第51話・最後の神作監

 石野さんが久々の、そして最後の作画監督を務めた話です。冒頭から、5人の必殺技をバンクでなく描き下ろすという「大サービスカット」がありました。必殺技で常にこの絵を使っていれば、もう少し人気も出たかな、などと思いました。
 もちろん、ミュウミュウ5人の描写は美しいのですが、この話で一番印象に残ったのはむしろパイの描写でした。この話において彼は、仲間を殺したり、一転して命がけでミュウミュウを守るなどとという複雑な役回りです。その各所で見せる微妙な心の動きを表した顔(特に目)が、非常に巧みに描かれていました。

 話のほうですが、「エイリアン」達は次々と自滅していきます。まず、ついにディープブルーを見限って反旗を翻したタルトがパイに殺されます。続いて、ディープブルーといちごとの戦いに割って入ったキッシュが殺されます。そして、それをきっかけに青山の精神が蘇るのですが、その際に放たれたエネルギー波からミュウミュウと白金をかばったパイも命を落とします。これも原因はディープブルーなわけで、「エイリアン」は全てお互いで殺しあったわけです。
 逆に言えば、いちごを除くミュウミュウの活躍の場がなかった、という事になります。パイの放った「かつてアメリカの白金家を襲撃したキメラアニマ」ですら、ミュウミュウ4人で倒す事ができません。漫画版の「いきなり4人で合体攻撃してパイとタルトを倒し、自らも力尽きる」という展開もアレでしたが、アニメのこの展開もかなり変です。この「最終決戦」においていちごというキャラを立たせられていない、という自覚があるために、他の4人を目立たせる「見せ場」を作らせられなかったのでしょうか。
 話のほうは、キッシュを殺した時に、それを悲しむいちごの姿が、「青山が何度も夢で見た悲しむいちご」と合致し、それがきっかけで青山の精神が蘇る、という所で終了。いよいよ次回は最終回です。ちなみに、このバンクシーンから、石野氏の描いた「涙するいちご」への変化は「変身」と言ってもいいほどの変貌ぶりでした。
 なお、最後の最後で、これまで閉じられていたディープブルーの衣の裾が開き、蒼の騎士同様に、半ズボンをはいていた事が判明しました。あれが出ると、ラスボスの威厳も吹っ飛んでしまいます。もっとマシな服はなかったのでしょうか。
 絵だけ見れば、こちらのほうが「真のクライマックス」と言える優れた「神作監」でした。

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