題名は「ラブとせつな」でしたが、どちらかと言うと、「せつなとあゆみ」の話でした。
冒頭、ノーザがソレワターセの実を栽培するところからはじまります。ノーザの部屋には、ラブをはじめ、プリキュアおよびその関係者の写真が貼られています。敵を調査し尽くしている、という事を示していると思われますが、これだけの写真をどこで入手したのか、少々気になりました。
一方、桃園家では、あゆみがラブとせつな用に、それぞれブレスレットを作っていました。あゆみは、せつなが好きなのが赤だと知っており、その色のブレスレットをせつなにプレゼントする、と言いラブは喜びます。
さらに、あゆみはせつなの学校生活などを気遣います。その事を喜ぶラブに対し、「今は私がせっちゃんのお母さんだから」と言います。その時、ちょうどせつなは部屋に入ろうとしてそれを聞き、喜ぶと同時に涙ぐみそうな表情を浮かべました。
その後、せつなを交えて三人で買い物に行きます。スーパーの野菜売場に行くと、あゆみは今日の夕食は人参サラダにピーマンの肉詰めと、二人が嫌いな野菜を使うことを宣言。萎える二人に「何か文句でも?」と言います。
そして帰り道にお茶に寄り、久々にはいたスカートの話などをした後、手洗いに行きます。
ところがそこでノーザが待ち伏せしており、スイッチオーバーした後、鏡にうつったあゆみの影を取り出してソレワターセ化します。そして、あゆみを鏡の世界に閉じこめ、あゆみの姿をしたソレワターセと入替えます。
そのニセあゆみは、戻るやいなや、冷たい顔で「もう帰るわよ」と言うなど、のっけから怪しさを爆発させます。しかし、直後に笑顔で「また今度行きましょう」などと言ったため、その時点では二人とも気付きませんでした。
さらに、帰宅すると、いきなり名前を知らないはずのシフォンの話をするなどして、二人を不思議がらせます。さらに、夕食で二人がそれぞれ苦手な人参とピーマンを食べないでいると、「もうごちそうさまなの?」と言いました。ラブは一瞬喜びますが、せつなは不審さを増加させると同時に、逆に自ら食べきると宣言します。
そして夜になり、せつなが廊下を歩いていると、部屋でニセあゆみが延髄のあたりを緑色に光らせながら、ノーザに状況報告していました。それがノーザのマークである事を知る、せつなは、ニセあゆみの正体に気付きます。その時、ニセあゆみにも気付かれ、逆襲されそうになりますが、ちょうど圭太郎が帰宅したため、話はうやむやになりました。
そして深夜になり、ニセあゆみはまずラブの部屋に行きますが、そこにはシフォンはいません。続いて、せつなの部屋に行き、布団を襲うも、襲撃を予期していた、せつなに迎撃され、取っ組み合いになります。
しかし、不利になったとみるや、ニセあゆみは大声を出してラブを部屋に来させ、せつなが理不尽な事をしたと言います。それを信じたラブは、せつなを怒り、ニセあゆみをかばって出て行きました。
ラブを納得させるには、あゆみを救出するしかないと思ったせつなは、朝からシフォンを連れて家を出て、美希と祈里を誘って捜索活動を始めます。そして、昨日の経路をたどりながら会話を思い出し、喫茶店の手洗いに行った時が怪しいと気付きます。
そこで手洗いを探しますが、当然ながら、あゆみはいません。しかし、せつなは鏡の中に、あゆみのスカートがある事を気付きます。そして、アカルンの力で鏡の中に入り、あゆみ救出に成功しました。
一方、ラブは、昨日は怒ったものの、せつなが理由もなく、あゆみに暴力をふるうわけがないと思い直し、理由を考えます。そこに、ニセあゆみが話しかけますが、しつこくシフォンの話をしたり、普段「せっちゃん」と呼ぶのに「せつなちゃん」と呼ぶなど、さらに怪しさを爆発させます。これにより、ラブも遅ればせながら偽物のである事に気づきました。
そして、昨日のブレスレットの事でかまをかけて、偽物であることを確定させます。その直後、せつなが救出したあゆみとともに瞬間移動します。それを見て観念したニセあゆみはソレワターセ化し、闘いが始まりました。
周囲の樹木を吸収してパワーアップするソレワターセに苦戦したものの、最後はグランドフィナーレで撃退し、ノーザの作戦は失敗に終わりました。
闘いが終わって桃園家に戻ると、あゆみはせつなにブレスレットをプレゼントします。そして、ラブが自分のとお揃い、と喜ぶと、「二人とも私の大事な娘だからね」といいます。
それを聞いた、せつなは、一瞬驚いた表情を見せた後、改めて、自分のブレスレットを愛おしげに触ります。そして、意を決したように、「ありがとう」と小声でいいます。よく聞き取れなかったあゆみが、「ん?」と反応すると、少し時間をおいて再び「ありがとう」と言い、さらにそこから間を置きます。そしてついに勇気を振り絞って「お母さん」と言いました。
すると、あゆみは一瞬驚いたあと、感涙し、せつなを、そしてラブを抱きしめ、「お母さんこそありがとう」と言います。ラブすぐに目を閉じますが、せつなは一度はあゆみを見ました。しかし、すぐにラブと同じ表情を浮かべて目を閉じました。
せつなが、あゆみとの出会いがきっかけで桃園家に住む展開になってから、この場面はいつか描かれると思っていました。実際、この場面は、会話や間はもちろん、細かい一挙一動まで、非常に巧く描写されていました。この部分は、本シリーズを代表する場面になると思いました。
ただ、その枕に、ニセあゆみを使う、というのは、少なからぬ違和感がありました。ここで、せつながラブより先に気付かせる事により、せつなとあゆみの絆を描きたかったのかと思われます。しかしながら、あれだけ不審な言動をしているのに、ラブが偽物だと気付かない、というのはいくら何でも無理があります。
また、せつながニセあゆみの正体に気付きながら、それをラブに言わない、というのも描写としておかしいと思いました。ノーザのマークの事を話せば、ラブだってニセあゆみの言動に不審さは感じていたのですから、納得したはずです。その情報をラブに隠す必要性が感じられません。
あと、せつなが「お母さん」と呼ぶ場面は確かにいいのですが、一方で、せつなの実母の立場はどうなるのだろうか、と思いました。おそらくは、ラビリンスでは産まれてすぐに親から引き離され、国家によって育てられるため、親子とはいえお互いの顔を知らない、という設定があるとは思います。
しかし、それが明示されていないため、あの場面が素晴らしいと思いつつも、少々ひっかかりました。
たとえば、ノーザがせつなににその設定を説明しつつ、「シフォンを奪えば、メビウスに復帰と寿命の保証をかけあう。従わなければ、あゆみにイースとしての過去をバラす」と脅される。しかし、その申し出に苦悩するせつなを心配して声をかけたあゆみとの会話により、過去の悪事が彼女にバレたとしても、あゆみの娘としてラブとともに新たな人生を歩みたいと決意する、みたいな筋立てのほうが良かったのでは、と思いました。
最後の描写が細かい部分まで含めて非常に美しかったため、より一層、そこに至る過程に残念さを感じた話になってしまいました。その部分がしっかり描けていれば、「プリキュア」シリーズ全体で見ても三本の指に入る話になった可能性があっただけに、惜しまれます。
次回は、御子柴が親の権威をバックに祈里をナンパするような話になりそうです。そのあたりは、毎度の展開になると思われます。ただ同時に、「おポンチ三人組話」になると必ず登場し、ギャグの限りを尽くすウエスターには大いに期待しています。