調べの館でピアノの練習をしている響の描写から始まります。なぜか奏はおらず、エレンとハミィが聞いています。そして、エレンはその演奏をほめ、それを聞いた響は、エレンの手を握って、喜びとアドバイスの感謝を伝えていました。
そして、来週に響が出る、ピアノコンクールの話になります。エレンが「北条先生には話したの?」と尋ねますが、響は照れくさいから言っていない、と答えました。一方、そのころ部屋にいた団はその噂の影響でくしゃみをしていました。えらく古典的な表現です。
そして響が家に帰ると、団はそのピアノコンクールで、知人の代わりに審査員になった、と話しかけました。そして、響にも参加しないか、などと言います。もちろん、響は本当の事を話せず、参加しない、とオーバーアクションで回答していました。
翌日、奏はピアノと同じ日に行われるお菓子作りのコンクールに備え、カップケーキを作っていました。エレンは普通に一番美味しかったのはこれ、などと言っていますが、響は上の空、という感じです。
奏は、その響の口にカップケーキを突っ込みました。そして、上の空になっている原因を尋ねますが、響は何も答えません。
その帰路、響はついに団が審査するコンクールに出たくない、と本心を言います。それに対し、奏は「響!」と一喝しました。そして、転げ落ちた響に対し、「全然らしくない」と怒ります。
そして二人と別れた後も、相変わらず悩んでいる響は、通りかかった奏太がお面をつけているのを見て、「変装作戦」を思いつきます。それで団に自分だと気付かれないようにするつもりなのですが、名前が分かっているのですから意味がありません。
まあ、そこまで判断が回らないくらい切羽詰っている、という事なのでしょう。そして早速、怪しげな変装をして、ラッキースプーンに行きます。親友の奏を騙されば、団も騙せると思っての予行演習なのでしょうか。
しかし、怪しすぎるうえに、声まで出してしまったため、あっさり見破られます。そして、団へのコンプレックスを語る響に対し、自分が奏介に憧れてお菓子作りを始めた、という話をします。しかし、響は聞く耳を持ちません。
そして、調べの館での練習も身に入りません。エレンは「夢を持つ二人がうらやましい」と言い、さらに「ピアニストを目指すならお父さんに向きあうべきよ」と言いました。
その言葉が気になって眠れない響はマリアとスカイプで話します。そして、団に言うかを悩んでいる、と話すと、「その答えにとっくに気づいているはずよ」と抽象的なアドバイスを送っていました。
同様に、奏は「店を始めた理由を」を奏介に尋ね、エレンは「自分の夢がわからない」と音吉に訪ねていました。その答えは、マリアと同じで「既に自分で気づいているんじゃないかな」と言われていました。
その頃、メフィストはトリオ・ザ・マイナーに「最終通告」をしていました。バリトンとファルセットは不機嫌ゆえでは、と解釈しようとしますが、バスドラは本気の発言だと解釈していました。
そして当日になりますが、響は変装道具を控え室にまで持ち込んでいます。すると、廊下から奏が声をかけます。
コンクールがあるのに、と驚く響に対し、奏は励ますために作った巨大カップケーキを見せます。それを見て喜ぶ響見た奏は、「そう。それ」と言い、自分がケーキを作る理由は食べる人の笑顔を見たいから、と告げました。
それを聞いた響は、自分の「初心」を思い出し、自らの頬を張って気合を入れ、奏に礼を言って演奏会場に向かいました。
ところが、その響と奏を邪魔しようと、トリオ・ザ・マイナーが公園にあるラッパをネガトーン化して暴れさせます。
響と奏の夢を邪魔させまいと、エレンは一人で迎撃します。ネガトーンの出す光球を弾き返して攻撃するなど、かなりいい闘いを見せますが、石につまづいて転んでしまい、危機に陥ります。
そこに、コンクールを終えた響と奏が登場します。これで形勢逆転となり、スイートセッションアンサンブルで撃退しました。
闘いが終わり、それぞれ表彰を受けた後、響は団に、エントリーした事を黙っていた事を謝ります。すると、団は最初から知っていたと答えます。さらに、今日の響の演奏を「とても心に響いたよ」と褒めました。
喜んだ響は、団の腕を取って、昔みたいにピアノを教えて欲しい、と言います。それを団は快諾しました。
そして、奏・エレンと合流し、今日の打ち上げに行こうとします。すると、その前にキュアミューズが佇んでいました。
一瞬、「私も打ち上げに参加するドド」と言うのでは、と期待したのですが、もちろんそんな事はなく、「私にも守りたいものがあるドド」と前回同様、伏線的な台詞を言って去って行きました。
そして、シリアスな表情で自らの参戦を宣言するメフィスト、というところで話は終わりました。
話の主題は、父親の前でピアノを弾くことを怖がっていた響が、奏の励ましやエレンの友情のおかげで、堂々と演奏し、父親にも認められる、という所にあったかと思います。
その過程、特に奏が何度か見せた、響の激励や応援は上手く描けていると思いました。特に、自分も用事があるのに、わざわざ響に特大カップケーキを持っていた所は印象に残りました。
他にも、随所に面白い描写がありました。響を心配する時や変装した響を見た時の奏の表情や、響に感謝されて照れたエレンなど、細かい部分でも表情が上手く描けていると思いました。
しかしながら、かなり基本的な部分でズレのようなものを感じました。幼い頃、団に演奏を酷評された響が、団の審査を恐れ、それを克服していく、とうのが主題なわけです。
その時、演奏後の遊園地の事ばかり考えていた響を、「音楽を楽しんでいない」と団は叱りました。ならば、その「克服」は響が楽しんで演奏をする事になると思います。
ところが、そのような描写はありません。何か、過去の設定との整合が取れていないように感じました。
代わりに、「みんなの笑顔を生み出したい」というのが、響の演奏・奏のお菓子・エレンの献身の全てに通じる動機、になっていました。それ自体は別に悪くないとは思います。
ただ、それならば、その動機を響が団に伝え、それをもって成長を認めさせる、という描き方があってもいいのでは、と思いました。
また、奏のコンクールも一緒にやり、それに向けた描写もつける、というのは少々詰め込みすぎなのでは、と思いました。
各所に巧さを感じさせられる場面があっただけに、「それぞれのパーツはとてもいいのだが、組み合わせ方に難があった」という印象を受けた話になりました。
次回はいよいよメフィストが直接闘いに参加する話になります。また、そこでのキュアミューズが「意外な動き」を見せるとのことでした。どのような展開になるのか、気になるところです。