マイメロ52話

 とにもかくにも、柊が自力でダークパワーの精を除去した、という形になったので、満足することができました。また、柊が「黒音符」を否定した理由が、「ダークパワーの精の奏でる曲が、自分の求めていたものでないつまらない曲で、まだ美紀が作詞したピンク音符曲のほうがマシと感じたため」でした。「善と悪」とか「みんなの夢」などではなく、「曲の出来」が判断基準になった、というあたり、これぞ柊恵一、と言えるでしょう。
 あと、ダークパワーの精から体を取り戻すのに、「より一層どアップになったバクとのキス一歩手前」を使った、というのも笑えると同時に感心しました。このあたり、13・18話さらには第30話で描かれていた設定・伏線が全て活きています。
 これで、柊の復活のきっかけが、マイメロの「責めるって何?」でなく、クロミによるものだったら、より一層、あのあたりが引き立ったとも思いましたが・・・。
 もう一つの名場面は、美紀作った歌詞に対する真菜の「どっちやねん!」という突っ込みでした。

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SS第8話・みのり、夕暮れの街をさまよう

 先週の「また見てね」を見たときは、新敵キャラは女性かと思ったのですが、予想に反して男性でした。ただ、今回は顔見せ程度でしたので、カレハーンの後継者にふさわしい器かどうかは、何とも言えません。
 話の主題は、「咲がみのりを叱責した事がきっかけで、咲と舞の仲がギクシャクする」というものです。こうやって見ると、なかよしラブリー増刊春の号に載った上北さんの漫画は、前回と今回のアニメをくっつけた話だったのでしょう。
 比較的重要な、「咲と舞の心のすれ違い」を描いた話だったのですが、「みのりとの姉妹げんか」とかぶってしまった事もあり、そのへんがしっくり来ませんでした。むしろ、この話は副題通り「みのりと二人のお姉ちゃん」を主とした「妹ばなし」にしておいて、「すれ違い」は別の話でやったほうが良かったのでは、という気もします。
 まあ、直前に読んだ上北さんの漫画があまりにも優れすぎているので、比較するとついそのような感想を持ってしまうのは仕方ないのでしょう。それを意識しなければ、咲および両親のみのりに対する愛情や、同じ「妹」としてみのりの心情が痛いほど理解できる舞の心情。さらには、みのりがさまよう夕暮れの街の描写など、上手さを感じる所は多々あったいい話でした。

なかよしラブリー増刊2006年春号

 上北ふたごさんの「ふたりはプリキュア スプラッシュスター」が目当てに購入しました。内容は、咲と舞がお互いの接し方に悩む事に、カレハーン最後の挑戦をからめた話。先日書きましたが、アニメ第7話のカレハーン退場話は、「戦い+設定説明」のみとも言える内容でした。それに対し、この漫画では、咲と舞の微妙な距離を主題に、そこから生じる微妙なズレをカレハーンとの戦いにも生かして描いていました。
 持ち前の明るさで、舞の事を何でも知ることによって友達になろうとする咲に対し、舞はちょっと引いた感じです。といっても、咲のその積極性が嫌なわけではなく、急激な接近に、破綻の危険性があることを察しているから、という心理描写がまた面白いです。私自身、人間関係において似たような経験をしているだけに、この舞の心理描写は非常に現実感がありました。
 そのへんの舞の葛藤を、「星と星が近づきすぎた場合」になぞらえ、さらにそれを和也に相談して適切な助言を得る、という話の作り方は相変らず巧いと思います。
 そういう事もあり、お互いぎくしゃくしたままで、そしてカレハーンとの戦いに入るわけですが、導入部が「そのおいしそうなパンひとつくれないか」「どうぞ(中略)パンパカパンってパン屋さん、よろしくぅ!」という漫談から入るのがいいです。これぞカレハーン、という感じです。
 さらに、闘いにおいても、お互いの気持ちのズレによって力が出せず苦戦。そこから逆転するきっかけになったのが、舞のスケッチブック一杯に描かれた咲の絵、というのもこれまた巧い描写です。また、そのちょっと前になりますが、お互いの呼称が、「ブルーム・イーグレット」から闘いの最中にも関わらず「舞・咲」に戻った、というのもいいです。
 というわけで、アニメではやや不完全燃焼だった「カレハーン退場話」を十二分に楽しめた、素晴らしい作品でした。この40頁だけでも550円の価値はあったかもしれません。

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マイメロ51話

 名場面が多すぎて困るのですが、あえてここでは、後半部分の一番最初を挙げます。柊の肉体を乗っ取ったダークパワーの精の奏でる曲により、怪しげな雲が発生。人々はそれに驚いているうちに、夢を吸い取られ、生ける屍とかします。NASAとおぼしき機関も「激やば警報」を発し、世界は滅亡に瀕しています。
 ところがその時、すぐそばに高架があり、スタンドの半分以上が黄色くなっている野球場では、普通に試合が行われています。ファンも地球の危機をそっちのけで歓声を挙げ、「今年こそ日本一や」などと言っています。白いユニフォームや法被に縦縞が入っていないのは、版権の都合でしょうか。
 これを見て、世界が滅亡の危機にあるのに何を呑気にプロ野球を、と思う人も多いでしょう。しかし、これは日本野球界の伝統なのです。今から37年ほど前に放映された「ウルトラセブン」の最終回でも同様の状況がありました。ゴース星人による「史上最大の侵略」が行われ、世界各国の主要都市が攻撃の危機に瀕していました。しかし、その時でもラジオではプロ野球中継ををやっていました。
 今回の演出がこれを意識してかどうかは分かりません。いずれにせよ、名演出だと思います。

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SS第7話・カレハーン、散る

 いよいよ最終通告をされたカレハーン。ついに奥の手を発動をアクダイカーンに誓います。果たしてどんな「奥の手」かと期待したのですが、なんと「木・ウザイナーと一体化する」という、「無印第8話」でゲキドラーゴが使った攻撃の焼き直しでした。
 一応、「精霊の力を吸い取る」という能力もつけていましたが、最後は二人の力を吸いきれずに失敗。さらに「全てを枯れさせる力」を発動するも、逆に咲と舞の「町を守る」という危機感による能力上昇をうながすという、全くの逆効果に終わってしまいます。
 もっとも、これはカレハーンのみに責を負わせるわけにはいきません。プリキュアが想定以上に強い以上、ただ「早くしろ」と言われてもどうなるものでもありません。ちょうど2年前の「無印第7話」では、ジャアクキングですら、ゲキドラーゴに助言を与えていました。その上、口ばかりでなんにもしないゴーヤーンみたいなのに、好き放題させているのですから、環境的には最悪です。まあ、しょせん「キング」と「代官」では器が違う、という事でしょうか。

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マイメロ50話

 冒頭、いきなり塔の上で柊が上着を脱ぎ捨ててバイオリンを弾き出した時は、かなり度肝を抜かれました。さらにそれについて、話の後半で「寒くない?」というマイメロのツッコミが時間差で入ったのもまた笑えました。
 その一方、話の終盤部分の塔での攻防は純粋な意味でとても優れた出来でした。この部分だけなら「名作」と言えると思います。ただ、話全体の流れの中でこの部分がどうだったか、という事は、次回の「柊対ダークパワーの精」の結果を見てからでないと、論評できませんが。
 その名作部分ですが、特に秀逸だったのは、柊の「思い出」の一番最後の所に普段のクロミが出てきた事でした。ああいうのを見ていると、本当に作り手は登場人物を愛しているな、と思います。最後のスポンサー紹介の映像が、クルミ=ヌイとバク、というのもいいです。

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SS第6話・カレハーン、退場近し?

 今回もカレハーンのギャグはなし。アクダイカーンには嫌みたっぷりの叱責と最終通告を食らい、ゴーヤーンにも小馬鹿にされるなど、状況が辛すぎてギャグをやる暇がないせいかもしれません。次回予告を見る限り、次回で退場の可能性が高そうです。もう少し、彼の活躍を見たかったので、ちょっと残念です。

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上北さんのなかよし掲載作品の単行本

 「たのみこむ」というサイトで、上北ふたごさんがなかよしに連載した「プリキュア」の単行本化というリクエストが出ています。
 当ブログでも毎月書いたように、この作品は、アニメの設定を生かしつつ、「なぎさとほのかの学園生活」というものを主題に、二人をはじめとする「プリキュア」の各キャラを非常に上手く描いています。
 にも関わらず、単行本に関しては、アニメや映画の話を漫画化した本の「穴埋め」みたいな感じで断片的に収録されているのみです。
 それを、まとまった単行本として出そうというのが上の企画です。なかよし掲載分を全て切り抜いて保存している私としても、単行本としてまとまったものは是非とも出してほしいと思っているので、当サイトでもこの企画を紹介させていただきました。

半額セール

 コンビニに買い物に行ったら、レジのところで「半額セール」が行われていました。そこにあったのは「プリキュアスナック」なるお菓子。描かれているのはなぎさとほのかです。しばらく前にイトーヨーカドーに行った時も、すべての無印・MAX関連商品に「5割引」のシールが貼られていました。
 「キャラチェンジ」をした以上、世の常ですから仕方ないのですが・・・。私自身、SSも楽しみに見ています。とはいえ何とも言えない寂しさを感じました。「別になぎさやほのかが悪いことをしたわけでもないのに・・・」などという怒りに近い感情まで浮かんでしまいました。
 話は変わりますが、12日(日)は朝から晩まで忙しいので、その日のうちに、朝のアニメを見れるかどうかすら定かでありません。というわけで、アニメ感想は月曜の夜に掲載する予定です。

確かに頭に「東京」はつくけれど・・・

 アマゾンから『東京ミュウミュウ カレンダー2004』をお買い上げのお客様は、DVDの『東京ワンダーホテル』もお求めのため、このご案内をお送りしています。なるダイレクトメールが届きました。
 一応、念のため該当する作品のサイトを見てみましたが、普段はメイド服を着ている変身美少女戦隊も、彼女らに指令を下す二人の青年も、とんでもない性格を持つラスボスもいませんでした。つまり、題名以外、どこも「東京ミュウミュウ」と関連性はありません。
 メールの文章からしても、日本語としてちょっと不自然です。おそらくは、なんらかの共通単語が入った作品の購入者に、自動的に宣伝文を作成して送信する、というふうに設定されているのでしょう。それにしてはかなり粗いプログラムです。
 まあ、久々に「東京ミュウミュウ」に関連したメールを読むことができたので、よしと思うことにしました。