放映前に2月のサブタイトルを見たとき、「第4話とは早すぎないか?」と怪訝に思ったものでした。しかし、その違和感をいい意味で裏切ってくれました。そして、6年ぶりにサブタイトルに「プリキュア解散」という言葉を使っただけの事はある秀作でした。
今回、二人は自分の弱さを痛感して落ち込む、というの展開になります。しかし、それに苦しみながらも、出来る事から頑張ってやっていこう、という二人の強い心が、非常によく描けていたと思いました。
あと、視覚的な点ですが、今回の変身シーンは素晴らしいと思いました。単独の変身場面もかなり上手いと思っていたのですが、組み合わさるとこれほどになるとは思っていませんでした。
腕組みから始まり、互いに香水、さらには背中合わせと、「ふたり」の描き方は非常に印象に残りました。一度、ぜひこれで変身を決めた後、「ふたりはプリキュア!」と言ってほしいものだと思いました。
ところで、つぼみが落ち込んで薫子の植物園に行く時に、眼鏡をかけていた、という描写も興味深く思いました。普段は、えりかに変えてもらった格好をしているわけですが、まだまだ本当は、眼鏡をかけたほうが気が楽になる、という意味なのだろうか、と思いました。
話の最後で、二人は「親友宣言」をしたわけですが、まだまだ今回の主題が解決したとは思えません。今後も、自分たちの弱さの事で、いろいろと悩んだりするのでしょう。そんな中で、二人がどんな友情を築きあげていくのか、本当に楽しみです。
話全体の流れですが、いきなり戦闘シーンから始まります。しかし、つぼみはいきなり何もない所で転ぶなど、「史上最弱ぶり」を発揮します。さらに、タクトを出してピンクフォルテウェーブを出そうとします。ところが、そこで逃げ遅れた少年に気づき、救出しようとしている間に、タクトを飛ばされてしまいました。
したがって、今回の戦闘もえりかの独擅場に。つぼみは見ているだけになるのですが、その時の表情が、隣の少年と同じで「スーパーヒロインを憧れの目で見る」だったのが面白いと思いました。
あと、最初に転んだのは単なるドジですが、続いての、子供を助けるために必殺技を止める、というのは、つぼみらしい気配りを感じました。
闘いが終わり、新キャラ・クモジャキーが現れます。「弱いプリキュアを倒してもつまらん」などと言ってタクトをあっさり返すなど、外見通りの「敵ながら好漢」キャラぶりを発揮していました。
OP後、つぼみとえりかの朝起き描写を経て、砂漠の使徒本部に場面が移ります。サソリーナによる、「二人目のプリキュア登場」報告から始まるのですが、「ついに二人目」とか、「ブロッサムよりは使えそう」などと、単に新たな敵が現れた、というのとは異なるニュアンスの会話がありました。「鋼の錬金術師」の「人柱」のような感じで、砂漠の使徒にとっても、プリキュアに利用価値がある、という設定でもあるのか、と思いました。
そこにクモジャキーが登場します。サソリーナにタクトを返した事を批判されますが、「小さいことは知らん。俺が相手をするのは世界じゃからのう」とはぐらかすような返答をします。すると、サバーク博士が「確かに、我々の目的は世界」と「マジレス」しました。天然ボケ的発言なのか、わかっていてのギャグなのか、いずれにしても面白いやりとりでした。
続いて、舞台は学校になります。えりかは、男子とのやりあい、体育の授業など、今日も絶好調で、つぼみはそれを見て、改めて差を感じて、気分が沈みます。えりかは、そんな心情など気付かず、ファッション部勧誘用の衣装あわせをするために、つぼみを自宅に誘います。
そこでも、つぼみの選んだ服の色に対し、「しょんぼりしている時に選ぶ色」と言ってダメ出しします。それに対する、つぼみの様子を見て、理由は分からないながらも、その落ち込みに気づきます。すると、いきなり「つぼみ、走ろう」と言い、外に出て、手を引いて走りだしました。
走っているうちにテニスコートに着きました。そこでは、ダブルスを組んでいる二人の少女が不穏な雰囲気になり、一人が出ていってしまいます。二人は「あゆみ」と「まお」といい、全国大会にも出るほどの実力者です。ところが、あゆみが当分しばらく一人で練習すると言い出した、という所でした。
えりかは、まおに話を聞きますが、即座に「ならば別の子と組めばいいじゃん」と言い出し、つぼみをさらに落ち込ませます。その後も、つぼみにも、まおにもグサッと来ることを明るい声で言い続け、自分の実力不足で、あゆみに愛想をつかされたと思っているまおに怒られ、つぼみもいつの間にか去ってしまいました。
そして、つぼみは追いかけてきたえりかに、涙と鼻水を出しながら、「短い間でしたけど、別の子と組んでも、私のことを忘れないでくださいね」と言って走り去ります。このコミカルな中に、つぼみの真面目さが巧く組み合わさっている描写は印象に残りました。
つぼみに去られた理由が分からない、えりかは、公園でキャンディのやけ食いをしています。そこに、撮影があった、ももかが現れます。毎度の事なのか、えりかの問題点を指摘しますが、それでも、えりかはピンときません。
一方、つぼみは眼鏡をかけて薫子の植物園に行き、コッペの胸の中で泣いていました。そこに薫子が現れて「プリキュアに資格があるとしたら、優しい心と強い心で、つぼみはそれを持っている」と言って元気づけました。
その頃、一人で練習している、まおの前にクモジャキーが登場。心の花を取り出して、グランドにあった整備用ローラー(俗称・コンダラ)と組み合わせてデザトリアンを作りました。
一方、えりかは公園のベンチで一人悩みます。「謝ればいいの?でも何を?」という自問は、彼女ならでは、と思いました。
そこに、シフレとコフレが現れてデザトリアン襲来を告げ、続いて、つぼみがやってきます。瞬間、二人とも複雑な表情をします。しかし、その時にデザトリアンが目の前に現れた事もあり、つぼみは変身を促します。一瞬、「どうしよう」みたいな表情をした、えりかですが、すぐに笑顔になり、「わかった」と言いました。
そして、初の二人同時変身となるのですが、冒頭に書いたように、この表現は絶妙でした。視覚的には、プリキュアシリーズ最高と言えると思いました。
そして、闘いとなりますが、またもや、つぼみは転びます。
その後も、またえりかに頼る展開となり、つぼみは、「やっぱり私だめなんです。マリンはもっと強い子と組んだほうがいいんです」と言います。それを聞いて初めて、つぼみが落ち込んだ理由を理解します。そして、安堵した表情で「そうだったんだ。ちゃんと言ってよ。言わなきゃわかんないよ」と言いました。
おそらく、えりかは理由が分からないながら、何か自分が原因で、つぼみを傷つけていたのでは、と悩んでいたのでしょう。それゆえに、理由が「つぼみの劣等感」だと分かったゆえの、安堵の表情だったのだろうか、と思いました。
それを聞いていたクモジャキーは、「今度はケンカか。最悪のプリキュアぜよ」と毒づきます。
それに対し、えりかは「最高のコンビなのよ!」と言い、「私はブロッサムが好き。頭が良くて、いろんな所に気がつけるなんて素敵だよ」と言います。そして、つぼみが喜ぶと、「私たちはきっと、お互いの力が必要なんだよ」と言いながら攻撃をはねのけ、つぼみの手を握って、「私たちは、ふたりでプリキュアだよ!」と言います。それに対し、つぼみが「本当に私でいいんですか?」と言うと、「ブロッサムでいい。じゃなくて、ブロッサムがいいの!」と返し、つぼみは笑顔でうなずきました。この、えりかの一連の言い回し、および表情は、彼女の悩みと解決を、うまく表していると思いました。
そして、二人合体のフォルテウェーブで、デザトリアンを撃退しました。クモジャキーは、「史上最弱は取り消す。お前らもっと強くなれ」と好漢系悪役キャラらしい捨て台詞を言って去っていきました。
そして、元に戻った、まおの所に、あゆみが戻ってきます。実は、あゆみが一人で練習と言ったのは、まおに愛想をつかされないためでした。お互い同じことを考えていた事がわかり、二人の悩みは解決されました。
それを見ていた、つぼみが喜ぶと、えりかは、「あたしたちの友情も強くなったね」と言います。そして、つぼみが同意すると、ちょっと間を置いたあと、意を決して「じゃあ、あたしたち、親友だね」と言いました。一瞬、つぼみが反応に困ると、「でしょ」とたたみこみます。すると、つぼみは「親友です」と同意しました。そして、前回同様、二人で手をつないで帰る、というところで話は終わりました。
改めて見直すと、ストレートに心情を表現するつぼみと、複雑な表現をするえりかの対比の描写が面白いと思いました。また、えりかの、思ったことをズバズバ言う一面と、つぼみに「あたしたち、親友だよね」と言う時の不安げに言う一面の対比もまた印象に残りました。他の部分をそうですが、二人の心情と表情の変化の描写は、どこをとっても非常に巧く、感心させられます。
「お互いにコンプレックスを持っている二人が、お互いの長所に影響されながら成長していく」というのが本作の主題だそうですが、そのあたりが良く伝わってきました。
今後も、そのような二人の心情と成長を描く話がいろいろと描かれるのでしょう。その第一弾がこれだけ面白かったのですから、今後への期待がさらに大きくなりました。
あと余談ですが、デザトリアンの原料が「コンダラ」でした。これを見たときは、上北さんの漫画版で、なぎさと藤村が二人でコンダラを引きながら会話する、という話を思い出し、懐かしさを覚えました。
次回は、新キャラ・コブラージャが登場。新たな敵がイケメンだと知って「どうしましょう」と言うつぼみと、妙なボケで返したえりかのやりとりが面白い予告でした。クモジャキー同様に、面白いキャラであることを期待しています。