なかよし2007年2月号

 「プリキュアSS」は最終回でした。アニメの話を追う以上仕方ないのでしょうが、内容は1月放映予定分のダイジェストでした。まあ、「アニメの漫画版」ならそんなものでしょう。ただ、上北さんの技量から考えると、ちょっと勿体ないようにも思いました。特に、アニメの話を追わなかった昨年は、同じなかよし2月号で、素晴らしい最終回を描いていたので、残念さは一層つのります。
 これで雑誌連載は終了。上北さんの「SS」を読む機会は単行本2巻だけになりました。実はこれにはかなり期待しています。2巻分の収録話数から考えると、描き下ろし部分は1巻より大幅に増える計算になります。ぜひともそこで、雑誌には描かれなかった咲・舞・満・薫および、昨年のような「もう一つの最終回」を読めれば、と思っています。そのためにも、ぜひとも2巻を出してほしいものですが、果たしてどうなるのでしょうか。

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SS第45話

 今週も、さまざまな部分で「スプラッシュスター」の良さを感じる事ができました。というわけで、印象に残った場面も多々ありました。その中で特に一番だったのは、満の接客の場面でした。前回、パンパカパンを手伝ったときに咲に教わった「接客の基本」を行った満は、再びお客さんに喜ばれ、咲にも褒められます。それが嬉しかった満は、咲が去った後にガラスに向かって自分の笑顔を確認し、薫にも不思議がられます。
 満にとって、あの時に咲・舞およびお客さんに感謝された事が一つの転機となったわけです。その時の事を思い出して、感慨を覚えたのでしょうか。いずれにせよ、非常に印象に残った「ガラスにうつる満の笑顔」でした。

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SS第44話

 満と薫の運命についての話。根源にダークフォールの力がある二人にとって、アクダイカーンの滅亡は、彼女たちの消滅の危険性につながります。フィーリア王女にもどうなるか分かりません。まあ、その王女の使えなさはここでは置いておきます。
 そしてみのりの写生につきあって動物園へ行き、猿山のボス猿が一時的には部下と戦っても、結局は元の鞘に収まる状況を見て、満と薫の不安は強まります。そこに従業員に化けて潜入していたミズ=シタターレとドロドロンが襲撃するわけです。余談ですが、シタターレの「ゴーヤーンマーク」がエプロンにあったのは、女性の肌にへんな模様をつけてはいけない、という配慮だったのでしょうか。

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映画版「プリキュアスプラッシュスター」

 感覚だけで観ると素晴らしい作品なのですが、筋道を通して観ようとするといろいろな部分で突っ込みどころのある作品でした。とりあえず「好物は後にとっておく主義」なので、突っ込みどころから書いてみます。
 話の作りで最も残念だったのは、「基本構成が昨年冬ののMAX映画と同じ」という事にあるでしょう。日常生活での互いの失策がもとで喧嘩となり、それが起因となって強敵に敗北。しかし、過去を思い出したりしている間に友情を思いだし、再戦して勝利する、というのですから、話としての新鮮味がありません。
 さらに困るのは、喧嘩のきっかけが「咲が舞との約束があるにも関わらず寝坊した」だという事です。これまでのTVでの描写を見ると、これは相当ありえない話なのではないでしょうか。漫画版では「明日の大会の事を考えすぎて寝付けなかった」というフォローが入っていましたが、映画ではそれすらありませんでした。
 二人に喧嘩なり心の行き違いがあってはならない、と言う気はありません。ただ、仮にも最初でおそらく最後の映画において「二人の喧嘩」を描くのですから、二人の性格をきちんととらえ、「こういう状況になってしまったら、いくらあの二人でも喧嘩するだろう」と納得できる設定をしてほしかったものです。

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SS第43話

 冒頭では満と薫のこれまでの状況説明がありました。そして本編はいきなり、パンパカパンのオープンカフェ部分に満と薫がいます。そこにみのりが現れ、薫を見つけると喜んで読書感想文の宿題の話をします。この時のみのりの嬉しそうな顔と、それを見た薫の、みのりとの再会を喜んでいる事が伝わる表情がいいです。ついでに、「二人の不在はなかったことになっている」という設定をわかりやすく紹介しています。
 その直前の場面で、ムープとフープに空の泉の事で礼を言われて照れたように微笑したのをはじめ、本話では満と薫のさまざまな表情を見ることができました。みのりの感想文を褒めた時のような明るいもののありましたが、やはり全体的には闇の運命から逃れきれない事を感じているのか、不安げな表情が多めでした。

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漫画版「映画プリキュアSS」

 一番印象に残ったのは、二人がお守りを持ってカラオケの練習を思い出す場面でした。それぞれの表情でその時のお互いを思い出して自然に笑顔がでてくる二人の描写は、見ているだけで嬉しさがわき出るようでした。
 また、見開きで描かれている、沙漠の上で二人が手をとりあう場面も強く印象に残りました。まだまだ大変な状況であるにも関わらず、二人が心から安心したような笑顔を見せるところがいいです。
 最後に二人が無事「ガンバラスdeダンス」を歌うところも流石の締めでした。というわけで、相変わらず上北さんの咲・舞への愛情あふれる絵をたくさん見ることができました。
 なお、話の流れなどは映画を観てから書こうと思っています。

SS第42話

 待望の満と薫の再登場話でした。全体にわたっていい話でしたが、特に秀逸なのは水の中で二人が意識を取り戻してから、「復活」を果たすまでの課程でした。最初に意識を取り戻し、続いて咲と舞の苦戦を知り、そして助けたいという強い想いを持つが体が動かない、という描写です。もちろん、設定的にはフィーリア王女の意思とキャラフェの力で「復活」を果たしたわけです。とはいえ、その描写により、「二人を助けたいという想い」が最大の原動力になった、という事がよく伝わってきました。
 そして再生カレハーン・ドロドロンと対峙するわけですが、そこでも「アクダイカーンへの恩義」は保っているものの、咲と舞を助けたいという「想い」があって戦う、という表現がまた二人の基本設定をきちんと維持しながら共闘する、というのがしっかり描けていてこれまた巧いと思いました。

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なかよし2007年1月号

 「プリキュアSS」はキントレスキーとダークフォールで戦っている途中で満と薫が復活。四人で力をあわせてキントレスキーを倒し、続いてアクダイカーンと最終決戦開始、と一気に進む展開でした。ただでさえ月イチな上に、映画版描き下ろしの余波で一回連載が休みになったため、このような駆け足になったのでしょう。
 また、「プリキュアHR」にて次回作が新キャラによる「プリキュア5」になった事が発表されました。漫画で咲・舞・満・薫を読めるのも、本誌・ラブリー増刊で1回ずつと、映画版描き下ろし・単行本二巻描き下ろしのみになりそうです。果たしてどのような話になるのか、残り少ないだけにより一層楽しみに待っています。
 あと、余談ですが、二人の復活場面を見た時、なぜか「廬山昇龍波」を連想してしまいました。

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