Suite第4話

 奏の家である洋菓子屋の風景から始まります。母親の美空が接客をしており、父親の奏介がケーキを作っています。
 その脇で、奏もコンテストに出すケーキを作っていました。雪解けを意識するなど、工夫をこらしたケーキを多種作ります。しかしながら、それを食べた響は、どれも「普通に美味しい」としか言いません。
 来るケーキコンテストに備え、インパクトの強いケーキを作ろうとしている奏は、響の単調な反応に怒っていました。

 その様子を見ていたセイレーンは、アジトの時計台で、洗面器に映るメフィストから、二人の仲が良くないと変身できない、という情報を得ます。
 そして、奏が参加しようとしていた、ケーキコンテストの審査員であるカリスマパティシエに化けました。どうやら、どんな人間の姿にもなれるようです。
 とはいえ、人間社会の常識までは習得出来ていないようで、そのパティシエの格好で街中を歩き、偶然を装って奏にぶつかります。さらに、奏の持っているケーキを、ただ見ただけで、「パリにでも出せる天才のケーキ」などと絶賛します。
 いくらなんでも怪しすぎると思いますが、奏は素直についていきます。そして、行った先にトリオ・ザ・マイナーがいても、ちょっと既視感を持ったくらいで、全然怪しみません。
 そして、セイレーンの言うがままに、不気味な形の「黒いケーキ」を作ります。さらに、セイレーンは、響の事を聞いた後、「このケーキを褒めない人は、あなたの才能に嫉妬している人だ」などと吹き込みます。
 ここでの一連のやり取りは、カルト集団による洗脳の過程を見ているようで、ケーキの見た目とあわせ、気味の悪さを感じました。
 そして、学校でセイレーンに「指導」されたケーキを奏は作ります。しかし、スイーツ部員たちは「インパクトが強い」などと褒めはするものの、誰も不気味とはいいません。「スイーツ姫」なる異名を持つ、スイーツ部部長・東山聖歌も、コンテストへの意気込みは語りますが、「黒いケーキ」の感想は語りませんでした。
 しかし、そこに現れた響は、「黒いケーキ」を口にするやいなや、「美味しくない。いつもの苺のケーキのほうがいい」と素直な感想を述べます。
 それを聞いた奏は、セイレーンに吹きこまれたまま、「響は私のお菓子づくりの才能に嫉妬しているだけ」などと、傍からみるととんでもない見当違いな怒り方をしていました。
 一連のやりとりで非常に不思議なのですが、なぜ、奏をはじめ、誰も「黒いケーキ」を食べなかったのでしょうか。非常に気になりました。
 家に帰った奏は、閉店した後も、ケーキを作り、ラブラブな雰囲気のなか、嬉しそうに味見をする両親を見ます。しかし、奏介は「ママの笑顔を見たいからケーキを作っているんだ」と言い、それを聞いて美空も喜びます。しかし、それを見ても奏は「笑顔にするだけじゃだめ。もっとインパクトのあるケーキを作らないと」と決心を固めていました。

 その頃、響は部屋で腹筋・腕立て・逆立ちなどをやりながら、昼間の事をハミィと話していました。奏が「自信作」を批判された事に対して怒っているのは理解できますが、だからと言って、嘘をついてまで機嫌を取る必要はない、と響は言い、ハミィも賛同します。
 一連の会話を、部屋でトレーニングしながらやらせる、というのは面白いと思いました。また、響のスポーツに対する思い入れも伝わってきました。
 翌日になっても機嫌がなおらない奏に対し、放課後、響は「ここで決めなきゃ女がすたる」と自分に気合を入れた後、奏での後ろ姿に対し、「自分は嘘なんかついていない」「奏のためならいくらでもケーキを食べる「奏のケーキの一番のファンは自分だ」と、率直な心情を伝えます。
 奏はそれを聞いても振り向きません。しかしながら、スイーツ部の活動では、響に言われた事を思い出しながらケーキを作ります。最初は怒っていましたが、だんだんと表情が嬉しそうになっていきます。そして、気がついたら、響の一番好きな苺のケーキを作っていました。
 それを見た、セイレーンは再び変身して奏に文句を言います。しかし、奏は「友達の事を考えていたら・・・」などと受け流します。セイレーンは、さらなる「妨害工作」をしようとしますが、奏のケーキに音符がいるのを発見すると、「作戦」のほうはどうでもよくなり、ケーキを元にメガトーンを作りました。
 それを見た奏は「私が作った大切なケーキを」と、響は「あんな美味しそうなケーキを」とそれぞれぞれ言った後、「あんな怪物にするなんて絶対に許さない」はハモり、変身しました。
 最初、ネガトーンの攻撃に、二人は防戦一方となります。しかし、そこで響が「お腹が空いた」と言い、奏が見当違いな発言に驚くなか「あんな美味しそうなケーキの怪物なんて、ひどすぎる」と言います。
 それを聞いた奏は「そうよ。あれは私が響のために作った大切なケーキ。私はずっと響の笑顔が見たくてケーキを作っていた」と初心を思い出します。そしてネガトーンの攻撃wお受け止めつつ、「私やっと分かった。コンテストに勝つよりも、食べてくれる人が笑顔になるケーキを作りたい」と言い、反撃技を決めました。
 これで形勢は逆転し、続くパッショナートハーモニーで勝利をおさめました。
 闘いが終わって二人は、奏の店に行きます。そこで、先程の闘いで形がぐちゃぐちゃになったケーキを前に、奏は「さすがの響もこれじゃ食べられないね」と言います。
 ところが、響はその発言の意図が理解できない、というような表情で、嬉しそうにケーキを食べました。そして、驚く奏に一口食べさせ、さらにそこに現れた泰介と美空にも勧めます。
 二人は味を「美味しい」と喜びますが、続いて「さすがはママの娘だ」などと言い、昨晩同様、二人だけのラブラブ世界に入り込んでしまいます。一方、その間に響はケーキを食べ尽くし、「おかわり」などと言いました。
 両親のラブラブぶりにあてつけられていた奏は、それを聞いて我に帰り、「そんなのあるわけないでしょ。だいたい響は食べ過ぎなのよ」と言います。
 しかし、響が「しょうがないじゃん。奏のケーキ・・・大好きなんだもん」と言うと、一瞬言葉に詰まったあと、「まあね・・・当然じゃん」と嬉しそうに答え、話は終わりました。  後半部分の出来は、本当に良かったと思います。一方、前半はその粗さに驚きました。本当に同じ作品・同じ話なのか、と思ったほどでした。
 冒頭の「どんなケーキを食べても、区別もつかずに美味しいとしか言わない響」から始まりますが、これと、後半の「奏のケーキを誰よりも食べている一番のファン」発言に整合性がありません。
 いくら「見た目より食べてくれる人の笑顔が大切」とはいえ、「どれも区別がつかないが美味しい」というのは「一番のファン」の発言ではないでしょう。
 また、トリオ・ザ・マイナーがいるにも関わらず、セイレーンにころりと騙され、響への敵意も植えつけられる奏、という描き方にも違和感がありました。
 別に前半部分にセイレーンを介在させず、「コンテストを意識して、奇抜に走る奏と、それを諌める響」という展開で良かったのでは、と思いました。
 しかし、後半になると、話はがらりと変わります。部屋でトレーニングしながら決意を固める場面、奏の背中に向けて率直な本心を語る場面のいずれも印象深く、これが響の良さなのだな、という事が分かりました。
 さらに、それを聞いた奏が、最初は怒っていたものの、段々と嬉しそうな表情になり、最後は満面の笑顔で、響が一番好きケーキを完成させた、という描写は非常に巧いと思いました。
 そして、闘いの中の会話で、自分のケーキ作りの原点を再発見する、というのも面白いと思いました。
 最後の、「奏のケーキ・・・大好きなんだもん」「まあね・・・当然じゃん」のやりとりも、二人の表情を含め、楽しむことができました。
 この後半部分の品質が続けば、この話、ますます面白くなっていくだろう、と強く思いました。
 次回は、二人がTVレポーターをやるもまたギクシャクする、という話だそうです。前半の喧嘩は適当に流し、また今回のような後半部分を見れることを期待しています。

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