最後のミュウミュウである藤原ざくろさんが登場する話。いきなり、キメラアニマをムチ一発で退治するという離れ業を連発します。いくらキメラアニマが小物とはいえ、これまでのミュウミュウと比べると、圧倒的な実力差です。
そして、それ以上に実力差があるのが、今回の絵です。石野聡氏の作画監督による、圧倒的な美しさを誇る絵。ふくれるいちごのギャグ顔まで美しく描かれています。
とくに話の終わりのざくろさんの変身場面は最高。教会にいるところでキメラアニマに襲われた時、帽子を投げ捨てた後に変身するのですが、この場面は何度見ても震えがくるような美しさがあります。
圧倒的な能力を持つ新キャラを圧倒的な能力を持った人が描いたわけです。その結果、視覚的には圧倒的に優れた作品となりました。
ただ、話のほうは、完全に絵に力負けしています。まあ、漫画の話を基本的に踏襲しているので仕方ないのかもしれませんが。
ざくろさんが芸能人だからといって彼女の出演作品のオーディションを受けて接触するという指令からして非効率極まりありません。さらに歩鈴の乱入で自らオーディションを中止に追い込んでしまうのですから、謎すぎます。そして監督の「乱入があったからオーディションは中止。ただし、ざくろさんが模範演技を見せるなら再開」という条件も意味不明。まあ、若い美女がレオタード着て踊るところを見たいというオヤジ根性なのでしょう。しかし、それではプロとしての資質を問われます。ついでに言うと、ざくろさんが完璧な模範演技を見せたにもかかわらず、その後オーディションが再開しませんでした。
絵が美しいだけに、この壊滅的な話の展開には頭が痛くなります。
もう一つ残念なのがみんとの描写。彼女がざくろさんを好きだ、というのは「東京ミュウミュウ」の主要設定の一つです。にもかかわらず、その「愛情表現」が露骨すぎ。いきなり初対面の人に「お姉さま」だの「仲間なんです。一緒に戦いましょう」では、誰だって「ウザい」と思うのは当然です。
いくら大好きな人の前で舞い上がっているからといって、これまでの話にあった、厳しくしつけられたのが伝わってくる物腰とは全然違う態度です。これまでのみんとの特徴を台無しにしてしまった一連の言動でした。
これが最初は「藤原さん」で、一緒に戦っているうちに「ざくろさん」となり、そして最後に「お姉さま」となる、というなら分かるのですが・・・。
戦いのほうにもどりますが、その後もざくろの圧倒的強さは止まるところを知りません。4人がキメラカラス(といっても外見はただのカラスですが)の一羽に苦戦しているのに対し、一人で何十羽ものキメラカラスを一瞬にして退治。さらにボスキャラ(?)のキメラカラスグレート(どうでもいいですが、凄い名付け方)も一蹴します。
その強さは、4人をあわせたよりもずっと上。「ジャッカー電撃隊」でいうところのビッグワンです。いっその事、ミュウミュウもこの話を境に、「戦いの主役」はざくろさんにして、いちごはラブコメ主体のキャラに位置付けを変えたほうが良かったかもしれません。「リーダーがムチ使い」というのは、戦隊モノ創設期からの伝統ですし・・・。
戦いの後は再びみんとが迫り(?)ますが、相変わらずざくろさんは冷たい態度。理由は先述した通りです。しつこく食い下がるみんとに「ウザい」と一言いい放ち、そこで話は終了。続きは次回となりました。