通算4回目の石野聡さんの作監作品です。というわけで、絵は素晴らしいのですが、それと180度反対の方向の「物凄い」脚本も、別の意味で忘れられません。石野さんも原画集(完売・古同人誌屋でたまに見かけます)で、「この脚本にOKが出たのかいまだに疑問」と書かれています。
今回の話は「ももか」という、ざくろさんにあこがれ、両親が仕事で忙しいために常に孤独、という設定の幼女がゲストキャラが出てきます。したがって、ほぼ全編彼女が出続けるのですが、その出し方が凄すぎます。まず冒頭で「ももかのキッズハウスがカフェミュウミュウにケーキの出前を頼んだ」という設定で、いちごが彼女と出会います。次に、ざくろさんが仕事の打ち合わせにレストランに行くと、偶然すぐそこのテーブルで、一人で座っている彼女を見かけるのです。そしてさらに、ミュウアクア探索のために、五人が公園に行くと、さらに偶然な事にそこで彼女が遠足をしているのです。「ご都合主義」という言葉で語るのも憚られるほどの展開。某映画監督風に言えば、「この脚本は狂気に近い才能を持った天才に違いない!」とでもなるのでしょう。
これだけでも十分すごいのですが、さらに不可解なのは、この「ももか」をざくろさんに結びつける場面。一人で寂しくしている彼女を見たざくろさんは、幼い頃の自分を思い出します。同じように、一人で食事をする幼少時のざくろさん・・・。それはいいのですが、ではなぜ彼女が一人で寂しく食事をしていたのか、という説明は一切ありません。視聴者は各自でざくろさんが孤独だった理由を推測しなければならないのです。ちなみに、この謎は、放映終了までついぞ明かされる事はありませんでした。
まあ、「邪神の脚本」はこのへんにして、「神の作監」のほうを。というわけで中身的には良く分からない「ももか」ですが、外見だけは「神キャラ」になっています。絵だけで見れば、ミュウミュウの中で最も幸せと言えるでしょう。
あと、後半のミュウアクア探索の前にちょっとした漫才があるのですが、そこでのシリアス絵からギャグ絵の転換が笑えます。元がしっかりしているから、崩した絵もまたいい、という事なのでしょう。
なお、戦いの場面は、ざくろさんの独擅場。「定番」の「リボンストロベリーサプライズ」も出ず、他のキャラの活躍といえば、緊縛されたざくろさんを助けたミントエコーくらい。そして、異空間に逃げようとするキッシュをザクロスピュアで引き戻し、グーパンチでぶん殴るざくろさん、という貴重な(?)場面も見れます。さらに、その後パンチの衝撃でずり落ちたズボンを上げるキッシュ、というこれまた貴重な場面もありました。
「神作監」はもちろん、それ以外の点でも非常に印象深い一話です。