Hapiness第49話

 前回ラストで描かれた「フォーエバーラブリー誕生」をもう一度やったあと、レッドとの最終決戦となりました。
 相変わらず、「愛は幻であるか否か」の論争をしながらの闘いです。
 しかしながら、「何億年単位で生き続け、一つの星の生命誕生から滅亡まで見届けた神」と「寿命は100年弱である14歳の人間」では、死生観から何から、全然違います。
 当然ながら、一致点など見いだせるわけでなく、ひたすら互いの考えを主張し合っていただけでした。
 そして、最後は、「フォーエバー・ハピネスシャワー」で愛乃めぐみが勝利します。
 他の三人は、途中から鏡のから出てきたものの、その闘いを見ているだけでした。

 勝利と言っても、別にレッドは死んだわけでも重傷を負ったわけでもありません。しかしながら、闘いを放棄しました。
 もちろん、愛乃めぐみの説得に応じたわけでもありませんでした。立ち位置が違いすぎるから当然です。
 そこに、ブルーが駆け寄り、レッドが自分の兄であることを明かします。
 続いて、自分は地球を去り、ミラージュとともにレッドの星へ移住して、再興に協力する、と宣言しました。
 本来、「地球の神」がよその星に行ってしまう、というのは天地開闢以来の大事件であるはずです。しかしながら、リボンと、ぐらさんが驚いたくらいで、特に反対意見もなく、笑顔で見送られました。
 ファンファンも、それを聞くやいなや、大森ゆうこの肩に移動します。ミラージュへの忠誠心より、ブルーと一緒に過ごす事への嫌悪感が上回った、という事なのでしょうか。
 それが、この一年ちょっとの闘いを通じて得た、「神」に対するプリキュア並びにファンファンの共通認識だったのでしょう。
 そして、ブルーは餞別として、「愛の結晶」を皆に渡し、レッド・ミラージュともども、地球を去りました。

 ここから後日談となります。
 愛乃めぐみが、久しぶりに「心で思っている事を歌いながら歩く」で登場し、それに合わせて皆で歌いながら登校する、という前半でよく見た描写から始まりました。
 続いて、オレスキーが警官になって登場しました。以前、プリキュア四人で弁当の宅配に行った老婆と思しき女性の荷物を運んでいます。
 「自己中心キャラから人助けキャラに変わった」という事を描いたのでしょうか。しかしながら、「自衛隊から警察への転職」という感じで、あまり「変わった」感はありませんでした。
 どうせなら、中の人繋がりで、「ラクロス部員の娘がいる、キャンプに詳しいサラリーマン」にでも転身したほうが、10周年らしくてよかったのでは、と思いました。
 続いて、幼稚園の「星(保志?)先生」になったホッシーワが、幼女に飴玉を貰って、美味しそうに食べていました。
 人間に戻っても、「甘いもの好き」を続けている、というこの描写は嬉しく思いました。
 さらに、「幼女相手の仕事をする」という設定は、幼女の影響を非常に強く受けた歴代プリキュアを彷彿させられました。そのため、「中の人繋がり」的にも完璧だ、と感服しました。
 そして、最後は、相変わらず「めんどくさい」を口癖にしているナマケルダが、「生瀬」というサラリーマンになって登場します。そこに、増子美代が現れ、「幹部になった理由」を尋ねます。
 すると、「失恋で…」と答えかけたあと、マスコミの怖さに気づいたのか、回答を拒否して逃げました。
 そこで、プリキュア達とすれ違います。それを見ていた、白雪ひめは、「元気そうで、良かったですぞ」と嬉しそうにつぶやいていました。

 プリキュア達のほうですが、ファントムは、大森ゆうこの家に居候し、ファントムの姿で調理をやっているとのことでした。
 氷川いおなは、白雪ひめにブルースカイ王国に帰る件について尋ねます。すると、白雪ひめは、母親に帰国を勧められたものの、中学を卒業するまで日本にいると答えました。
 それを聞いて嬉しそうな表情をした氷川いおなに、「そんなにわたしの事好きなの?わたしも、いおなの事大好きだよ」と言ってくっつきます。
 すると、氷川いおなは「もう」と言って照れていました。
 最後に、白雪ひめは、ここが愛乃めぐみと出会った場所であった、と明かします。
 さらに、再び、第1話のように、愛の結晶を投げ、それが当たった人と友達になる、と宣言しました。
 そんな事を言いながら、三人は去っていき、愛乃めぐみと相楽誠司だけが残ります。そして、二人が歩く中、上空から見たぴかりが丘が描かれ、最後に二つの「愛の結晶」を描いて、「ハピネスチャージプリキュア」は終わりました。

 後日談が描かれた場所が、愛乃めぐみと白雪ひめが初めて出会った場所、というのは興味深い演出だと思いました。
 愛乃めぐみは自分の心境を歌いながら歩き、白雪ひめは調子よくしゃべって動き、大森ゆうこは食べ物第一思考の発言をしています。いずれも、序盤の頃を思い出させる描写でした。
 一方で、序盤では白雪ひめを敵視していた、氷川いおなは、彼女が帰国しないか心配でならない感じでした。それを見透かされ、白雪ひめにくっつかれて照れたりしていました。
 このような「原点」に戻りつつ、変わったところも描く、というのは面白いと思いました。

 というわけで、いい形で締められたシリーズだと思いました。
 しかしながら、一年間振り返ってみると、色々と勿体ないところを感じたシリーズでした。
 敵味方とも個性的なキャラをそろえていました。設定・絵はもちろんですが、声優さんの演技も色々と印象に残りました。
 特に、白雪ひめを演じた藩めぐみさんの演技は、アドリブも含め、秀逸でした。その存在感で、前半の展開を引っ張っていました。最終回の後日談でも「主役」的位置づけに描かれていたほどでした。
 しかしながら、それらの優れた要素を、話の設定・構成で減殺していたのでは、と思わざるをえませんでした。
 何度か感じたのは、製作側による思いつきみたいな設定にキャラが振り回されている、という事でした。
 その結果、少なからぬところで、整合性が取れない描写や設定が出てきてしまっていました。
 あと、「諸悪の根源」であるブルーが異様に目立ちすぎていました。作る方としては動かしがいのある存在だったのかもしれませんが、その分、プリキュアをはじめ、他のキャラの影が薄くなってしまっていました。
 あくまでも中心はプリキュアです。そして、話を引っ張って行くのは、彼女たち自身です。
 その基本中の基本というべき所をきちんと守って作られていれば、今シリーズに対する印象は大きく違っていたのに、と惜しまれました。
 また、ここ一か月の白雪ひめ・大森ゆうこ・氷川いおな「モブキャラ」的な扱われ方をしていました。リソースを全て愛乃めぐみにまとめていた、という感じでした。
 予算的な都合などもあるのでしょうか。このような事が続くと、今後の「プリキュア」シリーズはどうなるのだろうか、などと思ってしまった作品にもなってしまいました。
 来週から始まる「Go!プリンセスプリキュア」は、「全寮制の学校」「メインキャラは一年生」と、日常的な設定が、これまでと大きく異なっているようです。
 心機一転、いいシリーズになってくれる事を願っています。