三幹部退場話でした。これが本当に最後の機会、という事で、ジョーカーに「自らの体をハイパーアカンベー化する」という作戦を授けられた三幹部が、個々の闘いではプリキュアを圧倒します。
しかしながら、勝利目前、という所で、自分たちの過去・心情を語り始めてしまいました。それがきっかけで、プリキュアに同情され、闘志が減退します。そして最後は、みゆきに浄化され、本来の姿であるメルヘンランドの妖精に戻りる、という形での「退場」となりました。
そして、その直後、現れたジョーカーが、浄化された三幹部から出て行った「闇の力」を使って、五人を模した「バッドエンドプリキュア」を創り出す、という所で次回への引きとなりました。
話の全体において、唐突さを何度も感じさせられた筋立てでした。一方、三幹部の最後の闘いは、彼らのリスペクトを感じさせられる、迫力ある描写でした。
冒頭、いきなり「ピエーロの種」が、いきなり人間世界に現れます。するとその直後に、ロイヤルクロックの力が発動し、キャンディが「ミラクルジュエル」に変化してしまいました。傍から見ると、ロイヤルクロックは実はピエーロの支配下にあり、遂に正体を表した、とのように見えてしまいます。
もちろん、キャンディとミラクルジュエルの関係は伏線としてありました。とはいえ、このいきなりな展開は、狐につままれたようでした。
さらに、その直後に現れたポップの反応も、あっさりしすぎていました。仮にも妹がいきなり宝石になったというのにその事は軽く流してしまっています。
もしかしたら、皆に秘密にしていただけで、この事態は彼にとって想定内だったのかもしれませんが・・・。
そして、闘いにおいても、圧倒的な力を見せた三幹部が、勝利目前で急に心情をプリキュアに吐露し始め、さらに闘いに敗れた直後の、みゆきが、これまた唐突に「キュアウルトラハッピー」に変身して三人を浄化した、というのも驚きました。
なんか、80年代後半から90年代初頭のジャンプ漫画でよくあった、この「悪の限りをつくす強敵」→「悲しい過去が明かされる」→「これまでの悪行はスルーされ、いい人として散って行く」を見たような気分になりました。
そして最後に現れた「バッドエンドプリキュア」もまた唐突でした。数日前に、ネットに流れた情報で見てはいました。とはいえ、何の含みもなくこのラストで新キャラ五人、というのは驚きました。
とにかく唐突すぎる展開で、ついていくのに精一杯、というのが率直な感想でした。
ただ、主題である、「三幹部最後の闘い」については、とても力を入れて描かれていたと思いました。
表情や動きなど、細かい所まで丁寧に描かれていました。最終決戦に向かうにあたっての会話からして、彼らの心情が巧く描かれていました。
これまで負け続けていたわけでしたが、最後の最後で、まず五人の必殺技を、三者三様の方法で破ります。続いてのレインボーバーストも、三人で力を合わせて撃退しました。
これらの描写には、作り手の三人に対するリスペクトが強く感じられました。
特に印象に残ったのは、五人それぞれの必殺技を破る描写でした。
一対一で闘っているウルフルンは、正面からレインボーシャワーを破ります。一方、二人がかりで攻撃されたアカオーニは、サニーファイヤーとピースサンダーを食らいながらも弾き飛ばしました。
そして何よりも上手かったのは、マジョリーナの闘い方でした。なお・れいかという「最強コンビ」に対し、分身の術を使うも、途中から劣勢になります。
そして、れいかのビューティーブリザードと、なおの「マーチシュート乱れ打ち」の同時攻撃の前に絶体絶命になりかけますが、そこでキャンディの偽物を出現させて逆転しました。
いずれも迫力ある描写でしたがが、特にこのマジョリーナの闘いは、様々な点に於いて、キャラの為人を完璧に描ききっていたと思いました。
それだけに、「改心」の場面における、唐突かつ単調な描写はより残念に思いました。
たとえば、プリキュアと三幹部が闘いながら会話をし、そこにコドモニナール話でのウルフルン・アカオーニとの交流や、夏に若返ったマジョリーナを、やよいが「美人」と褒め、翌週の似顔絵対決でも好意的な描き方をした事などを三幹部が思い出す形で、本来の自分を取り戻す、みたいな展開もあったのではないでしょうか。
そのように、このまで築いたものを活かしつつ、かつ敵味方とも各キャラをもっと活かせば、迫力ある描写とあいまって、素晴らしい最終決戦になったのでは、と惜しまれました。
次回は、唐突に現れた「バッドエンドプリキュア」との闘いになるようです。
このような形の敵と言えば、映画「プリキュア5・鏡の国~」でありました。自分的には、あの映画は「5」シリーズでは最高傑作だと思っています。特に、敵である「ダークドリーム」の描写は秀逸でした。
本シリーズは、何度は、過去のシリーズで描かれた話と同じシチュエーションの話をやっていました。その中で、ハトプリの中で特に傑作と言える、「今はなき親の想い出」と「学園祭」にぶつけた話は、いずれも、現シリーズが下回っていた思っています。
それだけに、今回も大丈夫なのだろうか、と正直心配しています。もし「闇の五人」を上手く描ければ、いい話になる可能性が高いので、そこに期待したいのですが・・・。