第13話・いちごはぼくのネコなんだから

 前回、変身している姿を青山に見られたいちごはえらく落ち込みます。青山を避けてまわり、店でもひたすらテーブルを拭き続ける始末。一方、盛上げ要員として歩鈴が大活躍、洗濯バサミを使った「営業スマイル養成ギプス」を作ったり、青山の来訪に対して「『今、いない』って本人が言っているのだ」などとお約束のボケをかましたりしてくれています。
 初期のころにいちごが担当していた「元気」は、この話あたりで完全に歩鈴に移りました。そしていちごは「恋愛」の人となっていきます。この位置付けは作品の面白さや、話の展開を作る上ではどうだったのでしょう。恋愛をする事自体はいいのですが、それ以外の観点で魅力を引き出す工夫をもっとしても良かったのでは、と思うのですが。

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第40話・ベルゼイの真意?

 洋館での三人の会議。珍しく翔子のギャグがありません。代わりに執事ザケンナー二人が「全員集合」ばりのコントを披露しました。というわけでシリアスに徹する三人の会話でしたら、結城が微妙な発言を。どうも、他の二人やダークファイブと違い、「ジャアクキングに絶対の忠誠」という感じではなさそうです。イルクーボ達の記憶を引き継いでいるという事は、イルクーボの最期も知っており、ジャアクキングの冷酷さを認識している、という事なのでしょうか。
 色々な意味で、今後の三人組の行動が楽しみになってきました。

 本筋のほうは、ほのかの家になぎさが泊まりに行く話。前半部の志穂・莉奈・聖子の三人を交えての夕食作り・パーティーと、二人で一夜を明かしながらこれまでの事を話したり、夢の中でベルゼイと戦う後半部に分かれています。

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第12話・戦いの論拠

 話の主題は、「公園の異常気象を調査していた青山がキッシュの襲撃を受ける。そこに現れたいちごが、変身後の姿を見られる」というところだと思われます。しかし、この「いちごの秘密」に関しては、既に前の話でTVで放送されています。さらに、その後の青山が「気づいているのに気づいていないふりをする」という奇妙な立場を取ってしまうため、全く持って意味がなくなります。というわけでこの部分については省略します。
 その代わりと言ってはなんですが、話の半ばで非常に興味深い会話がありました。五人が揃った事もあり、カフェミュウミュウ地下の「司令室」で白金が「戦いの概略」を説明します。しかしそれにことごとく突込みを入れるざくろさん。しかもその突っ込みで、「未確認動物研究の世界的権威である父を、小学生の時点で凌駕していた天才少年」である白金を完全に論破しているのです。

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第11話・仲間になった理由

 前回、厳然と仲間になる事を拒否したざくろさんですが。この話であっさり仲間になってしまいます。前回の拒否する話は、アニメ・漫画ともほぼ同じですが、続く仲間になる話は、かなり違う内容になっていました。
 しかしながら、結局のところ、漫画・アニメとも「いったい何が理由で仲間になったか」は分からずじまいでした。初登場時に「群れるのが嫌い」とはっきり言った人物を、二度目の登場で「あなたたちとの事は考えてもいい」と考えを変えさせるには、よほど大きな事件などが必要です。しかし、それらしき物と言えば、「みんなの武器が共鳴して、より巨大な力を発揮した」というくらいでした。少なくとも、ざくろさんの基本的な考え方を変えさせるほどの「事件」とは思えません。
 結局のところ、「話の都合があるので、なし崩しに仲間になった」と解釈せざるをえない話でした。

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「PLUTO」-の前に「地上最強のロボット」

 ビッグコミックオリジナルに月イチ連載されている「PLUTO」にハマっています。最初は通常版の単行本を買ったのですが、豪華版に「原作」の「地上最強のロボット」が同梱されている事を知って買いなおしたほどです。
 まず、「PLUTO」そのものを取り上げる前に、「地上最強のロボット」について書いてみようかと思います。
 私が「鉄腕アトム」を読んだのは今から25年前にあたる小学5年の時でした。当時、単行本20巻と「別巻」が1冊売られていたのを全部立ち読みしたものでした。ご存知の方も多いと思いますが、「鉄腕アトム」というのは一つの完成した筋立てがあるわけではありません。特にすごいのは「アトムの今昔物語」というやつで、「地球を守るために太陽に突っ込んだアトム」という一つの最終回(ちなみにこの話は私が読んだ「全20巻」には収録されていませんでした)の後、偶然宇宙人に拾われて復活したアトムが、改造された上に過去の地球にもどってくる、というわけのわかならい話でした。

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アニメ・リングにかけろ第7話

 録画失敗などで、毎週見ているわけではないのですが、今週の第7話は見ました。これまでは、剣崎の「部長はイボ痔が悪化して」といったギャグとか、愛知県代表の織田の「松ヤニ攻撃」など、漫画に忠実に作っている印象がありました。しかし、今回はオリジナル(?)爆発でした。
 たとえば、志那虎が東京予選で負けたのは調査のためのわざとでなく、「剣崎と戦うために転校したが、その頃はボクシングの情熱が甘く、それゆえ敗れた」などという謎の理由があった事になりました。
 さらにすごいのは外国勢。スコルピオンとナポレオン=バロアが密談しているのです。このアニメ版ナポレオン、えらくプライドがありません。平然と「もし自分のチームが西ドイツに負けたら、スコルピオンの提唱する新ボクシング団体に協力する」みたいな事を言っていました。
 さらに凄かったのは、地元で不良に襲われた石松を助けたアニメオリジナルキャラ(?)「永田裕志」。いきなり喧嘩に乱入し、不良相手にナガタロックを極めて、最後は石松に「敬礼ポーズ」をしていました。
 これまでの漫画忠実路線が印象深かっただけに、この急激なオリジナル路線には驚かされました。
 オリジナルついでに、来週の準決勝で石松が河井に勝ってくれるといいのですが、さすがにそれは無理でしょうね。

第39話・よし美先生の結婚式

 よし美先生の結婚式にプレゼントを贈ろうと、2年桜組の皆が頑張る話です。エンディングの「戦うより抱き合いたい」を具現した話とも言えそうです。
 一方、洋館では結城と角澤がチェス。それを見ながら翔子が「なぜチェスには王子がいないの?」とつぶやきます。当然対局中の二人の耳には届きませんでしたが、今週はなぜか恒例の絶叫はありませんでした。余談ですが、確かにチェスには王子はいませんが、かつて日本で行われていた「中将棋」というゲームでは、「酔象」という駒が成ると「太子」となり、玉将と同格になる、というルールがあります。それはともかく、チェスのほうは結城が勝利。これはどうやら今回の戦いの伏線だったようです。
 プレゼントはパッチワークに決定。クラスの皆がそれぞれ得意分野を生かして協力します。第4話ゲストキャラの柏田真由や、第18話ゲストキャラの谷口聖子なども久々に登場しました。あと、演劇の時は「にせプリキュア」を封印しようとしていた夏子と京子は、なぜかあの過去を認めるようになっていました。
 手先の不器用ななぎさですが、お母さんに教わりながら、なんとか裁縫の技術を向上させます。また、作成中によし美先生が教室に入ってきたので、慌てて皆でマツケンサンバを踊るという、場面もありました。

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第10話・いわゆる「神作品」その1

 最後のミュウミュウである藤原ざくろさんが登場する話。いきなり、キメラアニマをムチ一発で退治するという離れ業を連発します。いくらキメラアニマが小物とはいえ、これまでのミュウミュウと比べると、圧倒的な実力差です。
 そして、それ以上に実力差があるのが、今回の絵です。石野聡氏の作画監督による、圧倒的な美しさを誇る絵。ふくれるいちごのギャグ顔まで美しく描かれています。
 とくに話の終わりのざくろさんの変身場面は最高。教会にいるところでキメラアニマに襲われた時、帽子を投げ捨てた後に変身するのですが、この場面は何度見ても震えがくるような美しさがあります。
 圧倒的な能力を持つ新キャラを圧倒的な能力を持った人が描いたわけです。その結果、視覚的には圧倒的に優れた作品となりました。

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第9話・藍沢兄妹

 みんとの家におしかけたミュウミュウ3人が、その家の豪勢さと人間的な空虚さを感じ、その象徴的存在に見えたみんとと兄の不仲を何とかしようとする話。
 各キャラの家族構成ですが、いちごは中学時代からのつきあいで結婚した万年新婚さん状態の両親のいる一人っ子。れたすは教師の両親(という設定だったと思う)と弟の4人家族と、まあ普通の構成です。ところが歩鈴は母と死別し、父は修行中(失踪?)で、幼い弟妹を歩鈴が面倒をみています。また、次回から登場のざくろさんも回想シーンや手紙によると、子供の頃から親とうまくいかず、一人暮らししている模様です。
 そして本題のみんとは、大金持ちの家でありながら、両親・兄ともほとんど会話もなく、実質的な家族は「ばあや」だけ、というかなり寂しい家庭環境です。

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第8話・もう一人の青山

 れたすが温泉コテージの無料チケットを当てたので4人で行ったら、実は当たったのは「1年後に泊まる権利」で、実際はまだ建設中。その自然破壊を阻止しようと頑張る、青山そっくりの少年「青山田雅三」が出てくる、という話です。
 「ミュウミュウ」の初期の主題に「地球環境」というものがありました。特に漫画の第1話の青山は、デートと言えば「絶滅危惧動物展」、放課後にいちごに声をかけたかと思うと、「ドブ川の掃除」というほどの、「環境ヲタク」でした。
 しかし、このようなキャラではファンがつかない、と思われたのか、この設定はあっさり忘れ去られます。そして青山は、ただひたすら「いちご」と言うだけの人物になりました(もっとも、その裏にはえらい性格の凄さがあるのですが)。

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