最終章の始まり、という感じの話でした。冒頭、ダンスレッスンに行く前に、鏡の前で楽しそうにしている、せつなの描写から始まります。そこに、唐突にラブが顔を出して声をかけると、かなりの驚きを見せます。
ここでなぜ驚いたのか、というのは少々気になりました。予期せずに、「普段の自分」を見られるのには、まだ抵抗があるのでしょうか。あと、この場面を見た時、あらためて、第15話においてラブ達とボウリングに行く前の場面で、せつながどんな表情で鏡に向かっていたのか、というのが気になりました。
準備が終わり、部屋から出ようとするのですが、そこで、「クラインの手紙」が唐突に現れます。
ダンスレッスンが終わり、四人とタルト・シフォンは、今後の闘いについて話します。そこで、ラブと美希が、不幸のゲージそのものを壊せば、シフォンのインフィニティ化はなくなるのでは、と話します。
そこでは、占いの館には現在到達不能、ということでその話は終わります。不幸のゲージを壊した場合、反動が来て命に関わる事を知っているせつなは、そこで話が終わった事に一安心すると同時に、行く前に貰った手紙の事を思い出します。
手紙の中身は、ノーザによるラビリンス復帰の誘いでした。その時はその場で破り捨てた、せつなですが、それを利用して、我が身と引き替えに不幸のゲージを破壊しようと思い立ちます。
その日の夕食は、ラブが作ったハンバーグでした。密かに決意を固めているせつなは、苦手の人参を「今回だけは食べてあげる」と言ったりラブがハンバーグ以外はまだちゃんと作れない事をからかうなど、普段より饒舌になります。さらに、あゆみの事を数回「お母さん」と呼んで肩をもむなど、ひそかに決めている「桃園家最後の団らん」を精一杯楽しみます。
さて翌朝、まだ皆が寝ている中、アカルンの力で家の外に出て、占いの館に向かいます。一度、家の前に出たのは、名残を惜しむためだったのかと思いました。
そして、ノーザに出会うと、「心はもう決まっている」など、ラビリンス復帰を決めたとも解釈できるもの言いをして、中に入ります。
ここで、ノーザは最初に、せつなを不幸のゲージの前に連れて行きます。そして、「これがどうやって集まったか、貴女が一番分かっているよね」と言います。対して、せつなは「ええ。これはメビウス様が下僕・イースが集めたもの。だからこそ、この手で破壊する」と言い、変身します。
そして、不幸のゲージが入っているタンクにハピネスハリケーンを放ちますが、ノーザの蔓が防御し、その勢いがそのまま、せつなに返ります。その衝撃で気を失う、せつなですが、直前に「ラブ・・・」と言いました。
聞こえるはずのない声ですが、まだ寝ていたラブは、それを聞いて飛び起きます。そして、せつながいない事に気づき、美希と祈里に連絡し、三人で占いの館があったあたりに向かいました。
一方、せつなが気付いた時、不幸のゲージが入っているタンクに、磔のような形で縛られていました。そこに、サウラーが普段の調子で、「お目覚めかい・・・」と声をかけます。それを見た、せつなは、「サウラー!、ウエスター!」と言います。
すると、声をかけられたウエスターは大喜びし、「久しぶりだなイース。元気にしていたか。また昔のように三人で頑張ろうじゃないか!」と声をかけます。それを聞いた、せつなは寂しそうな表情を浮かべますが、これが、「ラビリンスの脅威がこれからも続く」という敵対心だったのか、「喜んでくれているが、もうあの頃には戻れない」という寂しさなのか、非常に気になりました。
そこにノーザが「三人?」とツッコミを入れながら登場します。そして、慌てて「四人です」と言い直すウエスターを尻目に、「プリキュアは三人しかいない」と言い、イースに自分を探す三人の姿を見せるとともに、最初の手紙からここまでが一連の罠だったことを伝えます。
そして、サウラーとウエスターが迎え撃って闘いが始まります。土を元にしたソレワターセの前に、ラブたち三人は苦戦しれます。その三人に対し、ウエスターは、動揺させるためか、本気で信じているのか分かりませんが、「イースもまたこちらに戻ってくるそうだぞ」と言います。それに対してラブが、「そんな事ない。一緒に不幸のゲージを壊すんだから」と言うと、「壊せる物なら壊してみろ。命をかける覚悟があるなら」と言い、不幸のゲージタンク破壊のリスクについて説明します。
それを聞いた三人は、せつなの真意が分かり、安堵するとともに、キュアスティックで三人合体攻撃を仕掛けます。しかし、今回のソレワターセは、それと対抗します。
苦戦する三人を心配する、せつなに対し、ノーザは「三人が苦しんでいるのも貴女のせい」と言います。そして、理由を尋ねたせつなに、「ソレワターセは不幸から作られており、その素を集めたのは貴女」と言います。そして、罪の意識にさいなまれる、せつなの心を折ろうとします。
それに屈しかけた、せつなですが、リンクルンを通じてその会話を聞いていたラブの声で気をとりなおします。さらに、祈里・美希からも声をかけらると、自力で蔓を引きちぎって自由を取り戻し、再び変身しました。
そして、占いの館に前庭に出て、三人にあわせる形でハピネスハリケーンを発動し、ソレワターセを撃退しました。
戻ってきた、せつなに対し、ラブは飛びついて喜ぶとともに、
一方、ノーザは今回の作戦失敗を認めつつも。これはまだ手始めであるため十分余裕を持っています。そして、占いの館の前に立つ四人を見下ろしながら、次なる作戦の示唆をする、という所で話は終わりました。
なんか、本シリーズの残念なところと良いところが、象徴的に出たような話でした。
残念な部分とは、筋立て優先で、キャラの性格の描写が不安定になるところです。今回、せつなは重要な情報である「不幸のゲージ破壊のリスク」についてラブ達に語らず、一人で特攻しようとしました。
今回の展開を作るには、せつなが一人で占いの館に行く必要があるためにこうなったと思います。しかし、それをラブ達に明かさないというのは不自然です。既にラブ達が不幸のゲージ破壊を考えている事を知っている以上、そのリスクを伝えないというのはありえません。
前々回でもそうでしたが、話の展開を優先するため、せつながラブを信頼していないかと思われるのような形になってしまったのは大変残念でした。
もう一つは、予算の都合かと思われる、雑な描写でした。一つの話でパッションの変身バンクを2回やるのはどうかと思いました。あと、冬の普段着のデザインが間に合わなかったのか、朝っぱらから美希と祈里が二人だけで練習ジャージを来てドーナッツカフェにおり、それにあわせてラブも練習ジャージで占いの館に駆けつける、という不可解な描写も生じてしまいました。
その一方で、本シリーズの優れた所である、細かいところまで丁寧に作られたキャラ描写も様々な場面で見ることができました。
冒頭のラブおよび、桃園家の描写は、非常に楽しめました。練習終了後に三人が川べりを歩く場面があるのですが、ラブが、美希と祈里を向いて、後ろ向きに歩きながら話す場面など、細かい所まで彼女らしさが出ていると思いました。
そして、桃園家でのやりとりも、四者四様で良さが出ています。せつなが、ラブと色違いのエプロンを身につけているところなど、それだけで、せつなも手伝って料理を完成させた、という事が伝わり、温かさを感じました。
他にも、せつなが気絶する直前に「ラブ・・・」と言ったのが伝わった時および、せつなと再会して嬉しそうに抱きつく時に見せたラブの表情なども非常に良く描けていると思いました。
また、ウエスターの描写にも和まされました。前半の暗く展開および、せつなの「らしくない」言動を見ていた時は、少なからず沈んだ気分になっていました。しかし、せつなの「復帰」を純粋に喜び、さらに普段通りボケツッコミまで始めた、彼の言動を見て、一瞬にして気分が明るくなりました。
また、筋立ての都合で、せつなが隠した「ゲージ破壊のリスク」について、偶然とはいえ自分から説明してあげています。それにより、結果的に「せつなが三人に隠し事をした」という問題をあっさり解決させています。
ほんの僅かな言動で、存在感を出すと共に、場の雰囲気まで変えてしまうのですから、本当に凄いキャラだと思いました。繰り返しになりますが、彼に歓迎された時のせつなの寂しげな表情に、「その好意には感謝するが、もう一緒に暮らすことはできないという寂しさ」が含まれていた、と思いたいものです。
次回はノーザが四人に精神攻撃を仕掛けるというもので、前半部はまた暗い気分になりそうです。終わった時は、それが晴れるような展開になっていることを期待したい物です。
また、まだ12月頭なのに「プリキュア対ラビリンス」などという題名がつくのが気になりました。1月に行なわれるであろうメビウスとの最終決戦の前にワンクッション入る、という事でしょうか、
どんな展開になるか分かりませんが、それによって幸せになる人が増える事を願っています。