みゆき達のクラスが文化祭で、絵本コスプレのファッションショーをやる、という話でした。話の大半は、文化祭でバンドをやりたかったが投票で負け、ファッションショーになってふてくされている、クラスメートの豊島の説得で占められていました。
話の流れですが、前半部分は説得に費やします。そして、敵を倒した後は、二つの企画を一体化し、ファッションショーをバンドの伴奏で行います。そしてその曲は後半用の挿入歌、という宣伝を兼ねていました。
これは、ハートキャッチプリキュア!36話と同じ構成でした。
しかしながら、話しの出来には大差がありました。その理由は単に「二番煎じ」だったからではありません。
たとえば、第11話の「五人が敵の超能力で小さくなる」という話も、ある意味GOGO32話の「二番煎じ」でした。しかしながら、「スマイル」シリーズの良さを活かして、印象に残る作品に仕上がっていました。
しかしながら、今回の話は、「スマイル」の良さがほとんど出ていませんでした。
ハトプリ36話が今でも語り継がれるほどの名作になった理由としては、あのシリーズの特徴である「クラスメートなどの一般キャラを毎回焦点を当てる」を最大限に活かした所にありました。
だからこそ、ななみを見て大喜びしてサイリウムを振る、るみと、それを見て嬉しそうに手を振る、ななみ、という場面までも、強く心に残った描写となったわけです。
そのキャラの出し方・描き方は、あのシリーズの集大成と言えるほどの内容でした。
それと対照的に、「スマイル」は、メインキャラ五人だけで話を作っています。クラスメートの大半に名前はついていますが、これまでその彼・彼女らの人となりが描かれる事はありませんでした。
一般人キャラで唯一レギュラーと言えるのは佐々木先生くらいですが、彼女も、「先生」として描かれることはあっても、「個人」として描かれる事はありません。
それだけ、ここまで五人だけに絞っていたわけです。それにより、各キャラの人となりおよび、キャラ相互の位置関係がそれによって深く掘り下げられていました、その結果として、ここまで多くの面白い話が作られてきたわけです。
それに対し、今回は、五人はひたすら「どうやって豊島を説得するか」ばかりやっていました。各キャラの特徴も、相互の人間関係もほとんど描かれませんでした。これでは、「スマイル」の良さは出ません。
一方、突如「メインキャラ」になった豊島ですが、ただ「バンドをやりたかったから、ファッションショーには出たくない」と主張するだけのキャラでした。そのバンド仲間である宗本なども、特に何か描かれることはありませんでした。したがって、全体的に中途半端になってしまったわけです。
同じ題材を扱うにしても、これまでの「ひたすら五人だけを描く」という方針で描けば、全然違う話になっていたのでは、と大変残念に思いました。
というわけで、根本的な部分に問題のある残念な話ではありました。ただ、個々の描写では、色々と良かった点もありました。
特に、四人が豊島を説得しようとするなか、れいかがそれに加わらず、「多数決で決めたのが良くなかったのでしょうか」と言ったのは印象に残りました。その後も、もっと豊島と話し合うべきでは、とも言っています。
最近、一部の「偉い」人達は、「多数決で決めたのだから、後は何でも従え」という事をよくやります。
そのような世相が目立つだけに、豊島を納得させる話し合いができずに「決」を取った自分の行動を省みる、れいかの思慮深さと気遣いには、ホッとさせられるような気分になることができました。
また、視覚的にはかなり楽しめました。最後に、童話キャラに扮した五人の絵も非常に上手く描けていると思いました。
次回は、戦闘中にマジョリーナの力で、みゆきが巨大ロボになってしまう、という話です。そして、それを見た、特撮好きの、やよいは、鼻息を荒くして喜んでいます。
これはかなり異質の話になりそうです。ここ暫くの低調を吹き飛ばすような楽しい話になることを期待しています。