映画「スマイルプリキュア」

 みゆきが幼少時に絵本を読んだ際に語った不用意な一言がきっかけで逆恨みされ、仲間ともども騙されて、「絵本の世界」に連れ込まれる、という話でした。
 その世界で様々な面倒な事が起きましたが、最後は逆恨みした「ニコ」を、みゆきの誠実さに打たれ、裏で手を組んでいた「魔王」ともども改心する、という展開でした。

 一番印象に残ったのは、本性を表したニコに罵倒され、落ち込んだ、みゆきを、あかねが元気づける場面でした。
 変身中でありながら、普通に「みゆき」と声をかけ、抱きつきます。そして、TV第2話で、みゆきに元気づけられたのと同じ台詞で元気づけます。
 それだけ、あの時、みゆきに元気づけられたのが嬉しかったのでしょう。そして、その時の事を忘れず、みゆきの事を大切に思い、気遣っている事がよく伝わる、いい描写でした。
 あと、戦闘場面も色々と印象に残りました。特に、前半の絵本博覧会においての、あかね・なおの連携攻撃は華麗に描かれていました。あと、炎の力と風の力を同時に放った攻撃も上手いと思いました。
 また、れいかがビューティーブリザードをさらに進化させて攻撃した場面にも感心させられました。大きい氷塊を作って攻撃したり、相手の剣の上に乗ったあと、足から冷気を出してその剣を凍らせるなど、冷気を自由自在に操っています。
 さらに、この剣の上に乗る時の動きが、れいからしい華麗さが描かれており、巧さを感じました。
 ここまで、プリキュアとして与えられた能力を応用している人は、歴代シリーズを見ても他にはいないでしょう。
 これらの、TVをさらに進歩させた描写は、心に残りました。

 ただ一方で、せっかくこのシリーズを映画にしたのに、と勿体なさを感じた点も少なからずありました。
 一番残念だったのは、映画オリジナルキャラの「ニコ」の設定及び性格でした。率直に言って、彼女が何故、みゆきを逆恨みし、しかも、自分が治めている国を滅茶苦茶にしてまで、あのような復讐劇を今更行ったのかが、まったくもって理解できませんでした。
 同様に、では一体何故彼女並びに「魔王」が改心したのかも、今ひとつよくわかりませんでした。
 そのため、見終わっても、ちょっとすっきりしない感じになりました。
 また、先述したように、各所での描写は良かったものの、話全体において、みゆき以外の四人の存在感が薄かったのも残念でした。
 せっかく、あれだけの時間があるのですから、あかねが、みゆきに見せた優しさのような描写を、他のキャラでも描いて欲しかったものでした。中盤のほとんどは、童話の改変とそれに巻き込まれる描写が占めてましたが、かなり冗長に感じました。

 というわけで、優れた描写に感心した一方で、このキャラたちなら、もっと素晴らしい映画を作ることが出来たのは、という残念さも感じさせられた作品でした。

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