のぞみが、ブンビーにお礼を言った場面および、その前後の会話が非常に印象に残った話でした。
話のほうは、館長がキュアローズガーデンに向かい、それがパルミエ王国にも地球にも暗雲をもたらす、という所から始まります。
一方、エターナル本部に残された、くるみは、プリキュアを救出しようとしますが、扉には館長の力で封印がかけられていて開きません。そこにブンビーが久々のスーツ姿で現れ、「プリキュアの様子を見に行く」などと独り言のように言いながら、隠し扉を開けて中に入ります。
罠を疑う、くるみですが、他に選択肢がないこともあり、しばらく迷った後、後についていきました。
一方、キュアローズガーデンでは、フローラがベッドの上に伏しています。そのベッドですが、おそらくはバラを意識した台座なのでしょう。しかしながら、その花びらの濃い赤といい、形状と言い、ラフレシアにしか見えませんでした。まあ、花の女王(?)なだけに、世界最大の花の上にいる、という設定なのかもしれませんが・・・。
そして、館長に対し、フローラは先週やっと館長の手元に届いた、バラの種について尋ねます。しかし、館長は「あんなもの捨てた」と一蹴します。
それを聞いて「相変らず分かってくれない」とフローラは言いますが、事前に説明もなく「封筒の中に三つの種だけ」などという「手紙」を送ったら、普通の人は「なんじゃこりゃ」と思うに決まっています。フローラにおいては、館長の無理解を嘆く前に、もう少し、理解させるための努力をすべきなのでは、と思いました。
一方、石にされたプリキュアの前で、くるみとシロップが懸命に呼びかけますが、反応はありません。そこに、メルポがプリキュアからの手紙を出し、彼女たちは心は死んでいない状態であることは分かります。
その手紙を見たシロップは何かを悟り、前回、館長が捨てたフローラからの種を手に持って、五人に呼びかけます。それぞれの長所を褒めるわけですが、こまちについては、本人についてではなく、彼女の書いた作品の内容しか語っていないのはどうかと思いました。
それはともかく、シロップが語りかけるたびに、種が成長し、最後には青いバラになり、輝きました。それと同時に、五人は復活、さらに背中には蝶の羽がつくという、映画「鏡の国」以来となる、「スーパープリキュア」になりました。どうやら、「スーパー」は敵組織の建物の中で、朴ロミさんが独演を始めると発動するようです。
そして、キュアローズガーデンに向かおうとした五人は、ブンビーを見つけます。毎度のごとく、「エターナル!」と呼んで戦闘態勢に入ろうとしますが、シロップが、彼のおかげで助けてもらった、と説明し、ブンビーは第9話に続く、「冤罪による攻撃」を受けることを回避することができました。
そして、助けた理由として、彼女たちのひたむきさに、エターナルにないものを感じた、と遠回しに彼女たちを認めます。「早く行きなさい」と言い、加えて「私も一緒に行ってあげようか」と独り言のようにつぶやきます。その発言は無視されますが、最後に、のぞみが「ブンビーさん、ありがとう」とお礼を言います。
「5」シリーズはここまで、敵の固有名詞を呼ばず、常に組織名で呼んでいました。百井=ムカーディアも正体がバレた後は、一貫して「エターナル」でしたし、ブンビーも前シリーズでは「ナイトメア」で、シリーズが変わると「エターナル」でした。
あまりの徹底ぶりに少々違和感もあったのですが、もし、この「お礼」のためだとしたら、凄い伏線だと思いました。
そして、その時の、のぞみの表情・口調、対するブンビーの反応などは、冒頭に書いたように、極めて印象に残る場面になりました。
その後は、キュアローズガーデンにプリキュア達が到着し、最初は館長を圧倒します。しかし、鎧を脱ぎ捨てて真の力を出した館長の前に逆に圧倒されます。ついでに、毎度の事ながら、世界も滅亡(?)します。とりあえず、館長の素顔は、OPに出てきた館長とおぼしき人物の影とはあまり似ていない、と思いました。
そして、勝ち誇る館長と、倒された六人、というところで次回への引きとなりました。
何度も繰り返しますが、今回の最大の見どころは、のぞみとブンビーの会話でした。「プリキュア」シリーズでは、これまで、「SS」の満と薫、「無印」のキリヤが、同じように、最後は組織を離れ、プリキュアの味方になる、という展開はありました。
しかし、いずれの場合も、人間として生活するうちに、滅ぼそうとしていた人間の良さを知って、心が変わる、というものでした。
それに対し、ブンビーは、そのようなプリキュア達との交流はありません。最初はナイトメアで幹部だったにも関わらず、プリキュアとの闘いで部下を失い、自分も降格して最後にはリストラされました。そしてやっと転職したエターナルでも、外様としての辛酸を味わい、仲間ができたと思ったら死んでしまい、最後はまたもや粛正されかけ、また、他のメンバーが館長の手で殺されるところを目の当たりにします。
そのような、ある意味、自分の身を守るためにプリキュアの味方をしたわけです。ギャグとして描かれた「プリキュアのリーダー」も基本的には同じ発想のもとにあるのでしょう。
もちろん、それだけが理由ではありません。会話している時の表情は、何か、娘を心配する父親のような雰囲気もありました。二年にも渡って闘いつづけるうちに、他人とは思えなくなった、というのもあるのかも、などと思いました。
対する、のぞみの反応も、短いながら、感謝と親しみが描かれていて、巧いと思いました。
さて、いよいよ次回は二年続いたシリーズの最終回となります。「館長を倒す」「後日談の日常描写」が主となると思えます。果たして、その中で、「シロップの生い立ち」とか「フローラが館長に種を送った理由」などを描ききれるのでしょうか。
そのように、不安もありますが、何とかいい形で最後を締めてもらいたいものです。