第35話・神の作監、邪神の脚本

 通算4回目の石野聡さんの作監作品です。というわけで、絵は素晴らしいのですが、それと180度反対の方向の「物凄い」脚本も、別の意味で忘れられません。石野さんも原画集(完売・古同人誌屋でたまに見かけます)で、「この脚本にOKが出たのかいまだに疑問」と書かれています。
 今回の話は「ももか」という、ざくろさんにあこがれ、両親が仕事で忙しいために常に孤独、という設定の幼女がゲストキャラが出てきます。したがって、ほぼ全編彼女が出続けるのですが、その出し方が凄すぎます。まず冒頭で「ももかのキッズハウスがカフェミュウミュウにケーキの出前を頼んだ」という設定で、いちごが彼女と出会います。次に、ざくろさんが仕事の打ち合わせにレストランに行くと、偶然すぐそこのテーブルで、一人で座っている彼女を見かけるのです。そしてさらに、ミュウアクア探索のために、五人が公園に行くと、さらに偶然な事にそこで彼女が遠足をしているのです。「ご都合主義」という言葉で語るのも憚られるほどの展開。某映画監督風に言えば、「この脚本は狂気に近い才能を持った天才に違いない!」とでもなるのでしょう。
 これだけでも十分すごいのですが、さらに不可解なのは、この「ももか」をざくろさんに結びつける場面。一人で寂しくしている彼女を見たざくろさんは、幼い頃の自分を思い出します。同じように、一人で食事をする幼少時のざくろさん・・・。それはいいのですが、ではなぜ彼女が一人で寂しく食事をしていたのか、という説明は一切ありません。視聴者は各自でざくろさんが孤独だった理由を推測しなければならないのです。ちなみに、この謎は、放映終了までついぞ明かされる事はありませんでした。

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Max第3話・先週のやりなおし?

 「第2部」の時も、序盤の新敵紹介(?)時にかなりの冗長さを感じました。しかし、今回の展開の遅さを見ると、あれですら軽快に見えます。はっきり言って、今回の話で描かれた「情報」といえば、「ポルンのコミューンも新しくなるらしい」「ポルンとひかりの遭遇(文字通り会っただけ)」「アカネさんの新店舗は、新宿御苑風の大公園の近くにある」「二人の変身をひかりが見た」という事くらいでした。
 まず、なぎさ邸では光の国連中がドタバタし、シークンはまた逃げ出し、ひかりはまた自分の事が分からず、洋館ではまた少年がはしゃいで物を壊し、後半になるとまた唐突にザケンナーが登場し、サーキュラスも相変わらず出てくるだけで、どんな能力・人となりなのかも分からないままです。
 昨年の今ごろは、すでにピーサードが内部で追い詰められつつあり、よし美先生をたらしこむ(?)という奇策を採用していたほどだったのですが。この調子でいくと、「シャイニールミナス」はいつになったら出てくるのでしょうか。まさか映画公開日まで出さないつもりなのか?とまで思えてきました。

ライダーマン、首領を助ける

 さて、首領を討つべく代々木のアジトに行ったV3とライダーマンですが、これまたやはりヨロイ元帥の罠でした。それぞれ、別々の地下室に閉じ込められ、しかもその部屋は真空ポンプで空気が抜かれました。辛うじて携帯用酸素ボンベ(?)で窒息こそ免れたライダーマンですが、空気がないためにダブルタイフーンが使えないV3ともども、閉じ込められたまま、何もできません。
 一方、ヨロイ元帥は、先週からの懸案(?)の「東京みな殺し作戦」を実行しました。その作戦とはまず道端に座布団くらいの巨大ヒトデを落としておき、それを子供が拾って持ち帰ったら増殖して人を襲う、というもの。ただでさえ不気味なヒトデで、しかも異常な大きさ、普通の子供は持ち帰りませんが、なぜか少年たちは嬉々として持ち帰ります。そして、そのなかの東都病院の職員の弟の持ち帰ったヒトデは、特にすごい増殖ぶりで、病院全体を襲います。

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第34話・れたすとみんとの退化?

 なんか、スタッフの誰かの個人的な不愉快な体験を作品化したような話です。いきなり人形作りが特技となったれたすが、プロに声をかけられ、一緒に作品を作ったところ、その人がれたすの作品を自分名義で発表してしまいます。他の4人は怒りましたが、れたすは彼女を許す、という流れでした。
 一見、れたすの優しさを描いたようです。しかし、あれだとれたすは「どんな事をされても従うだけ」という、初登場時のいじめを受けていた頃に戻ってしまったようになってしまいます。ちなみにこの話のみんとは、「世間知らずで傍若無人に振舞うお嬢様」として描かれています。そのような事は2話前で自己否定したはずなのですが。
 「れたす話」なので、戦闘でもれたすを目立たせる必要があります。その「ノルマ」を果たすために取られたのは、「蜘蛛のキメラアニマに拘束される五人。しかし、指さえ動けば発射できると言うレタスラッシュの特性により、拘束から解けた」というものでした。これまた、人形作り同様、今回限りの行き当たりばったりの設定です。
 とりあえず、れたすの父親は教師で、また、弟を含めた四人家族が全員眼鏡をかけている、という事がわかった以外は、特に得るもののない話でした。

第33話・歩鈴の婚約者

 歩鈴の父・黄大人の弟子である「月餅」が来襲してくる話です。この月餅、いきなり出てきて、素手でキメラアニマを倒すという、驚異的な能力を見せます。さらに、歩鈴との「黄猿寺拳法」の勝負にも勝ち、歩鈴の婚約者宣言をします。なんでも、歩鈴の父に「歩鈴に勝てば婚約して、将来『黄猿寺拳法』を継承せよ、と命を受けた、との事でした。
 この月餅というキャラ、素手でキメラアニマを倒す能力に加え、容姿端麗で性格も実直です。しかも、カフェミュウミュウで芸を披露したあと、歩鈴に対し、「将来は二人で大道芸人に」みたいな事を言うなど、ソツがありません。また、歩鈴の家に行って弟妹の面倒を見たりするのですが、これも歩鈴の気を惹こうというよりは、単に「師匠の家事の手伝いをする」という感じで、嫌味がありません。さしずめ、蒼の騎士と青山を足してダークな部分を引いた、といった感じのキャラです。

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Max第2話・序章が続く

 冒頭は新キャラ・九条ひかりの独白から。自分が何者かを自問する彼女の心に、クイーンの声が響きます。しかし、やけに勿体ぶって、謎かけみたいな事しか言いません。結局、ひかりも何がなんだかわからないままです。そして新装開店準備中のアカネに会います。
 そしておそらくはクイーンの能力で、アカネは彼女を従姉妹だと思い込み、家に住まわせて店の手伝いをさせます。関係のないアカネを精神操作して「世話係」にするというのは、「正義」としてはまずいとは思うのですが・・・。
 一方、美墨邸では、ほのかも交えて作成会議です。といっても、長老も番人も煎餅を食べてばかりで前回の話を繰り返すだけ。そこで、というわけではないのでしょうが、「ハーティエルの一つ・シークン」が勝手に外に出て行き、それを探す、という事で話が進んでいきます。なお、学校に行く際、なぎさは長老と番人を押入に閉じ込めて(?)おきました。場所がかわれど、番人の窮屈な生活は変わらないようです。

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第32話・みんと対昔のみんと

 ここから4話連続で、ミュウミュウの一人とゲストキャラの絡み、というのが続きます。第1弾はみんとの話。藍沢家主宰のガーデンティーパーティーにおいて、みんとをライバル視するお金持ちのお嬢様・「西園寺かんな」が出てきます。
 バカお嬢様ぶりをを振りまきつつ、みんとに勝負を挑むかんなに対し、みんとは完全に無視。そして、ざくろさんと二人になった時に、「彼女を見ると、昔の自分を見ているようだ」と心中を吐露します。確かに、かんなの世間知らずかつ傍若無人なふるまいは、かつて初対面のざくろさんに対して、「お姉さま、貴女は選ばれた戦士です。一緒に地球を救いましょう」みたいな事を言っていたみんとを彷彿させます。
 その後、かんなの相手をしているうちに、キッシュが出現してキメラアニマが襲撃し、それをミュウミュウに変身して迎え撃つ、といういつもの展開になります。そして、強力なキメラアニマに苦戦をするのですが、そこで出てきたのが蒼の騎士でした。いちごを助けた後、なぜか知っているキメラアニマの弱点を教えて去っていきます。その指示通りにみんとといちごのコンビネーションが決まり、見事キメラアニマを倒すのですが、この話では、「ピンチを救う」役どころは、みんとが演じなければならなかったような気がします。最初に見た時、「いちごがピンチだけど、ここでみんとが助けるんだろうな」と期待していたら蒼の騎士が出てきて助けてしまい、非常に萎えたものでした。
 「最初の頃のみんと」みたいなキャラを出して、みんとが成長した事を描く、というのは面白い試みかとは思いました。ただ、2話後の34話では、みんとの「世間知らずなお嬢様ぶり」をしつこく描いていたりもします。そのあたり、もう少し全体の構成がしっかりしていないな、と改めて思わされます。

第31話・いちごの父の変わった性癖?

 桃宮家の家庭内喧嘩の話です。青山との恋愛を積極的に応援している母親・さくらに対し、父親・慎太郎は猛反対。反対するのはいいのですが、一芝居うって娘に誘導尋問をしたり、部屋の中を漁ったりし、挙句の果てはスクーターで娘を追いかけるのですから、ちょっと尋常ではありません。
 そして、挙句の果てには青山に決闘を申し込む始末。それはいいのですが、種目は青山の得意とする剣道です。本格的に剣道をやり、しかも校内のエースである中学生に対し、いくら建設業に従事する大人とはいえ、素人が適うはずはないと思うのですが。
 実は、かつて中学生時代、彼もさくらの父親(いちごの祖父)と同様の決闘をしています。しかし、その時の種目も剣道でした。当然、彼はど素人、一方、さくらの父親はおそらくは剣道をやっているのでしょうから、当然ながらこれまた惨敗しています。本格的にやっている人間相手には勝てない事を身をもって知っている彼が、立場こそ違えど、なぜ約20年前の失敗を繰り返すのでしょうか。その娘へのストーカーまがいの行為と同様、理解に苦しみます。
 そして、実際、青山との決闘では面白いように一本を取られまくります。しかし、打たれても打たれても立ち上がり、最後は面を外してしまいました。正気の沙汰ではありません。

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Max第1話・なぎさ、新技披露

 「新番組第1話」ですが、冒頭の美墨家の雰囲気はもちろん、BGMもこれまで通り、OPもちょっと変わっただけで、普通に「前回からの続き」という感じでした。ただ、OPの「You are my best friend」は変えないでほしかったと思いましたが。
 学園生活のほうは、最上級生に進級。ホームルームではよし美先生の新婚生活のノロケがありました。途中で我にかえってやめましたが、あのまま続けていたら、別の「授業」になっていたかもしれません。また、なぎさ・ほのかとも、部活のトップとなりました。そこでの、なぎさの「キャプテン就任の挨拶」は相変わらずの、なぎさらしいギャグでした。
 一方、光の園では、前話の最後でジャアクキングの断末魔の一撃を受けたクイーンが、「元に戻る」宣言をし、「命」「心」「12のハーティエル(意志)」となって飛んで行きました。そして、川辺に謎の少女が出現。続いて学校帰りのなぎさとほのかの前に現れます。二人とも何かを感じたようですが、次の瞬間、その少女は姿を消していました。

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