最後の「れいか回」でした。戦闘シーンは、その「キュアビューティー」の名前の通り、本当に彼女の美しさを描けていたと思いました。
氷の技に、彼女の部活である弓道を組み合わせた、今回の「プリキュアビューティーブリザードアロー」は、ここまでずっと、技を磨き続けていた、彼女の集大成だと思いました。
ただ、話の流れについては、色々な意味で残念さがありました。
発端は、れいかが一年前に応募していたイギリス留学者を決める選抜に合格した、という所から始まります。今ひとつよく分かりませんが、一年間の学校の成績を元に、合格者を決める制度のようです。
それに関し、なおも含め、四人が誰もその話を事前に知らなかった、というのにまず違和感がありました。
さらに、留学決定後の雰囲気にもかなり引っかかるものがありました。四人は、れいかにとって留学が最善だから、本当は嫌だけれど引き止めない、というように事前に話し合い、それを元に接していた、という感じでした。
それはまあ、分からなくもありません。しかしながら、実際に五人で帰路につき、れいかの雰囲気を見れば、留学に乗り気でない事くらい分かるとしたものです。
そのあたりを察する事ができない、というのは、この10ヶ月間の彼女たちの事を考えると、かなり不自然に思いました。
そして、一番勿体無く思ったのは、五人が「別れたくない」という本音を泣きながら語る所でした。
この描写自体は、上手かったと思います。特に、これまで、なお以外には敬語で通していた、れいかが、初めて、感情をそのまま口に出した、というのをここに持ってきた、というのは上手いと思いました。
さらに、みゆきが、最初は笑って見送る、と言いながら、「友達がいなくなるのに笑っていられるわけないじゃない!」と、作品の主題である「スマイル」について、「時と場合によってはできない」と明言した、というのも印象に残りました。
しかしながら、いかんせん、戦闘中なわけです。その結果、ジョーカーはスキだらけの五人をボケーッと見ていた、という事になってしまいました。
今回の「最後のキャラ話シリーズ」は、いくつかのフォーマットがありました。その一つは、話の主題と戦闘をからめる、でした。ただ、今回の展開を見る限り、ちょっとそれに拘泥しすぎだったのでは、と思います。
普通に戦闘で勝利し、ジョーカー退散後に、五人が本音をぶつけあう、という形にしておけば、全然違った印象になったのではないでしょうか。
あと、今回はかなり凝った演出が施されていました。ただ、ちょっと凝り過ぎなのでは、とも思いました。特に、ジョーカーの心理攻撃の際に、「いくつも積まれた古いTVに回想が流される」というのを見たときは、「ジョーカーはいから『ハコの魔女』になったんだ?」と思ってしまいました。
というわけで、話の構成と演出については、かなり残念感がありました。
ただ、戦闘描写については、非常によく描かれており、強く印象に残りました。
プリキュアとして得た、「冷気を発する力」を、これまで、れいかは様々な形で、発展・進歩させていました。
ここまで技が進歩していったのは、長いシリーズの間でも他にはいないと思います。
そのあたりを、華麗に描きつつ、最後は、日頃やっている弓道と初めて融合させた新技「ビューティーブリザードアロー」を繰り出し、ジョーカーの分身の術を一瞬で倒す、という描き方は、強く心に残りました。
その直後、ジョーカーの作った世界が崩壊するのですが、そこで、みゆきが放心したような表情で、「ビューティー、すごい」と呟いた、というのも上手いと思いました。
次回は、このシリーズの締めとも言える、最後の「みゆき話」です。予告を見た時点で言わせて貰うと、「新キャラ使って話を作って大丈夫なのだろうか」というのが率直な気分です。
その不安が取り越し苦労になるような、いい話を見れれば、と思っています。