湊みお その1

 「アイカツフレンズ」は、友希あいねと湊みおの二人が主人公です。
 友希あいねは、どちらかと言うと、素直で普通の人、という人柄です。
 それに対し、湊みおは、かなり変わったキャラクターの持ち主です。

 小さい頃からアイドルやドレスに興味があり、それらの研究をしていた、という筋金入りのアイドルで、スターハーモニー学園のトップアイドルにあっさに上り詰めました。
 ところが、自分は、そのような高みにいる、という意識が希薄なところがあります。

 その象徴的だったのは、友希あいねとフレンズを組む時の話でした。
 トップアイドルである湊みおに「フレンズを組んで」と頼まれたら、普通は断る人などいないはずです。
 ましてや、ずっと組んで仕事をしている友希あいねなのですから、こちらから申し込めば即OKと考えるのが普通です。実際にもそうなりました。
 ところが、彼女は、友希あいねにフレンズを了承してもらえるかについて延々と悩みます。そして、どんな場所・設定にすればいいかを真剣に考えます。
 しかし、その話を見ていた時、自分も「無事、フレンズになれるだろうか?」と湊みおの気持ちを慮って心配していました。
 これまでの彼女の描き方から、本気で心配している事が伝わってきたからです。
 なお、晴れてフレンズになった後も、白百合かぐやに、友希あいねとの相性を占って貰おうとした事がありました。

 常に上を見て、自分に足りないものを意識しているゆえに、そういう自己評価になる、というところがあるのかもしれません。
 加えて、友希あいねの事を高く評価しているというのもあったのでしょう。
 もちろん、だからと言って、自分を卑下したり過剰に謙遜する、というわけではありません。
 そのあたりの描き方が、湊みおの、独特の考え方をうまく伝えていると思います。

 もうひとつ、彼女の強烈な特徴として、「ペン様」があります。
 友希あいねの家に暮らすペンギン・ぺんねを初めて見た時、なぜか彼女は「一目惚れ」のような反応をし、「ペン様…」と呼んで頬を赤らめました。
 この理由はまったくもって謎です。年末に放映された二つの話で「ペンギンが好き」である事は明かされました。
 ただ、「ペン様」に対する態度は、「ペンギン好き」を通り越しています。
 なお、友希あいねは、この、ぺんねに惚れる湊みおを普通に受け入れています。たとえば、ペンギン・カフェで集中力が必要としている湊みおに、ぺんねが食事を持っていこうとすると、「ぺんねが持ってくると、みおちゃんが…」と言って、代わりに自分で運んだりするのです。
 このような、謎であり、かつ面白い設定も興味深いものです。

 また、ラブミーティアに対する熱烈な思い、というのも彼女の特徴の一つです。
 かなり創作も混ざっている二人の伝記で、10冊以上もある「ラブミーティア物語」の内容を諳んじており、「この逸話は、カレン編の○巻☓ページ」などと即座に話すことができます。
 もっとも、この世界においては、そのような「ラブミーティア信者」は彼女だけではありません。
 スターハーモニー学園を見学に訪れた、能登かがみも、ラブミーティア物語を諳んじており、それがきっかけで、湊みおとのコミュニケーションが取れた、という事がありました。
 また、友希あいねの姉・すずねと、妹・ももねもラブミーティア信者であり、姉が妹にラブミーティア物語を読み聞かせるという場面もありました。
 話が後半に入り、いよいよラブミーティアを越えることを目指すようになった湊みおが、この想いをどのように活かすかも、注目したいところです。

 他にも興味深い特徴をたくさん持っています。
 どちらかと言うと、友希あいねが、竹を割ったような性格であるのに対し、湊みおは、色々と複雑なものを持っています。このような対照的な二人の主人公が、この「アイカツフレンズ」の面白さの軸になっていると思っています。