Max第17話・執事ザケンナーとビブリス、方針を巡って対立

 約1年ぶりのほのかの科学部話。今回も、年に一度の学校対抗研究発表会が題材です。昨年、賞を取った「雷の研究」の第2弾をやるのか、それともほのかが現在関心を持っている「ゴミと私たち」をやるかで部内の意志統一がとれません。一度は「雷」にしますが、ほのかは心のなかに引っかかりがあって悩みます。そして結局、なぎさのさりげない一言やユリコの応援もあって、「ゴミ」に変更を決意し、アクシデントに見舞われながらも発表を済ます、という話でした。
 この話、前回の実績を元に無難に評価されそうな題材にするか、それとも冒険してでも今やりたい題材にするか、というほのかの悩みが主題と思われます。もしかしたら、製作側の悩みを投影しているのかもしれません。

続きを読む Max第17話・執事ザケンナーとビブリス、方針を巡って対立

ライダーマン、フル回転

 冒頭、朝の商店街を歩く結城を何者かが特殊な銃で狙います。それをかばった風見に弾が命中します。どうも、これはあの場で結城を狙えば風見がかばう、という事を見越した上で風見を狙った、というデストロンの超高等戦術だったようです。この事は、その狙撃した弾は「バタム弾」という改造人間の機能を狂わす弾である事からも分かります。その影響で、風見は部屋のドアを壊すなど、自分の持つ力を制御できなくなりました。
 その風見を陥れるために、この作戦の担当者である改造人間・カメレオンは第二の作戦を開始します。これは、能力を制御できなくなった風見に一般市民を襲わせる、というものです。そのため、まず「襲われる一般市民」として新宿で家出少女をてなずけます。洋服屋にいる少女に、カメレオンが変装した男が服を買うのですが、その変装ぶりが凄すぎます。黒ずくめの上下に、黒いシルクハットをかぶり、手にはステッキまで持っています。しかも、やけに目立つもみ上げと髪型も奇妙。ちょっと怪しすぎます。こんなのが洋服屋の前でいきなり女の子に声をかけるわけです。見ていた店員が警察に通報してもおかしくない怪しさです。
 しかし、純朴な(?)少女は、そのプレゼントに目がくらみ、まんまと作戦どおり、横断歩道で風見にぶつかります。既にデストロンの罠は張り巡らされており、戦闘員の化けた警官に風見は逮捕され、公衆の面前でしょっ引かれました。

続きを読む ライダーマン、フル回転

Max第16話・「明日の像」再登場

 冒頭、志穂と莉奈から運勢が絶好調だと教えられるなぎさ。当初は聞き流していたのですが、商店街で福引が当たってメロンをもらい、その帰り道に藤村に会ってサッカーの試合での応援のお礼を言われ、さらに遅刻もバレずにすんだ事で、すっかり信じてしまいます。ほのかの「占いは歴史的にも重視されていたけれど、あまりこだわるのは・・・」という忠告にも耳を貸しません。
 そして「ラッキーカラー」の黄色を揃えて悦に入り、試験勉強でもほのかに教わるひかりを横目にタコヤキのおかわりをし、家では「幸運だからヤマを張ればいい」と呑気にかまえます。一方のほのかはきちんと最後の見直しまでこなします。もちろん、試験の結果は勉強量に比例したものになりました。そして結果が出てもまだ懲りないなぎさは、「ラッキーカラー」(?)のメップルに成績の修正(?)を頼む始末です。
 なんか、小学校低学年向けの道徳TVのような話の展開です。もしくは、「アリとキリギリスの試験勉強版」といったところでしょうか。確かに、「占いを過信するのはよくない」「試験勉強はきちんとやるべき」というのはいずれも正しいと思います。しかし、それは、なぎさを「やられ役」にしてまで「プリキュア」で表現すべきものなのでしょうか。
 ここ3週ほど、安心して見れる話が続いていたのですが、今日は久々の、なぎさへの愛情が感じられない残念な話でした。

続きを読む Max第16話・「明日の像」再登場

最終話・地球鳴動してミュウアクア100cc

 前回からの続きで、青山の精神がディープブルーの中で蘇ったところから始まりました。一つの肉体の中で激しく争う二つの精神ですが、最後は青山が勝利、いちごにリボンストロベリーサプライズを打たせ、見事ディープブルーは倒れました。形の上ではいちごの技がからんだとはいえ、実際には一つの肉体の中の二つの人格が争っただけの話ですから、キッシュたち三人に続き、ディープブルーまで「仲間割れ」の末に自滅したわけです。一体何をやっているのやら、という感じです。
 そしてディープブルー消滅の際に、体内にあったミュウアクアの力が解放され、「エイリアン」を始め、死者も重傷者も全て復活、街も元に戻ります。しかし、いちごだけは、自らの命を賭して青山を復活させ、そのため、命を落とします。
 いちごの死を知ってかなしむミュウミュウたち。しかし、唐突にイリオモテヤマネコがいちごの体内から去るような描写が出たかと思うと、いきなりいちごは復活しました。数分の間で死んだり生き返ったりするわけです。「男塾」の王大人の「死亡確認」を上回る安直な死生観と言えるでしょう。
 同じTV東京で、「ミュウミュウ」の一年ほど前に放映されたアニメで、同じように「愛する人を生き返られるために、自分の命を投げ出した女性」という描写がありました。その一連の描写-特にその生き返った男が見たもの-は衝撃的で、非常に心に残るものでした。それと比べると、あまりにも軽すぎる「命がけ」でした。

続きを読む 最終話・地球鳴動してミュウアクア100cc

第51話・最後の神作監

 石野さんが久々の、そして最後の作画監督を務めた話です。冒頭から、5人の必殺技をバンクでなく描き下ろすという「大サービスカット」がありました。必殺技で常にこの絵を使っていれば、もう少し人気も出たかな、などと思いました。
 もちろん、ミュウミュウ5人の描写は美しいのですが、この話で一番印象に残ったのはむしろパイの描写でした。この話において彼は、仲間を殺したり、一転して命がけでミュウミュウを守るなどとという複雑な役回りです。その各所で見せる微妙な心の動きを表した顔(特に目)が、非常に巧みに描かれていました。

続きを読む 第51話・最後の神作監

Max第15話・現時点では「第三部」最高作

 ある日、いつも通りに一人で弁当を食べ終えたひかりに、級友の加賀山美羽と多幡奈緒がフリーマーケットに誘います。一方、なぎさは母親に頼まれたパンの買い物のために、ほのかは勉強で図書館、という事で、いずれもフリマの会場の近くに着ていました。なお、ほのかに触発されたミップルも勉強を開始。その教師役として、シカルプが久々に登場していました。
 ひかりは、最初は二人についていけない感じで、一方の二人も、同級生に敬語で話すひかりと会話がしづらい様子でした。しかし、話題が「好きな先輩」におよび、なぎさの名前を出したあたりで、うまく会話に溶け込みます。なお、余談ですが、会話の登場人物として、「栗拾いデート男」の支倉が、約半年ぶりに登場しました。相変わらず、キュアブラックを追いかけているのでしょうか。
 バスケ部の奈緒はなぎさのファンで、文化系らしき美羽はほのかのファンの様子。ちなみに美羽は、ほのかの事を「スーパーコンピュータ・ディープブルーみたい」と言います。このディープブルーはもちろん某アニメのラスボスではなく、9年ほど前に世界チャンピオンに勝ったチェス専用コンピュータの事です。当時推定3歳の彼女がそれを知っているくらいですから、所属クラブは電脳部かチェス部かもしれません。
 さてこの二人、なぎさのボケとほのかの突っ込みの真似まで完璧にこなします。はっきり言ってただのファンとは思えません。よほどの思い入れがあるのか、さもなくば物真似の才能も豊富なのでしょう。
 さて、そんな事をしているうちに、買い物帰りのなぎさが通りかかります。なぎさに普通に話すひかりに驚きつつ、アイドルを見るかのように、美羽と奈緒は遠巻きに「観察」します。しかしそのうち慣れたのか、奈緒は近くでやっていた3on3のバスケに、なぎさとひかりを誘います。

続きを読む Max第15話・現時点では「第三部」最高作

第50話・パイ、政界用語を交えて設定説明

 前回、青山がディープブルーに変身したところからの続きです。なぜかいきなりパイが出現し、ディープブルーの脇にひざまずき、状況説明を始めます。内容については、漫画版と大差ないのですが、漫画ではディープブルー自ら説明しているのに、アニメではパイが説明するのは、この「青山と蒼の騎士は仮の人格でしかなく、ディープブルー復活により消滅した」の設定が、その後、いともたやすく変更されてしまうからでしょうか。パイが言った事にすれば、このコロコロ変わる設定は、彼の勘違いだった、という事で処理できます。
 なお、この時、パイは「三位一体」だの「抵抗勢力」だのといった、当時の日本政界でよく使われていた用語をさりげなく織り込んでいます。このあたり、パイの人間に対する情報収集能力の高さを感じさせられます。
 一方、ディープブルー覚醒に成功したはずのキッシュですが、「まだこんな段階ではなかった」と後悔しています。このあたり、話ごとに、キッシュが「青山=ディープブルー」を知っていたか知っていなかったかが、これまた話ごとにコロコロ変わるので、解釈の仕様がありません。

続きを読む 第50話・パイ、政界用語を交えて設定説明

Max第14話・バルデス、洋館で目を光らせる

 なぎさが前回のことを回想しながらほのかと歩いていると、ひかりに出くわします。三人で公園に行くと、そこには藤村がいました。しばらくご無沙汰していたキャラですが、第11話のなぎさのラクロスの試合の結果はもちろん、内容も把握しているなど、なぎさへの関心は相変わらずのよう。そして、サッカー部でレギュラーになり、試合が近いことをなぎさに話します。
 それを聞いたなぎさは、旗を作って応援する事を決意。普段とちがい、ほのかにも頼らず、一人で作ると宣言します。
 一方、今日の洋館では少年はラジコンヘリで執事ザケンナーを追いまわして喜んでいました。その傍らでサーキュラスとバルデスがルミナスやハーティエルについて話し合っています。バルデス登場の直前では、彼のことを忌避していたようなフシもあったサーキュラスですが、この会話を見ていると、むしろ話をきちんと聞いてくれるバルデスと仲がいいのでは、とも思えてきます。
 ところで、この時のバルデスの描写ですが、顔に影が当たって風貌がはっきりせず、眼だけが薄赤に光っています。「風魔の小次郎」などで「正体不明のキャラ」を描く時に使われた描写を思い出しました。ただ、既に素顔を晒しているバルデスをなぜこのように表現したのか、その意図は謎でしたが。

続きを読む Max第14話・バルデス、洋館で目を光らせる

第49話・ばあやの名言

 相変わらず都内各所に発生しつづけるエネルギー反応の意味がわからず、苦悩しつづける白金と赤坂。わからないついでに「決戦が近い」などという理由で、いきなりカフェミュウミュウを臨時休業させてしまいます。前回、慰安バーベキューと偽って仕事をさせた事が顰蹙を買ったので、その埋め合わせという意味もあるのかもしれません。
 というわけで、五人はそれぞれ臨時休暇を過ごします。れたすは店に残り、赤坂に手伝ってもらったケーキを白金と食べます。部分的にはいい場面なのですが、いかんせん、話全体における二人の位置付けが定まっていないので、ただの一場面に終わっています。さらに、このあたりの作画がかなりアレなのも、盛り下がる原因となっているのですが。
 ざくろさんは街中を散歩し、歩鈴は家で弟妹と遊びます。そしてみんとは自宅でばあやの淹れたお茶を飲みつつ、「もし明日世界が滅びたら?」と尋ねます。このあたり、五人の中で過剰なまでに「地球の存亡」を意識しているみんとらしさが出ています。それに対するばあやの返答は、「いつも通りの一日を過ごす」というものでした。もしかしたら彼女は、みんとが隠しているミュウミュウの戦いの事を何となく分かった上で答えているのかも、などとも思いました。いずれにせよ、この場面はミュウミュウの中でかなり好きな一こまです。ちなみに私の場合、もし明日地球が滅びるとしたら、とりあえずミュウミュウの神作監話とプリキュア第8話だけは見ておきたいです。

続きを読む 第49話・ばあやの名言

なかよし6月号

 「プリキュア」は藤村に遊園地に誘われたなぎさが、大喜びしながら、何を着ていけばいいか悩む、という話でした。なかなかいい服がなくて悩み、「いっそデートを断ろうか」とまで言うなぎさに、「それは本末転倒」とほのかはキツめに言います。
 一方、前の日に風呂の中で店の事を考えているうちに3時間もたってしまうなど、相変わらず生真面目さと人間社会の不慣れを見せたひかりは、そのなぎさの悩みを聞いて、アカネに「カワイイ服」がどこにあるかを尋ねます。それを聞いたアカネは、彼女がカワイイ服を着たいのか、と思ってデパートへ連れて行きます。そこで、ひかりは自分が「カワイイ」と思った服を選んで、なぎさにプレゼントするのですが、それはウエディングドレスの無料レンタルサービスでした。
 当然ながら驚くなぎさに、ひかりはまた自分が外した事を知り、落ち込みます。それを見た二人がそれぞれの言い方でひかりをなぐさめました。

続きを読む なかよし6月号