冒頭、江ノ電の七里ヶ浜周辺と思われる踏切が出ています。そこで電車待ちをしている剣道着の少年がいるのですが、電車の中を見て、何かに気づき走り出しました。
その電車の中には、つぼみ・えりか・いつき・薫子が乗っていました。えりかは、その風光明媚さに喜んでいました。
そして、ここが、つぼみのみなず、薫子が育った場所だという話がでます。それを聞いた、えりかは若い頃、何と呼ばれていたかと薫子に尋ねます。薫子は普通に、「当時の苗字で五代さん」と返事しますが、それを聞いた、いつきは驚いたように、「空手大会で史上最年少で優勝した五代薫子さん?」と尋ねます。そして、薫子があっさり肯定したので、三人は驚きました。
さて、つぼみ達が懐かしの場所を歩いていると、そこに、先程の少年・みつるが現れ、「花咲、こっちに帰ってきたのか?」と話しかけます。つぼみは嬉しそうに返答し、あわせて、えりか・いつきも自己紹介します。
それに対し、みつるは、いつきに対し、過剰な敵対心を見せます。その様子を見ていた、えりかだけは、みつるが、つぼみの事を想っていて、いつきを恋敵の男と勘違いしている、と気づきました。
その後、皆で山の上にある、つぼみの実家に行きます。途中、えりかはバテてしまいまい、シプレとコフレに当たったりします。しかし、すぐに元気を取り戻し、つぼみにみつるとの事を尋ねました。
それに対し、つぼみは、小学生の頃から何度となく助けてもらったとか、引越す時も車を追いかけてきた、という話をします。それを聞いて、いつきは「なかなか好感が持てる人だね。でも何で僕を睨んでいたんだろう」と言い、つぼみも「ですね」と返します。えりかは、「わかんないかな」と突っ込みますが、それでも二人は何も気づきません。そのあまりの鈍さに、えりかは呆れ顔で笑っていました。
そうこうしているうちに実家につき、まずは皆で大掃除を始めます。雑巾がけをしていた、つぼみは間違えて納戸の扉にぶつかり、中にあった本が出てきました。その中に入っていた写真を見た、つぼみは、そこに「絶望先生仮面」そっくりの男性が写っていたので、驚きます。
そこに、薫子が現れ、「懐かしいねえ、空さんの写真」と言います。その写真は、薫子の夫である、花咲空だったのです。
すると、えりかは空とのなれ初めについて尋ねます。すると続いて、いつきは礼儀正しくかつ大声で、「ぜひ教えてください!」と言い、二人は驚いていました。
そこで、薫子は、空手選手権の直前に山ごもりをしており、寂しくて山を降りようとした際、偶然、小屋でチェロを弾いていた空と出会った話をしました。
その音色と人柄に元気づけられ、さらにお土産にオルゴールを貰った薫子は、山ごもりに戻って再び修行し、見事に空手大会で優勝し、その後、空と結婚します。
そして、洋一が生まれた時に、「この山にラベンダー畑を作って、そこでチェロを演奏する」と薫子に約束します。そこで、薫子は話を止め、ちょっと表情が沈みます。それに気づいた、えりかが「まさか・・・」と尋ねると、薫子は、「空さんは、私を置いて天国に行ってしまったの」と言いました。
続けて、洋一の結婚と、つぼみの誕生について話したあと、今でも、空への想いは出会った頃と変わらない、と心境を語りました。
その話をした後、薫子は皆に空の遺品であるチェロを見せます。その際に、「唯一の遺品」と言ったため、えりかは「オルゴールは?」と尋ねます。すると、つぼみが、自分が貰ったが、鎌倉から希望が花に引っ越す際に無くしてしまった、と言いました。
つぼみは改めて薫子に謝りますが、薫子は「今は、別の誰かを元気づけているに違いないわ」と言います。そして、場面が切り替わり、部屋でそのオルゴールを聞いているみつるが描かれました。
一方そのころ、江の島の近くにある海水浴場にサソリーナがいました。やとゴールドフォルテバーストの後遺症が全快したようです。そして、夏の想い出を作るような発言をし、髪をおろします。意外にもかなりの美貌でしたが、海に来ている人々は皆カップルなので、誰もサソリーナに気づきません。怒ったサソリーナは、毎度のごとく、プリキュアに責任を押し付けて八つ当たりを宣言しました。
一方、つぼみの実家には、みつるが来ていました。彼は先日、山の奥にラベンダー畑を見つけていました。それを、つぼみに紹介し、合わせて転居時に拾ったオルゴールを返そうという作戦(?)です。
もしや、空が約束していた畑では、と思った四人は、早速ついていきます。案内するみつるですが、途中、つぼみが転びそうになったのを、いつきが抱えて助けたのを見ると、またもや二人が付き合っていると思い、悔しさのあまり、先に行ってしまいます。そして、そこにサソリーナが現れ、オルゴールを使ってデザトリアン化しました。
三人は変身します、闘いが始まります。デザトリアンがオルゴールを鳴らすと、それに催眠効果があったらしく、まともに聞いた、えりかは眠ってしまいます。つぼみと、いつきは必死に堪えますが、その時、音色と共に、みつるの心の声が聞こえました。
そして、サソリーナが現れ、その気弱さを馬鹿にし、それを聞いた、つぼみの堪忍袋が切れる、といういつもの展開に。そして、ピンクフォルテウェーブ単品で撃退しました。
みつるが意識を取り戻すと、ラベンダー畑の前で、つぼみに膝枕されていました。慌てて飛び退き、オルゴールの事を詫びます。そして、薫子の回想と同じような形で、オルゴールの返却が行われました。
その時、オルゴールが鳴り始め、薫子はハッとしたような表情を浮かべます。それから、皆で帰りますが、薫子は一人振り向き、「約束をありがとう、空さん。次はいつの日にか、あなたのチェロを聞かせてくださいね。私はいつまでも待っています」と語りかけ、話は終わりました。
謎の「絶望先生仮面様」に関する設定紹介、という位置づけの話でした。ただ、その正体については、まだ含みがいろいろあるようです。特に、最後に薫子が言った独り言で、「待っています」と言ったのは気になりました。
普通、このような形で死者に語りける時は、「あの世で再会したときは・・・」という言い方になります。それをあえて、あのような言い回しにした、という事は、本当は死んでいない、という事なのでしょうか。
もしかしたら、キュアフラワーとデューンとの闘いと何か関係しているのかもしれません。そのあたりは、おいおい明かされていくのでしょう。
というわけで、薫子の意外な過去が色々と明かされた話しでしたが、キャラクター的には、えりかが一番目立った話しのように思えました。
みつるの言動から、いち早く、彼の想いに気づいた所や、薫子の話の最中に、その表情から空が去ったことにいち早く気づくなど、その感受性の鋭さを、至る所で発揮していました。
また、戦闘の都合などで、戦闘の後半では寝てしまうのですが、そんな中でも、寝顔で存在感を発揮していました。他にも、山登りに疲れた時の表情・動きや、最後に山から降りるときに、つぼみと、みつるの表情を見比べる所など、随所で個性が出ていました。
その鋭さと対比して描かれた、つぼみ・いつきのニブさの表現もまた楽しめました。心の声は聞いたものの、結局、つぼみは最後まで、みつるの恋心に気づかずじまいだった、という描き方は面白いと思いました。
他にも、短いながらも、江ノ電をはじめ、その周囲の風景を見れたことも嬉しいことでした。特に冒頭の風景は、「Splash☆Star」でよく出てきた場所なので、懐かしの場所に再び行けたような気分になれました。
ただ、みつるを強引に話に絡めようとしたために、他の部分に無理が生じてしまったのは残念でした。
つぼみの性格からして、薫子から貰ったオルゴールを、引越し時に雑に扱って車から落としてしまう、などという事は本来ならありえません。また、空がラベンダー畑を作ったものの、薫子には場所すら言わない、というも変な話です。
いずれも、話の中にみつるの居場所を作るために生じてしまった不自然さと言えるでしょう。
先程挙げた主題の描写以外にも、空に「押忍」と返事しかけて慌てて言い直した若き日の薫子の描写や、いきなり髪をおろして海での出会いを探そうとしたサソリーナ、戦闘中に花火を打ち上げた、つぼみとえりかなど、様々な点で楽しめた話でした。それだけに、この不自然さはより一層惜しさを感じました。
次回は、夏休みの宿題および、それに悩む、えりかを主題にした話のようです。予告の時点で、えりかがかなり突っ走っており、本編でより一層の弾けっぷりを見せてくれそうで、楽しみです。