東映アニメーションのシステム障害で「デパプリ」がしばらく新作なしになったので、代りに「トロプリ」全体の感想を書きます。
この作品の第1話を見た時は本当に衝撃でした。
「主人公」である、夏海まなつが変顔連発で鼻水垂らしまくりの描写だったからです。
どう見ても「ギャグアニメ」としか思えませんでした。
ある意味、第1話というのは、「このシリーズは、こんな事を描くものですよ」と宣言しているようなものです。
「となると、このシリーズは、これから約1年間、ギャグをやり続けるのか?しかもプリキュアで。大丈夫なのか?」と心底思ったものでした。
しかし、この不安はいい意味で裏切られました。
もちろん、毎回毎回、夏海まなつが鼻水を垂らして変顔をしまくるという「ギャグアニメ」にはなりませんでした。
しかし、「プリキュア」である事を保ちつつ、シリアス的要素を必要最小限に抑え、ギャグを軸にした、「学園ゆるふわ作品」に仕上げてくれました。
その世界観を作り上げた要因として、敵組織の描き方がありました。
ただ一人「悪役の王道」を進んでいたバトラーを除けば、みな、ほのぼのとしていました。
「ラスボス」である「後まわしの魔女」自身が、自らの野望を「後まわし」にしているわけです。
そして、その部下である、チョンギーレ・ヌメリー・エルダの三人も、これまでの「プリキュア敵キャラ像」とは大きく違う形で描かれていました。
プリキュアの敵キャラは、たいてい、お互いをライバル視し、失敗を喜んだりもします。
例外として、散り際に「愛の告白」をしたキントレスキーとミズ=シタターレ・部下や仲間を気遣い続けたブンビー・仲間であるという思いを捨てられず、プリキュアになったあとも、「イース」と呼び続けたウエスターなどもいます。
それと比べても、このシリーズの敵幹部三人の「ほのぼの」ぶりは群を抜いていました。
基本的に、お互いをかばい合います。とくに、ヌメリーが自分が獲得した「やる気パワー」をこっそり取っておいて、バトラーに詰められていたエルダにこっそり渡して「手柄」にした逸話は、これまでのプリキュアにはなかったものでした。
また、学園祭に巻き込まれたチョンギーレが、厨房にたつやいなや、本気で美味しいものを作り、人間たちに振る舞う、という描写も、このシリーズならではでした。
闘う相手をこのように描くことにより、「学園ゆるふわプリキュア」を作り出すことができたのだ、と思っています。
その前のシリーズでの、妥協なく、それぞれの目的のためプリキュアと闘う「ビョーゲンズ」の描き方もこれまでにない秀逸さがあったのですが、このシリーズでは、それと別の方向で、同じくこれまでにない秀逸な敵を描いていました。
このシリーズが面白かった要因として、この敵の存在は欠かせなかったと思います。
次回は、プリキュアたちの事を書く予定です。