北条家の描写から始まります。まりあも帰国しており、家族水入らずのクリスマスイブを過ごしています。そして、北条夫妻は、翌日に行われるクリスマスコンサートおよび、その後に行われる予定と思われる、パーティーの事を楽しそうに話していました。
しかし、変身能力を失い、不幸のメロディが完成した事もあり、響はそれを楽しみにしている余裕はありません。会話に加わる気分でないため、明日のイベントの相談、という口実で奏の家に行きました。
もちろん、奏も塞ぎこんでいます。そして二人で、楽譜を完成させたマイナーランドが攻めてこない事の疑問などを話していました。そして、調べの館に移動しましたが、やはりエレンとアコも沈んでいました。
しかし、そこに音吉が笑顔で現れます。そして、パイプオルガンがいまさっき完成した。これで、全ての悪にも対抗できる、と言います。さらに、クレッシェンドトーンもそれにお墨付きをつけていました。
さらに、音吉は、明日の手伝いという事で、奏太・和音・スイーツ部・王子隊たちを調べの館に呼びました。響と奏は、彼女たちの自分に対する想いを認識し、元気を取り戻しました。一方、エレンも、王子の厚意に好感を持ったようですが、かつて「猫のセイレーン」として王子に持った想いが蘇る事はなかったようです。
そして翌日、四人はサンタコスをして、イベントの行列整理などをやっています。響・奏・エレンは笑顔ですが、アコは一人塞ぎこんだままでした。もともとクールな性格であるうえ、メフィストが前回の闘いの影響で寝込んだままであるため、楽しむことができません。
そのアコに対し、三人は、「今はコンサートを成功させる事だけ考えればいいの」「不幸のメロディが流れる前に不幸になってはノイズの思うつぼ」と言って元気づけました。
コンサートの前に、舞台袖で、響・団・まりあが三人だけになります。すると、まりあは響を抱きしめます。さらに、その二人を団が抱きしめました。そして、「パパとママは世界で一番響を愛している」と言いました。
そして、いよいよクリスマスコンサートが始まる、というところで、ファルセットが現れます。ここまで動かなかったのは、皆がクリスマスで楽しんでいるこの時が、不幸のメロディを唄う絶好機だと考えていたから、という事でした。
そして、唄い始めますが、音吉のパイプオルガンにより、その力は中和されます。しかし、その直後にノイズの力が発動し、パイプオルガンの力はあっさり消されました。どうやら、先ほどの「どんな悪にも対抗できる」という二人の発言は単なるハッタリだったようです。
そして、不幸のメロディによって人々に生じた悲しみの心を吸収したノイズは、完全体への復活を果たします。そして、その力を使い、加音町のみならず、全世界の人間を石にしてしまいました。ただし、プリキュア四人は、パイプオルガンの力で、何とか難を逃れました。
そして、勝ち誇ったノイズは、この世界の全ての音を消す、と言ってメイジャーランドに向かいます。ファルセットもそれについていきますが、去り際に、「もう、用済みだ」と言い、楽譜をネガトーン化させて響たちを襲わせました。
音吉がヒーリングチェストでバリアを作って防ごうとしますが、結局破られてしまいます。皆は吹っ飛ばされますが、響だけは、ネガトーンに語りかけました。
そして、皆を幸せにしていた楽譜を、自分たちの力不足でネガトーンにしてしまった事を謝ります。すると、楽譜の心(?)が蘇り、ネガトーンの攻撃は止まり、涙を流し始めました。それを見た響が「このままで終わらせたくない!」と言います。
すると、奏が響の手を握り、「そうよ、まだ終わってないわ」と言います。続いて、アコが奏の手を、エレンが響の手を握りました。
そして、響が「私たちの鼓動が刻まれる限り、終わっていない。だから私たちは・・・」と言います。続いて、四人で声をあわせ、「絶対に、諦めない!」と言いました。
すると、ネガトーン化した楽譜に新たなページが開きます。そこには、ト音記号がありました。そして、それがモジューレに飛んで行き、四人は変身能力を取り戻します。
変身した響は、「待ってて、今助けてあげる!」と言い、いきなりスイートセッションアンサンブルクレッシェンドを放ち、ネガトーンを浄化しました。
続いて、四人は音吉の指示で、調べの館にいて石にされた人たちを、外に出します。この時、石にされた家族を移動した響と奏の心境はいかなるものだったか、と思い、辛い気分になりました。
続いて、音吉が「では行くぞ、ノイズを追って、メイジャーランドに!」と言うと、調べの館が地盤とともに船の形になって空中に浮きます。どうやら、音吉は最初からこんな事もあろうかと、調べの館に戦艦を仕込んでいたようです。
そして、プリキュア四人と音吉・クレッシェンドトーンがその「調べの館戦艦」に乗ってメイジャーランドに向かう、という所で話は終わりました。
例年、クリスマス話は、次回からの最終決戦を踏まえながら、シリーズ最後の「通常話」をやる、というのがパターンでした。しかし、今回は、「通常話」は前半部分で簡単に終わらせ、後半からは早くも最終決戦モード、という構成になっていました。
もし、1月の放映回数が3回しかない、とかいうなら、この構成もアリなのかもしれません。しかし、1月の放映は4回あります。それだけに、前回も含め、この構成は何なのだろうか、と思いました。
ただ、そのような制約された設定のなか、響を中心とした前半部分の描写は、かなりしっかり作られていました。特に、まりあが響を抱きしめ、その二人を団が抱きしめて、二人が響に対する親の心を語る部分は、ストーリー展開上は唐突でしたが、印象に残りました。
この二人はかつて、自らの演奏でマイナーランドの力を撃退した事があります。それゆえに、今回迫っている危機および、響にそれと闘う力がある、という薄々感づいていたのかも、などと思いました。
深読みしすぎかもしれませんが、それだけにこの場面は印象に残りました。同時に、ファルセット登場は次回にとっておいて、ここでは、その設定も含んだ、北条家三人の会話をもっとじっくり描いてほしかった、と思いました。
また、戦闘シーンでも、響がネガトーン化した楽譜に同情する、という描写は上手いと思いました。率直に言って、前々回・前回でのモジューレ争奪戦は無意味だと思っています。しかしながら、この会話がきっかけで、ト音記号を取り戻す流れになったわけです。そう考えると、これは、モジューレ争奪戦の失敗を上手くフォローした描写だと思いました。
そして、戦闘シーンのクライマックスでは、四人が手をつなぎ、「絶対に、諦めない!」と言い、それでプリキュア復活を成し遂げました。この行動および言葉は、プリキュアシリーズの名場面に何度も描かれました。
前回書いたように、「ト音記号を失ったプリキュアが復活」は、クリスマスを使って適当にやると思っていました。それだけに、この展開は、いい意味で予想を裏切られました。
繰り返しになりますが、今回の話は構成自体が無茶です。しかしながら、その制限された中で、このような「プリキュアの原点」を描いた、という脚本家は凄いと思いました。
次回は、メイジャーランドでの戦闘および、音吉・クレッシェンドトーンの殉職話のようです。そのへんは特に興味がありません。ただ、その設定の制約下で、今回のような心に残る話が描かれる事を願っています。