御子柴の祈里アタック失敗話でした。その部分については、想定の範囲内でした。ただ、それと別に期待していたウエスターのギャグが上手く描かれておらず、その点では大変残念な話になってしまいました。
冒頭、御子柴が仲間二人の応援を受けて、船上パーティの招待状を渡すところから始まります。そして何故か、渡した直後に三人揃って逃走しました。この場面だけ見ると、なんか悪戯を仕掛けたようにも見えました。
さらに、祈里宛に、パーティドレスが贈られてきます。皆はその豪華さに驚きますが、祈里は不安そうです。まあ、いくら恋愛に疎い人でも、ここまでやられれば、御子柴が何を考えているか明白なので、困るのも無理はないでしょう。
そのうち、胸の部分にクローバーのマークがついている事に、せつなが気づきます。これは何か祈里の事を想っての事らしいのですが、今ひとつ意味が分かりませんでした。ダンスユニットのクローバーを意味しているのでしょうか。
さて、船上パーティーが始まるのですが、いきなり、祈里は御子柴と同じ控室で待たされ、開会挨拶の際は、御子柴の奥さんみたいな位置づけで入場させられます。そして、御子柴の挨拶から、何と彼がこのパーティの責任者である事が明かされます。
そして、パーティが始まりますが、知り合いがいるわけでもない祈里は居場所がありません。そこで偶然、動物ショーが始まり、やっと興味が持てるものを見つけた祈里はそちらに行きます。そして、キルンの力で、ホワイトタイガーと会話して楽しんだりしていました。
その後、再び御子柴と合流すると、彼は、今回、祈里を呼んだ理由を語り出します。何でも、今回、パーティの責任者になったのは、御子柴財閥後継者としての英才教育の一環だそうです。ただ、その仕事に自信が持てないため、祈里に来てもらった、との事でした。
それを聞いた祈里は、御子柴を思いやると同時に、クローバー柄のドレスをプレゼントしてくれた事のお礼を言います。
一方、パーティでは、なぜか西隼人が礼服を着て参加しています。そして、女性参加者にモテまくり、どんな事をしているか教えて、と言われると、「ならば教えてやろう」と言ってスイッチオーバーし、船そのものをソレワターセ化しました。
岸でそれを見ていたラブたち三人は変身し、せつながアカルンの力を使って船に行き、参加者を助けようとします。
しかし、その時、先ほどのショーに出ていた動物たちが、まだ檻の中にいる事が判明し、祈里はそれを聞いて動物を助けに行き、御子柴もそれを追って行きます。
そして、せつなが乗客を助けたのを見たウエスターは、今度は船を岸にぶつけての「自爆テロ」をソレワターセに指示します。
一方、動物の檻の前に行った祈里は、ソレワターセの攻撃で御子柴が気絶した瞬間を利用して変身します。そして、ソレワターセの本体を叩こうとします。その時、御子柴が「責任者」ぶりを発揮し、船で最も重要なのは動力室だから、そこが本体だろう、と説明します。それを聞いた祈里は、助けたホワイトタイガー・小熊・鷹などとともに動力部へ行きました。
そして、その動物たちの力を借りるという、異色の戦闘を行ない、最後はヒーリングフレアーフレッシュの単発で撃退しました。
岸に戻った御子柴は、ラブ達四人の前で、「次は祈里とキュアパインを船に招待する」と力説します。そして、四人の目が点になっても意に介さず、「頑張ればできます。エイエイオー」などと、一人で盛り上がり、場をドン引きさせて、話は終わりました。
率直に言って、面白いと思ったのは、動物たちの描写だけでした。この部分には妙に力が入っており、階下にある動力室に皆で行く際に、小熊の兄弟が手すりを滑り降りるなど、細かい所まで力が入っていたと思いました。
逆に言えば、それ以外でいいと思った所はありませんでした。特に、ウエスターの描写がひどすぎました。
まず、変身前に何もギャグをやりません。せっかく、令嬢達に囲まれて、「何をなさっているのですか?」と尋ねられるのですから、いくらでもギャグは組めたと思います。
さらに、変身後も、「うっそー」を連発するなど、ギャグ描写は何度も出ていますが、ただ、「ギャグ台詞」を言わせているだけなので、全然面白くありませんでした。これなら、まだギャグなしで「ただの敵役」にしたほうがマシです。
一方の御子柴ですが、これについてはまあ予想通りのヘタれぶりでした。結論だけ言えば、「船上パーティの責任者云々は、全て祈里にアタックするための口実。好感度を上げるのにある程度成功したが、最後に『二股宣言』をして、四人を完全に呆れさせる」といったところでしょうか。
とりあえず、乗客全員を、せつなに丸投げしておいて、動物を助けに行った祈里を追いかけて行った場面での「責任者」ぶりには別の意味で感心しました。それまでの場面でも、常に祈里の事ばかり意識しており、「責任者」としては何もしていません。
これらから考えると、「後継者教育のための責任者」というのは実は嘘で、豪華客船を親が買ったのを見た御子柴が、「ここで祈里とデートしたい」と親に泣きつき、そのナンパを成功させるために、親が「責任者」の地位とドレスを用意した、と考えるのが自然でしょう。
そこまで頑張って、ある程度、祈里の「好感度」をアップさせながら、最後に「山吹さんとパインさんを呼びたい」などと言ってドン引きさせたわけです。もちろん、表向きは「祈里がパインと同一人物だから」という事なのでしょう。ただ、仮に二人が別人だとしても、周りはドン引きしていたと思います。
まあ、物心がついたときから、父親の「二号さん」だの「三号さん」だのを見て育ったから、ごく自然に出た発言なのでしょう。まあ、人としてはかなり問題がありますが、「徹頭徹尾ヘタレを極める」という意味では、筋の通ったオチなのか、とも思いました。
率直に言って、こんなネタをやるくらいなら、蒼乃家の人間模様など、もっと描くべき話はいくらでもあるのでは、というほどの内容でした。
次回は、せつなが占いの館に呼び出される、という話です。残り10話を切り、ついに最終章が始まる、という事でしょうか。かなり重くかつ暗めの話になりそうです。どんな展開になるか分かりませんが、せつなやラブ達はもちろんですが、ウエスターやサウラー達も不幸にならないような最終章になれば、と思っています。