SS第38話

 ドラマの公開収録にみんなで行ったところ、咲がいきなりやり手の芸能プロ社長に「事務所に来てくれ」と言われて名刺を渡された事から騒動になる、という話でした。その「咲がこの町からいなくなるかもしれない」という事に対し、舞の咲への「想い入れ」と、キントレスキーのプリキュアに対する「思い入れ」がそれぞれ描かれて、かんり面白い話に仕上がっていました。
 当然ながら、咲がタレントになって町から去る事は舞にとって辛いことです。実際、家でチョッピと話しながら、寂しい表情を見せています。しかしながら翌日の放課後、サイン責めに遭って逃げる咲を、江ノ電風電車に「避難」させる時の表情、および電車の中で咲が評価された事を喜ぶ時は、心から嬉しそうな笑顔を見せています。もちろん、「咲がタレントになる気があるなら邪魔したくない」という基本的な考えがあるのでしょう。しかしながら、その葛藤以上に、「咲の役に立てた事」はもちろん、「咲がタレント事務所に評価された事」を喜べる、というのが、舞の咲に対する想いの強さをよく表してます。
 また、ほんの一瞬ですが、自室で咲が悩む場面において、部屋の壁に咲とみのりの絵が貼られている所が映されました。何の説明もありませんでしたが、この絵を舞が描いた事は明白です。この細かい描写の中に二人の友情がうまく描かれていると感心したのと同時に、なんか漫画版との繋がりを感じさせられて、非情に嬉しく思いました。

続きを読む SS第38話

SS第37話

 文化祭ネタの後編です。前回の「悩める舞」に続いて、なぜか今週は「悩める宮迫」でした。漫才で舞台に出る事そのものの重圧のみならず、家族に見られる、という事までがプレッシャーになり、突如出演拒否を表明します。
 その宮迫および励ます級友達を軸に、クラスの出し物「ホラーハウス」でみせる女の子達の変身ぶり(?)や咲の頑張りなどで話が進んでいきます。一方で、キントレスキーは、相変らずあのフード姿で学校を歩いて文化祭を見学(?)し、宮迫について熱血教師みたいな論評をしたりしていました。
 見終わった後、一人の客として文化祭を観に行ったような気分になった話でした。

SS第36話

 舞が文化祭の主題となる彫像のデザインという大役を二年生ながら抜擢され、そのプレッシャーに悩む、という話でした。普段、何かある毎に絵を描いている舞ですが、それが「義務」となるとうまくいかなくなるわけです。そのあたり、舞の責任感・几帳面さがよく現れています。
 その悩む舞を、咲が二度にわたって励まし、それでやっと舞は義務感みたいなものから解放され、持ち前の集中力で一気に仕上げます。先週は試合に敗れた咲を舞が励ますような形になったわけですが、そのやり方は全然違います。そのあたりの二人の違いが描かれており、かつやり方は違えど、お互いを大切に想う気持ちがよく伝わってきます。

続きを読む SS第36話

SS第35話

 ソフトボール話。地区大会の決勝で、咲は立ち上がりに連打さらにはセーフティーバントまで決められてあっさり先制されます。しかし、この話の主役的存在で、この大会を最後に引退する泉田先輩が、この危機をトリプルプレーで防ぎます。その後は投手戦となりますが、咲は打たせて取る投球を見せます。第1話の「連続三振」が印象に残っていたのでちょっと意外でした。もっとも、夕凪中は相手投手の速球の前に三振の山。もしかしたら、単に練習だろうと試合だろうと三振の多いチームなのかもしれません。
 一方、応援する健太の隣にはキントレスキーが着座し、あたかも評論家のように解説を始めます。同じスタンドでは咲と精霊達が応援しているのですが、全然に気づきません。精霊が感じる「嫌な気配」は、闇の使者達は自由に出したり消したり出来るようです。

続きを読む SS第35話

なかよし2006年11月号

 「プリキュアSS」は、来月が休みという事もあり、早くも「初登場のキントレスキーとの最後の戦い」という雰囲気に。さらに満・薫がダークフォールの池(?)で眠っている事が判明したり、ゴーヤーンが出陣をほのめかす、というところまで一気に進んでいます。
 というわけで、2ヶ月分の話を追うのが精一杯という感じで、漫画版の名物でもある、「咲と舞の友情描写」はありませんでした。また舞が、満と薫の絵を描いていましたが、これは何かの伏線なのでしょうか。

続きを読む なかよし2006年11月号

なかよしラブリー増刊秋の号

 9月20日に出ていたのですが、出ていた事に気づいたのは昨日でした。10代から20代前半までは「欲しい雑誌・単行本は少々遠くの本屋に行ってでも発売日前に購入」という自己ルールがあったのですが、我ながら衰えたものです。まあ、だからこそ「枯れヲタ」なわけですが・・・。
 「プリキュアSS」は、10月号の本誌で初登場したミズ=シタターレが早くも退場。毎度の事ながら、月刊+季刊の年16話で、毎週放映の約50話にあわせようとするのは大変です。実質的に本誌10月号が「満と薫が去った後」「二段変身」が主だっただけに、ミズ=シタターレにとっては唯一の活躍のできる話となりました。そういう事もあり、「ゴーちゃん」から「人間に変身」さらには「美学」まで一式揃っていました。特に、「自分が目立つために、プリキュアの変身後決め台詞を遮る」「最後は自らの意思で、『元の姿』である雨に戻る」などというあたり、短い中で彼女らしさを表現しました。
 一方、主役二人に関する主題は「咲のこだわりは『自分は辛い目にあっても舞だけは守る』」というものでした。いつもながら、熱い友情表現でした。あと、何回か描かれた「妙に色っぽい舞」が印象に残った話でもありました。

続きを読む なかよしラブリー増刊秋の号

SS第34話

 冒頭、美翔家の風景から始まります。和也の様子がちょっと変、という話になるのですが、その頃和也は、浮かぬ顔をして小石を蹴っています。そこにいきなりキントレスキーが出現。「つま先で蹴ると痛める。足の甲で蹴るのが基本だ」などといって、弾丸シュートを海に向かって放ちます。その現れ方の唐突さといい、言動といい、なかなかの濃さを感じます。
 一方、咲と舞はお月見を企画。そこに健太が「お月見と言えばサンマ」とか言い出したものですから、お供え物が多種多様になってしまいます。
 一方、舞にも悩みの理由を言わない和也ですが、お月見用のススキを摘みに来た咲と偶然出会い、話しているうちについ「学園祭の実行委員になったが、クラスの意見がまとまらず悩んでいる」と口にします。
 それに対し、咲は「ならみんなやる気がある、という事ですね」と持ち前の明るさで解釈。さらにお月見のお供え物の話をすると、それを聞いた和也は気が楽になります。

続きを読む SS第34話