Yes!第24話

 ブンビーが敵味方問わず弁舌を駆使して本社の損壊を防いだ話でした。最初の所で変身したのぞみに対し、「きみ、ここでドリームアタックはやめなさい。本部が壊れてしまう」と説得します。のぞみに技を出す意図があったかどうかは不明ですが、このような形で主人公の必殺技を封じた(?)敵はなかなかいないでしょう。
 さらに「絶望の仮面」を破壊されてキレかけたカワリーノにも、「あなたが本気を出したら・・・」と言って、戦いの場所を変えることに成功します。悪の組織においてこのような形で、部下が上司を説得する、というのもこれまたかなり珍しいでしょう。
 今回のブンビーは、本社の損壊に関わる事以外では、プリキュアの存在など無視しています。驚くべき社屋への思い入れです。かつてのブンビーは本社建築の担当をしていたのか、などとも思いました。
 次の見所は、ギリンマの「労災死」でした。前回で退職でなく黒仮面を選び、カワリーノに「忠誠心」を褒められたギリンマですが、結局、彼の盾となって散っていったわけです。これは完全に労災死でしょう。相変らず、病める現代社会を感じさせる悪の組織です。
 すでにガマオはネットカフェ難民ですし、こうなると次はアラクネアが過労自殺でもするのでは、と心配になります。もっとも、ドリームアタックの直撃を喰らっても特に怪我もしないほど、ナイトメア社員たちは耐久力があるので、ギリンマもそのうち、ひょこり出てくるかもしれませんが・・・。
 今回の話で、作り手に対してプラスの感想を持てたのは、上記の二点だけでした。したがいまして、今回の話が面白いと思った方は、以下の部分は読まれないほうがいいかと思います。

 さて、二回にわたって描かれた「五人の人間関係の亀裂と、カワリーノの精神攻撃。およびそこから立ち直り」ですが、はっきり言ってよく分かりませんでした。一応、前回の精神攻撃に対する「回答」をコロシアムでの戦いで描いているわけですが、前回は精神攻撃に屈服した四人が、なぜ今回は反論できたのかが分かりません。単に、前回は仮面ギリンマのダメージがきつかったため、だというのなら、最初からあのような精神攻撃を描く意味はないでしょう。のぞみ同様、「捕らえて仮面をつけた」だけで十分です。
 前回、「もう一人の自分からの自己否定に屈服」をやった以上は、カワリーノ相手ではなく、「もう一人の自分」相手に答えなければ解決になっていません。
 「逃避の世界」から戻る直前に、こまちが言った「今まで甘えていた」もまったくもって余計です。確かに「手をつなぐ」というのは、プリキュアシリーズにとって、一つの鍵になる行為です。しかし、一度手をつないだだけで、「以前の関係には甘えがあったが、これからは違う」とするのは無理があります。
 あと、一応とはいえ、精神攻撃に対する答えはなされています。しかしながら、その前にあった、「ビーズ事件」で生じた言動に関する事は何一つ解決していません。りんが、のぞみを学校で無視したり、うららに「友達いないんじゃないの」と言った事も、かれんがこまちを「優柔不断」呼ばわりした事も、こまちがそれに対し「そういう風に思っていたんだ」と傷ついた事についても、ちゃんと片付いていません。
 喧嘩および、新マスコットキャラの登場とそれがもたらす新兵器、というのはプリキュアシリーズにとっての定番行事です。しかしながら、前回と今回は、それを最もまずい形でくっつけてしまった、と言わざるをえません。
 戦いの場面で、りんが、のぞみを助けて「どんな目にあったっていい、私はのぞみと一緒にいたいのよ」と言う場面などは、なかなかの見せ場だと思いました。ただ、前回の冷たい言動の解決がきちんとなされていないために、違和感をぬぐいきれませんでした。もし、「ビーズ事件」の直後で二人がきまずい状態のまま突入した戦いでこの描写があれば、かなりの名場面になったと思うのですが・・・・。

 仮にこの話、「ビーズ事件」に対する伏線をそれまでの話で描いておき、さらに仮面ギリンマに負けてからの一連の精神世界話をやめて、代わりに彼女たちの力で友情の亀裂を解決し、最終的に新兵器で勝つ、という形にすれば、同じ「喧嘩と新兵器」でも全然違った話になっていたでしょう。場合によっては、同じ主題で、かなりの名作になっていたかもしれません。
 これまでの各キャラの描き方をもってすれば、それも可能だったと思うだけに、非常に勿体なく思いました。四年半ほど前に、一度ならず感じた勿体なさととよく似ています。できれば、「プリキュア5」でこのような「勿体なさ」を感じさせられるのは、これを最後にしてほしいものです。

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