Smile第42話

 最後の「なお回」でした。これまで同様、アイキャッチ・サブタイトル読み上げも、やよいで、「また見てね」も特別仕様でした。
 主題は、なおの家族でした。それを用いた日常描写も、それを絡めた戦闘描写も、非常に印象に残った話でした。

 話のほうは、なおが、弟妹たちと洗濯物を干す、という場面から始まります。
 七人目の出産のために病院に行った、とも子および、それに付きそう源次が家を空けたことから、なおが家事をやる、という流れになります。
 そのころ、四人は、なおに新たな家族ができることを知って、喜んでいました。れいかは、昨日電話で話した際に、なおがいかに嬉しそうだったかについて、語っていました。
 一方、バッドエンド王国では、マジョリーナが新兵器の「毒(?)林檎」を開発して悦に入っていました。しかし、そこに現れたジョーカーは、それを無視して、最終通告をしました。なお、その会話から、前回・前々回に敗れ去った、ウルフルンとアカオーニは、その後、バッドエンド王国で姿を見せていない事も分かりました。

 さて、なおは弟妹を引き連れて商店街に買い物に行きます。年長の、けいた・はるは、一緒に食材を選んだりと活躍しています。一方、年端のいかない、ひな・ゆうたは、何を選べばいいかわからず、オロオロしていました。
 すると、なおから「おかあちゃんカレー」を作る、と聞いていた、八百屋の主人は、「サービスだ」と言って、二人に人参をわたしました。
 八百屋のみならず、向かいにある肉屋も緑川家の「おめでた」を知っており、気前よく「出産祝い」でサービスしてくれました。
 このあたり、緑川家の面々と、「昔懐かしい商店街」の人情味を上手く描かれてると思いました。
 その買い物の様子を、マジョリーナは空から見ていました。そして、何やら作戦を思いついていました。
 帰宅した、なおは、早速カレーを作り始めます。しかしながら、途中で、隠し味である林檎を買うのを忘れた事に気づきました。
 しかしながら、林檎一個のために、また買い物に行くわけにもいきません。困っている、なおを見て、先程の買い物で何も出来なかった、ひな・ゆうたは、自分たちが林檎を手に入れようと、街に行きます。

 その頃、四人は、なおにを祝うために、緑川家に向かっていました。道すがら、れいかは、子供の頃、初めてできた弟を二人で見た時の、なおの喜びと決意について話していました。
 冒頭の電話もそうですが、そのような形で、なおの喜びを伝えると同時に、幼馴染である二人の深い友情を描いたのも、巧いと思いました。
 ところが、緑川家の前まで四人が来た時、二人の不在に気づいた、なおが血相を変えて出てきます。そして、四人も手伝って、ひな・ゆうたを探しました。
 その二人ですが、商店街に着いたはいいものの、自分たちに買い物をする術がない事に気づきます。そして、しばらく呆然としていた後、帰路につきました。
 するとそこに、マジョリーナが現れます。そして、冒頭で開発していた「毒(?)林檎」を二人にあげる、と言います。喜んだ二人がそれに触った瞬間、林檎は牢獄となって、二人を捕らえてしまいました。

 そこに、なおが駆けつけます。捕らわれた二人を見て、一度スマイルパクトを取り出しますが、弟妹の前、という事で変身をためらいます。
 しかしながら、マジョリーナは容赦なく攻撃を始めます。そして、けいた・はる・こうたに当たりそうになります。
 それを見た、なおは、ついに意を決して、弟妹の前で変身しました。それに対し、マジョリーナは、ひな・ゆうたを捕らえている「牢獄林檎」をハイパーアカンベー化しました。
 二人を人質に取られている上に、三人をかばわねばならないわけです。したがって、なおは防戦一方となってしまいました。
 そして、攻撃を喰らい、動きが止まります。するとそこに、けいた・はる・こうたの三人が立ちはだかりました。
 予想外の事に、一瞬、マジョリーナの動きも止まります。しかしながら、もともとまとめて倒すつもりだった事もあり、その三人に攻撃を加えようとしました。
 それを見た、なおは気力で立ち上がり、ハイパーアカンベーをふっ飛ばします。しかしながら、後のないマジョリーナも、若返り、さらなる攻撃を繰り出します。
 対する、なおは風の力をまとってパワーアップし、攻撃を次々と避けます。そして、「ひなと、ゆうたを返して!」と言い、新技・マーチシュートインパクトを放ってハイパーアカンベーをふっ飛ばしました。
 しかし、マジョリーナもひるまず、攻撃を放ちます。なおはそれを受け止めようとしましたが、弾き飛ばされ、その攻撃は、けいた・はる・こうたのいる場所に向かいました。
 三人がいたあたりは、煙がもうもうとたっています。その向こうにあるものを想像した、なおは、心のそこから絶望した表情を見せました。言葉もでません。
 しかし、煙が晴れると、現れたのは、みゆきと、あかねでした。二人でマジョリーナの攻撃を防いでいたのです。
 それを見たマジョリーナが驚いている間に、れいかの氷の剣が一閃し、やよいと二人で、捕らわれていた二人を救いました。
 助かった五人は、なおの所にかけよります。その五人を抱きしめながら、なおは安心した表情を見せました。この部分での、なおの表情も多彩かつ心がよく伝わってきました。
 そして、五人はプリンセスモードに変身します。過去二話では、「主役」である、あかね・やよいが「みんな、行くよ!」と先導していました。しかし、今回、なおはダメージと弟妹に対する事で手一杯で、それを言う余裕がありません。この形でのパターン破りも、非常に上手いと思いました。
 そしてハイパーアカンベーを撃退します。元の姿に戻ったマジョリーナは、これまでの二人同様、自分の行末を恐れながら、去って行きました。

 闘いが終わり、弟妹たちは気を失っていました。それを見た、なおは、安心したあと、泣きだします。それを受け止めた、みゆきに抱きかかえられながら、「こわかった」と言いながら泣きじゃくっていました。
 すると、そこに、源次が運転するトラックが通ります。そして、無事生まれた事を伝えられました。そして、四人も一緒に病院に行きます。
 生まれた子供は女の子でした。源次は、「ゆい」という名前をつけた事を告げます。それを抱っこする、なおと弟妹たちを描き、話は終わりました。

 前半部においては、緑川家の日常を、自然かつ丁寧に描いていました。洗濯や料理において、なおを中心に弟妹たちが歳相応に頑張っているという描写を楽しむことができました。
 また、商店街の店主たちの人情味も、この街の温かさを上手く描いていると思いました。
 戦闘においては、何よりも、弟妹が攻撃を受けたと思った、なおの絶望的な表情が強く印象に残りました。それだけ、家族を大切にしているという事なのでしょう。
 ただ一方で、なおが絶望的な表情を浮かべてから、みゆき・あかねが助けていた事が判明するまでの時間がちょっと長すぎるのでは、とも思いました。
 他でも随所に、なおの弟妹に対する強い想いを上手く伝えていました。なおが、心の底から力をふりしぼっている事がよく解りました。また、なおが意を決して弟妹の前で変身し、その姿で弟妹に指示を出した、という描写も印象に残りました。
 ただ、最後に、五人の弟妹が、なおの変身を「夢」で片付けてしまった、というのは少々残念に思いました。もう12月ですし、「フレッシュ」での前例もあります。
 あそこでは、五人が、なおがプリキュアになって自分たちを助けてくれた事に感謝しつつ、六人だけの秘密にする、という形のほうが、よりいい形でまとまったのでは、と思いました。
 それはともかく、最後に、なおが「怖かった」と泣きじゃくる場面も印象に残りました。様々な個性が描かれた、なおですが、その中に「怖がり」というものがありました。その性格と、弟妹たちを失うのではという恐怖感、そして解決したという安堵感が混ざった結果なのでしょう。
 れいかとの幼馴染設定もふんだんに取り入れた事を含め、「緑川なお」というキャラを描ききろう、という作り手の意思が、非常によく伝わってきました。
 次回は、最後の「れいか回」です。彼女の座右の銘である「道」の集大成になる話にもなるのでしょうか。今回同様に、彼女を描ききった話になる事を期待しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です