Suite第32話

 冒頭、屋根の上に佇むキュアミューズの描写から始まります。ドドリーが問いかけますが、もちろん答えはありません。
 普段、プリキュア達の前ではドドリーが「通訳」していますが、あれは彼女の心の声を聞いてのものだと思っていました。しかし、この描写を見ると、単にドドリーが思いつきで言っているのかも、などと思ってしまいました。

 一方、響・奏・エレンはフリーマーケットに出展していました。エレンが手作りした人形や、響の古着などを売っています。なお、カップケーキについては、別途出店しているラッキースプーンの移動販売車での販売となっていました。フリマで売らなかったのは、食品衛生法などを意識しての事なのでしょうか。
 ところが、ぬいぐるみでも古着でもなく、ハミィとヒーリングチェストに集中します。ハミィはともかく、なぜヒーリングチェストのような重要アイテムをフリーマッケットに並べたのだろうか、不思議に思いました。これは、モロボシダンがフリーマッケットに参加してウルトラアイを非売品で展示するようなものではないでしょうか。
 あまりにもヒーリングチェストへの引き合いが多いため、響が蓋を開けて、中の鍵盤で演奏し、お客のみならず、周辺の人々までその音色に感心する、などという一幕もありました。
 ここのところ、ピアノ演奏描写は見られませんでした。しかし、これを見ると、演奏の腕はかなり戻ってきているようです。
 また、最初はハミィに興味を示した女の子が、エレンの作ったぬいぐるみを見て気に入り、その場で名前をつけて買う、という一幕もありました。この場面を見たときは、微笑ましさを感じつつ、エレンのぬいぐるみ作りはこちらに来てから習得したのか、それともセイレーン時代からの特技だったのだろうかと気になりました。
 一方、トリオ・ザ・マイナーは食事中にメフィストに呼び出され、ヒーリングチェスト奪取を命じられていました。メフィストは「食べている場合か!」と怒っており、バリトンとファルセットは畏まっていましたが、バスドラは口を動かしながら話を聞いていました。この描写は、少々気になりました。
 そして三人は加音町に行き、フリマにチェストが置かれているのを見ます。それを見ると、物陰に隠れ、女装を始めました。「女装して客のふりをし、チェストを奪う、というものでした。別に変装するなら、第13話で見せたような変装で十分だと思うのですが・・・。
 また、それらの「変装用具」がすぐ出てきたも不可解でした。もしかして、作戦にかこつけて、三人が日頃隠れて行なっていた趣味を衆目に晒そうと思っただけなのでは、と思いました。
 そして女装した三人は響たちのスペースに行きます。三人は驚きながらも、トリオ・ザ・マイナーだとは気づきません。正体に気づかないまでも、野太い声で話す巨体のバスドラを見れば、「おまえのようなババアがいるか」くらいの事は言ってしかるべきなのでは、と思いました。
 そして女装作戦は成功し、チェストが奪われます。しかし、逃げている時に、バスドラの靴のかかとが取れ、階段から転げ落ちます。その隙に、何者かの手がそのチェストを交換してしまいました。そして、バスドラが再びチェストを開けると、びっくり箱になっていました。
 そのため、追いかけてきた響たちに「騙したな」などと言います。もちろん、彼女たちも何の事だか分かりません。
 チェストを奪ったのは、ミューズでした。その不可解な行動に、ドドリーは疑問を感じます。また、クレッシェンドトーンも説教を始めますが、ミューズは無反応のままです。
 一方、公園では先程エレンが売ったぬいぐるみに音符がついている事をバスドラが発見し、ネガトーン化し、闘いとなります。今回は、三方からの攻撃、というのが多用されていました。
 闘いの間も、クレッシェンドトーンの説教は続きます。ただ、会話には伏線っぽいことが多々混じっており、あまり意味が分かりませんでした。しかし、そのうち、ミューズの表情が変わります。
 その間も、プリキュア達は苦戦しています。それを見てミューズが久々の参入か、と思いましたが、結局そのまま見ているだけでした。
 一方、闘いのほうですが、エレンからぬいぐるみを買った女の子がネガトーンをかばう、という場面もありましたが、これは響が説得します。ここで流れが変わり、フリマの横断幕で視覚を奪った後、ベルティエ並びにギターロッドを使った攻撃で撃退しました。
 そして、浄化された人形を女の子に渡します。喜ぶ女の子に対し、エレンが「私が作った人形を大切にしてくれて有難う」と言い、慌てた響が口を抑えます。そして、女の子が去った後、奏が「プリキュアの正体が・・・」と指摘し、エレンはそれを聞いて初めて、自分の「失言」に気づいていました。
 その様子を見ていたミューズは、ドドリーにも促され、チェストを公園の噴水の場所に持って行きます。そして、それを偶然拾った(?)アコが持ってきて、チェストは戻りました。
 ハミィは箱を開け、クレッシェンドトーンにどこに行っていたのか尋ねましたが、はぐらかされました。深く追求する気のないハミィは蓋を閉じ、そこで話は終わりました。

 しばらく放置されていたミューズの謎を、チェストに絡めて描いた、という事がストーリー上の主題だったかと思われます。ただ、いろいろと伏線があることは分かりましたが、具体的な事が何も伝えられていません。したがって、今ひとつ何が言いたいのか分かりませんでした。
 というわけで、実質的な主題は「トリオ・ザ・マイナーの女装」だったかと思います。その衣装一式の充実ぶりといい、細部にわたった拘りといい、日頃から「訓練」しているとしか思えません。
 せっかく奪ったチェストをミューズに取られてのも、バスドラがはいた女性用靴のかかとが原因でした。別に、どんな靴をはいたところで見た目は変わらないわけです。ある意味、女装によって一時は成功したものの、女装へのこだわりすぎによって失敗した作戦だった、とも言えるでしょう。
 もう一つ印象に残ったのは、エレンの「正体ばれ発言」でした。発言を聞いた響が慌てて口を塞ぎますが、その時点でもエレンは理解していません。そのあと、奏に言われてやっと気づいた、という感じでした。
 エレンのボケキャラぶりを描いた微笑ましい逸話、と言えるでしょう。しかし同時に、敵時代のセイレーン(当時)の事を思い出されました。
 当時、変身能力を使ってプリキュア側をだます作戦をよくやっていました。しかし、「これまでドドリーを通して話していたキュアミューズが自ら話す」「マリアが母親としてありえない事を言う」など、姿は真似ても中身は全然化けていませんでした。しかしながら、プリキュア側がなぜかそれを全て信じてしまったために、「作戦」として成功してしまっていました。
 そういう事もあり、これはエレンの「変装下手ぶり」を逆の立場から描いた、というセルフパロディなのだろうか、などと深読みしてしまいました。
 次回は、久々に響がピアノを弾く話とのことです。各キャラそれぞれの想いがいろいろと交錯するような展開のようです。三人の心をどのように描くのか、楽しみにしています。

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