三幹部が中学生に化け、れいかと生徒会選挙で闘う、という話でした。その、プリキュア史上初という奇抜な設定、及び、戦闘中にウルフルンに罵倒された、れいかが、二度ほど、ソウルジェムが真っ黒になりかけそうな表情を浮かべ、それを、みゆき達が救った、という描写が印象に残った話でした。
一方で、話の筋立ての根源に違和感があり、それが最後まで拭えなかった話でもありました。
冒頭、れいかの生徒会副会長としての活動から始まります。そして、みゆきの話がきっかけで、れいかを次期生徒会長に、ということで、四人が盛り上がります。
しかしながら、れいかは生徒会長になる気はない、と発言し、四人を驚かせます。
その理由は、「生徒会長は、生徒たちに進むべき道を示すもの。しかし、自分にはそれがない」というものでした。率直に言って、この発言並びにその後に取った行動には、かなり違和感がありました。
結局、このあと、れいかは、三幹部が変身した「生徒会長候補」の無茶苦茶な公約に対抗するために、立候補を宣言します。
しかしながら、自分が「生徒会長としての道」を示せない、と思ってにもかかわらず立候補する、というは整合性がないのでは、と思いました。特に、「道」にこだわりを見せる、れいかの事なので、かなりの違和感がありました。
「ルン太郎」達の当選を阻止したいのなら、他にも二年生の生徒会役員はいるわけですから、どうしても「ルン太郎」達の生徒会長就任を阻止したければ、その役員に立候補してもらい、自分はその応援をする、という事で良かったのではないでしょうか。
いずれにせよ、冒頭の発言と、立候補してからの発言の整合性がおかしいのでは、と思わざるを得ませんでした。
もう一つひっかかったのは、戦闘中、ウルフルンの言葉で傷つく、れいかを四人がかばった時の会話でした。その時、ウルフルンが「友達だから(れいかをかばうん)だろ」と言うと、あかねは否定します。
しかしながら、どう考えてもこの四人が、れいかをかばったのは、「友達だから」です。仮に、一年前に同じような事があったらどうだったでしょうか。なおはともかく、あかね・やよいが同様の主張をしていたとは思えません。
ここは素直に、「友達を応援して何が悪いんや!」と言い返したほうが自然なのでは、と思いました。
ただ、視覚的には、この戦闘中に、ウルフルンの発言に傷つき、絶望の一歩手前のような表情を見せる、れいか及び、彼女の事を応援する四人、そして、それを聞いて表情が明るくなる、れいか、という描写は、非常に良く描けていると思いました。
また、最初の立会演説会において、れいかが登場するかなり前から、目をつぶって手を合わせて応援していた、なおの描写も印象に残りました。なおの、れいかをいかに大切に思っているかを非常に上手く伝えていたと思いました。
それらの質の高い描き方は深く印象に残りました。しかしながら、「選挙」を意識し過ぎたためか、全般において、これらの「綺麗事」的な発言が今回は多発していました。それが非常にひっかかり、最後まで強い違和感が拭えませんでした。
もっとも、今回の話の主題はそこにはないのでしょう。
一番の主題は、敵キャラが中学生に変身して、プリキュアである、れいかと生徒会選挙を争う、という想像を絶する展開だったと思われます。
正体を隠してプリキュア達に接触する敵キャラは、歴代シリーズでも少なからず存在します。しかし、いずれも目的は打倒プリキュアのためでした。
しかも、その動機は、テレビで見た「生徒会長の権力者ぶりに感動したから」です。彼らにとって、れいかが対抗しようとしまいと、別にどうでもいい事なわけです。
こんな、しょうもない動機で、しかも三人勢ぞろいして人間に化け、プリキュアと絡むわけです。そして、ウルフルンに至っては、戦闘終了後に平然と五人の前で再び人間に化け、「選挙戦」を続けていました。
これは、プリキュアシリーズのみならず、歴代のアニメや特撮でもかなり珍しいのではないでしょうか。
しかも、次回はマジョリーナの魔法によって、プリキュア五人と、ウルフルン・アカオーニが幼児化し、鬼ごっこで闘う(?)という話になるとのことです。
これまた、かなり想像を絶する話です。
ここ数年ほど、プリキュアシリーズでは終盤で敵キャラと和解するというのが普通になっています。特にここ二年はラスボスも含めて敵キャラが誰も死にません。
今年は、それまで以上に、敵の三幹部とプリキュア達の距離を近づけようとしていると思われます。果たして、最後にどのような形での結末を用意しているのでしょうか。今から非常に気になります。
※映画の感想は間に合いませんでした。水曜の掲載を予定しています。すみません。