブンビーは、本社の損壊に関わる事以外では、プリキュアの存在など無視しています。驚くべき社屋への思い入れです。かつてのブンビーは本社建築の担当をしていたのか、などとも思いました。
 次の見所は、ギリンマの「労災死」でした。前回で退職でなく黒仮面を選び、カワリーノに「忠誠心」を褒められたギリンマですが、結局、彼の盾となって散っていったわけです。これは完全に労災死でしょう。相変らず、病める現代社会を感じさせる悪の組織です。
 すでにガマオはネットカフェ難民ですし、こうなると次はアラクネアが過労自殺でもするのでは、と心配になります。もっとも、ドリームアタックの直撃を喰らっても特に怪我もしないほど、ナイトメア社員たちは耐久力があるので、ギリンマもそのうち、ひょこり出てくるかもしれませんが・・・。
 今回の話で、作り手に対してプラスの感想を持てたのは、上記の二点だけでした。したがいまして、今回の話が面白いと思った方は、以下の部分は読まれないほうがいいかと思います。

続きを読む Yes!第24話

絶望先生第3回

 今回は第1集第6話と9話。木村カエレと関内=マリア=太郎の紹介話でした。前回も書きましたが、霧・まとい・千里が三人1話で、この二人で1話というのは、バランス的にどうなのでしょうか。まあ、千里紹介話はもう一回やるのかもしれませんが・・・。

続きを読む 絶望先生第3回

なかよしラブリー2007年夏号

 「プリキュア5」は、のぞみと小々田の話。本誌の、りんとナッツの話と対になっているような感じです。「プール掃除」という意外な題材を主題に、教師としての小々田の心情や、のぞみの気持ちを非常に巧く描いています。
 何か、「夏の思い出」がほしくなって、遊びに行こうとするのぞみですが、小々田につきあって、プール掃除を行う羽目になります。そして、最初はこれまでのように、ちょっとうまくいかないとすぐに投げだそうとします。しかし、小々田の一言もあって、粘り強くプール掃除ロボの操縦に挑戦。頑張った末についに達成すると同時に、自分がほしかった「夏の思い出」はこの達成感だった、と言うことを悟ります。
 「何か一つの事を成し遂げる」という事の重要性をうまく描くと同時に、「プリキュア5」の初期設定である、「やりたい事が分からず、何をやってもすぐに投げ出してしまう」という性格だったのぞみが、この半年で着実に成長した事を見事に表現しています。
 さらに、そのプール掃除でののぞみと小々田の表情が毎度の事ながら非常に良く、また周囲の「暑さ」の描写も非常によく伝わってきます。そのため、より一層、「暑い中頑張るのぞみと、それを応援する小々田」という情景がよく分かるようになっています。
 話は変わりますが、他の四人のうち、りん・うらら・かれんは、いつもの事で忙しくやっています。ところが、こまちは図書委員でなく、小説の執筆に熱中しています。ついつい、書かれた小説は盆明けの有明で発表するのだろうか、などと思ってしまいました。
 そのようなしょうもないネタはともかく、日曜日に受けた負の印象を消してあまりあるほどの、毎度ながらの高品質な、漫画「プリキュア」でした。

続きを読む なかよしラブリー2007年夏号

Yes!第23話

 話のほうは、前回の予告から想像していた通りの展開でした。したがって、感想も、前回の予告で感じたものと同じでした。今回行われた四人への精神攻撃にきちんと対処しているような「解決編」を次回描かないと、作品世界そのものにかなり悪影響を与えるように思えます。
 過去の「ふたりはフリキュア」シリーズ同様に、普通にカワリーノ+仮面ギリンマに力で敗れ去り、それを新アイテムと新技で対処、としておけば、無難にすんだわけです。それをここまでリスクの高い方法で描く以上、成功すればかなりのリターンを得るとは思いますが・・・。いずれにせよ、次回はかなり重要な話になります。

続きを読む Yes!第23話

Yes!第22話

 今回、一番印象に残ったのは、アラクネアのアジトの前でシャッターが勝手に開いた場面でした。あからさまに罠だという事が分かっているわけですが、のぞみは無言で、りんのほうを向きます。そして、りんがうなずくのを見て、中に入っていきます。この二人の呼吸の描写が巧いと思いました。
 話のほうはミルク紹介話第2弾。ただ、先週は身を挺してココとナッツを助けたのに対し、今回はただ捕まるだけ、店でも迷惑をかけただけでした。唯一の「見せ場」が「サンクルミエール通信で増子さんに好評だった」ではちょっと寂しいものがありました。

続きを読む Yes!第22話

絶望先生第1回

 地方局の深夜アニメで「さよなら絶望先生」が始まりました。さほど熱心に読んでいたわけでもないのですが、単行本は家に揃っています。また、日曜の朝に「夢と希望を主題にしたアニメ」を見て、その前の深夜に「絶望を主題にしたアニメ」見る、というのも面白いと思い、とりあえず簡単な感想を書くことにしました。
 15分で漫画の一話分をやる、という感じで、実質的には二本立てになっています。大別すると、漫画そのままの部分、アニメオリジナルの部分、TVでは流せなくて修正せざるをえない部分、となっています。

続きを読む 絶望先生第1回

なかよし2007年8月号

 「プリキュア5」は、ナッツとりんのデート話でした。一言でまとめると、「アニメ17話の上北版」となるでしょう。この場合の「上北版」とは、もちろん単なる「漫画版」という意味だけでなく、「極めて質の高い形で漫画にした」という意味です。
 アニメ同様、「ビーズアクセ製造器」から話が始まります。そこそこの出来ながら、職人肌のナッツはそのビーズアクセを商品として認められません。それを聞いた皆が市場調査をかねて祭りに行くことを提案。全員和服で繰り出します。
 そこで偶然の立ち位置から、カップルに間違えられます。しかし、りんはアクセの宣伝になる、という事であえてカップルの役割を演じ、「ラブラブでーす、あたしたち」などと言ったりもしました。
 そして、人混みを嫌がるナッツは、りんの手を握り、小川を飛び越え、静かな所に行きます。そこで座っていると、急に蛙が動き、怖いものが苦手なりんが、思わずナッツにしがみつく、という場面もありました。
 二人の会話は、ロマンティックというのとは縁がなく、かき氷を食べて頭に響いただの、花火がどうこう、といったものです。ところが、逆にそういうとりとめもない会話と、りんの多彩な表情のため、非常にほんわかした場面になっています。
 というわけで、それらしい会話が一切なかったにも関わらず、非常に印象に残った「デート場面」でした。それだけ、りんの表情・内面を含めた描写が秀逸だったという事でしょう。もちろん、ナッツも「好かん星人」をはじめ、いい味を出していました。
 これまで、アニメはもちろん、漫画での描写でも「純情乙女りん」という意味が今ひとつ分かりませんでした。しかし、今回の話で、これが「純情乙女」なんだな、とある程度分かる事ができました。
 なお、アニメで登場のミルクの出場はなし。ただ、日曜にアニメにあった「王子ネタ」はやっていました。ミルクのデビューは17日発売の増刊あたりになるのでしょうか。

続きを読む なかよし2007年8月号