Smile第46話

 ジョーカーが作り出した「バッドエンドプリキュア」と五人が異空間で闘います。一方、1月プリキュア定番の「世界滅亡」が発生し、そのなかで、ジョーカーが「ミラクルジュエル」設定の辻褄を合わせつつ、ピエーロ復活を完了させる、という話でした。

 「プリキュア対プリキュア」の描写は、大変力を入れて描かれており、視覚的に楽しめました。
 さらに、プリキュアの声優さんが一人二役で敵役を演じており、その声の使い分けが非常に巧みでした。というわけでも、聴覚的にも非常に楽しめました。
 また、バッドエンドプリキュアの中では、「BEピース」の描写が上手いと思いました。
 やよいとの闘いが始まる際のやりとりは、前期EDのショートギャグを上手く活かしていました。その後の「フェイント攻撃」をし、喜んでVサインをするあたりも、エイプリルフール話を思い出させるものがあり、声優さんの一人二役を特にいい形で引き立たせていました。

 ただ、話全体の基本概念に色々と違和感があり、見終わったあとは、かなりの残念感がありました。
 まず、話の半分を占めた、キャンディとミラクルジュエルがらみの設定にかなり無理があると思いました。
 どうやら、「ミラクルジュエルを得ると何でも願いがかなう。それの鍵をキャンディが握っている」という情報は、「ミラクルジュエル」の正体である「キャンディの蛹」を隠すため、ロイヤルクイーン側があえて流した誤情報だったようです。
 しかしながら、その誤情報を知った結果、ジョーカーは、キャンディを付け狙いました。確かに、そんな情報を得れば、そのような行動をするに決まっています。
 逆に言えば、余計な事をしなければ、不必要に狙われてバッドエンド王国で十字架にかけられるような目にキャンディはあっていなかったわけです。
 結果的にロイヤルクイーンの策略(?)はジョーカーに対しては何の妨害にもならず、一方で、中盤でキャンディを危機にさらしたり、突然の「ミラクルジュエル化」で、プリキュア側が驚くなど、味方にばかり迷惑をかけてしまったわけです。
 この流れを見ていた時は、「県立地球防衛軍」という漫画にあった。「こーゆーのを『敵を欺くにはまず味方から』とゆーのだよ」「味方だけあざむいてもなんにもならんわい!」というギャグを思い出してしまいました。
 いずれにせよ、このオチを見た時は、「ミラクルジュエル」という伏線を張ったものの処理しきれず、最後にこのような形で誤魔化した、としか思えませんでした。
 そのあたりが透けて見える上に、ジョーカーの描写が視覚的にも気持ちいいものでなく、見ていてしらけました。

 もう一つの軸である、バッドエンドプリキュアとの闘ですが、先述したように、視覚的・聴覚的なものや一部の描写はかなり楽しめました。しかしながら、見終わった時の気分は晴れやかなものではありませんでした。
 BEプリキュアのうち、「サニー」「マーチ」「ビューティー」は、単に「自分のほうが強い(美しい)」と主張しているだけです。
 そんな中、「ハッピー」だけは、みゆきの考えを否定するような「幸福観」を持っています。もっとも、それは異常なものではありません。世の中で少なからぬ人が持っているものです。
 それを用いて、みゆきに対し闘いと同時に「論争」を挑んできました。
 対する、みゆきですが、BEハッピーの考えは当然ながら否定します。しかしながら、その考えを言葉でなく、力でねじ伏せようとしました。そして最後は、「ネガティブなわたし、どいて!」と言ってBEハッピーを消滅させました。
 結果的に、みゆきは、本来の自分の考えである「皆が幸せになる」でなく、敵の主張である「自分が幸せなら他人(ここではBEハッピー)が不幸になってもかまわない」という考えで「勝利」してしまったわけです。
 BEハッピーは、力では負けたが、考え方では勝った、と思って消えていったのでは、などと思いました。

 今回の設定は、映画「プリキュア5」と、敵プリキュアの基本デザインから、異空間で一対一で闘うところまで、全く同じです。それでいて、ダークドリームのような描写がなかったのです。その結果、先週危惧した通り、縮小再生産で終わってしまいました。
 同じ「プリキュア対決」でも、五人対五人にするとか、一対一でも、「同キャラ対戦」にはしない、など、オリジナリティを加える方法は色々あったと思います。
 そのような独自色を出しながら、二話くらい使い、「バッドエンド」のキャラたちをしっかり描けば、「スマイル」ならではの面白い話を作れていたのではないでしょうか。
 そういう意味で、前回に続き、勿体なさと残念さを強く感じさせられた話になりました。

 次回は、復活したピエーロが圧倒的な力を見せ、最後のほうでそれを倒す糸口を見出す、という毎年恒例の「ラス前」になるようです。
 ただ、今年においては、その中で、進化したキャンディがかなり目立つ展開になると思われます。
 とにもかくにも、最終回での後日譚に長い時間を取るべく、最終決戦が早めに終わる展開にしてもらいたい、と願うばかりです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です