第13話・いちごはぼくのネコなんだから

 前回、変身している姿を青山に見られたいちごはえらく落ち込みます。青山を避けてまわり、店でもひたすらテーブルを拭き続ける始末。一方、盛上げ要員として歩鈴が大活躍、洗濯バサミを使った「営業スマイル養成ギプス」を作ったり、青山の来訪に対して「『今、いない』って本人が言っているのだ」などとお約束のボケをかましたりしてくれています。
 初期のころにいちごが担当していた「元気」は、この話あたりで完全に歩鈴に移りました。そしていちごは「恋愛」の人となっていきます。この位置付けは作品の面白さや、話の展開を作る上ではどうだったのでしょう。恋愛をする事自体はいいのですが、それ以外の観点で魅力を引き出す工夫をもっとしても良かったのでは、と思うのですが。

 一方、前話で青山との親密ぶりに妬いたキッシュは彼を標的とする作戦を練ります。ここで面白いのが彼の独り言。人類に対する敵意のみを公言するのです。前話で白金が決め付け、ざくろさんに論破された「『エイリアン』たちは地球の全生物を滅ぼそうとしている」を早くも否定したとも取れます。
 そして原生動物をもとにしたキメラアニマで学校にいる青山を襲撃。変身したいちごも原生動物の生命力で危機に陥りますが、キメラアニマに捕らわれている青山に触れたとたん、謎の力が発生し、一気にキメラアニマを撃退します。これが「愛の力」なのか「実はディープブルーである青山の秘めた力」なのかは良く分かりません。


 そして再び青山の前に変身した姿を見られるいちご。今度こそ、と覚悟を決めましたが、青山は「この前は似ている女の子と間違えた」などとボケをかまします。もっとも、これは後に「わざと別人と認識しているふりをした」事が判明されるのですが。
 さしずめ、この時の心の声は「このまま逃げられ続けられるのも不快だから、気づかなかったふりでもしてやるか。それにしてもこいつ、本当にバレてないとでも思っているのかね」とでもいうところでしょうか。
 それに喜んだいちごは、部屋から出て変身をとき、廊下で気絶していたふりをします。お互い本当の事を知りながら、お互いに偽り続けるという、とても歪んだ関係だと思うのは私だけでしょうか。

 そして、校庭でいちごを見つめます。キスかと思って目をとじたいちごに対し、いきなり首に鈴をまく青山。ちなみに、アニメではその鈴の出所は明らかにされていませんが、漫画ではそこらへんを歩いていた野良猫がつけていた鈴をそのままつける、という「演出」まで加わっています。
 そして「いちごは、ぼくのネコなんだから・・・なんてね」と言い放ちます。一見、「実質的な告白」みたいにも聞こえます。しかし、その後に正式に「好きだ」と言う場面が出てきます。したがってこれは「告白」ではありません。
 恋愛の場合、「まずは友達から」というのがよくある展開ですが、さしずめこれは「まずはペットから(=主従関係から)」と言ったところでしょうか。
 アニメのムック前編(もっとも後編は未だに出ていませんが)の監督インタビューによると、「男の自分としてこのセリフはどうかと思うが、スタッフの女性や知り合いの娘さんには好評だった」みたいな事を言っています。しかし、一般的にどうなんでしょうか。以前見た女性の方のやっているサイトでは、この話について「青山は将来DV夫になるタイプだと思った」という感想が書かれていましたが・・・。
 とにもかくにも、青山の性格がよく出ている話ではありました。

 一方、キッシュは度重なる失敗をディープブルーに叱責され、交代要員としてパイとタルトが召集されます。青山を襲った直後、というのは意味深なようにも思えますが、製作側にそのような含みがあったかは謎です。

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