五回目となったオールスター映画でした。またもや古いシリーズの声優のリストラが行われ、32人のプリキュアのうち、台詞があったのはちょうど半分となる16人でした。
その結果、衝撃的な事態が発生しました。オールスターの五作品の全てで台詞があるキャラが、フレプリの妖精であるタルトただ一人となってしまったのです。
オールスターで使い勝手がいいキャラという事なのでしょうか。実際、今回の映画も、みゆき・マナの次くらいに台詞の量がありました。
ぜひとも来年以降も出演し、このシリーズの「影の主人公」として君臨してもらいたいものです。
なお、今回の映画の感想のうち、好意的(?)なのはこれだけです。したがって、映画を楽しめた人は、以下の部分は読まない事をお勧めします。
昨年はまだ、新登場のスマイルチームが色々と目立っていましたが、今年は同じ立ち位置である「ドキドキ!」チームも、ほとんどキャラ描写がありませんでした。
ある意味、全プリキュアが「脇役」だったと言えるでしょう。公平と言えば公平です。
一方、今回の映画の「主役」は、妖精の「グレル」と「エンエン」でした。話の大半は、彼らの会話や行動で占められていました。
しかしながら、その「グレル」と「エンエン」のキャラが立っていたわけではありません。前者は「ひねくれものキャラ」で、後者は「弱虫キャラ」のテンプレートみたいな感じでした。
そのような個性のないキャラの言動を延々と見せられたわけです。
で、プリキュアのほうは、「ドキドキ!」を除けば、敵の策略にハマって妖精の世界に呼び寄せられ、変身アイテムを奪われて水晶にされ、最後にちょっとだけ戦闘シーンがある、という役回りでした。よくもここまで、歴代の「主役」たちを、雑魚扱いできるものだ、と別の意味で感心させられました。
なお、「スマイル」の五人だけは、変身こそできたものの、「プリキュア教科書」を読んでいたために対策が分かっていた「グレルの影」の前に、あっさりと倒されます。
たった見開き2ページくらいの「教科書」を読めば倒せるならば、一年にわたって、闘い続けた三幹部やジョーカーは何だったのでしょうか。プリキュアのみならず、敵キャラに対するリスペクトも全然ないのだな、と思いました。
さらに、「ドキドキ!」のほうも、キャラ描写といえるものは、真琴が納豆餃子飴を食べた、というくらいでした。おそらくは、「スマイル」と世界が繋がっている事を描きたかったのでしょう。しかしこれも、何を伝えたかったのかまったくもって意味不明でした。
昨年は、あかねと、なおの掛け合いなど、キャラの魅力を描いた描写がありました。しかし今年は、六花の突っ込みや、ありすの独特なペースなど、「ドキドキ!」キャラの面白さが描かれる事すらありませんでした。
歴代プリキュアですが、昨年は台詞がなかった、なぎさ・ほのか・ひかりに、今年は声優さんのアサインがありました。とはいえ、こちらも変身前の台詞は「影に襲われて逃げ、最後に捕らえられる」だけでした。
もちろん、なぎさと、ほのかの深い信頼感や、楽しい掛け合いなどが描かれることもありませんでした。
他の歴代シリーズでは、つぼみ・えりか・せつな・エレンに台詞がありました。
せつなとエレンについては、今回の「主題」が「一度悪の道に入った主人公の妖精たちが改心する」だったために、敵からプリキュアになった二人に台詞をつけた、という意味合いだったようです。
しかしながら、特に、せつなの場合は、その背景・過程・かつての仲間への思いなど、単なる「敵から味方になったキャラ」とは全然違います。
それを、一緒くたにされたのを見ていると、むしろ台詞がないほうがまだ良かったのでは、とまで思えてきたほどでした。
一方、えりかは、最初に発表された「32人のプリキュアの横顔」で一人だけ違う方向を向いている、など特別な扱いを受けていました。映画の中でも、一人だけ変な姿勢で水晶になったり、新技「おでこパンチ」を出したり、最期のオチを盛り上げるなど、目立っていました。
ただ、本来、「○○パンチ」は、つぼみの技です。そのため、強い違和感がありました。
また、確かに昨年の「変顔での登場」は衝撃的でした。しかしながら、二年続けて似たようなものを見せられてもインパクトはありません。
その浅いキャラ作りからは、「とりあえず、えりかに変な事をやらせておけば、ヲタ連中は喜ぶだろう」という作り手の安直な発想が透けて見えました。
結局のところ、もはや「歴代プリキュアを全員出す」という事自体がもう無理なのでしょう。いずれにせよ、「チョイ役」だの「やられ役」だのというような扱いを受けるプリキュアはもう見たくありません。
というわけで、自分が「プリキュアオールスター」を観るのは、今回が最後になりそうです。できる事ならば、来春は「オールスター」でない映画を作ってもらい、それを映画館で楽しみたいものですが・・・。