初登場の第2話以来となる、有栖川ひまりメインの話でした。
初登場時に、彼女は鮮烈な印象を残しました。しかし、第3話以降は、スイーツ製作の理論家兼解説者、および戦闘における「すぐに破られる拘束技の使い手」という存在になっているように感じました。
しかし、今回の彼女は、初登場時よりさらに強い存在感を示してくれました。しかも、そこで見せた成長は、プリキュアになってからこれまでの積み重ねによるものでした。
そういう事が伝わり、非常に感心・感服させられた話でした。
予告を見た時点では、どういう理由で、八百屋の店主が、超内気な有栖川ひまりをレポーターに選んだのだろうか、と不思議に思っていました。
ところが、そうなった過程は「宇佐美いちかと立神あおいと三人だけの状態で、スイーツ談義となって『スイッチ』が入ってしまい、スイーツ博士ぶりを披露したところを、たまたま八百屋の店主に見られ、適任者と想われてしまった」でした。
これを見た時は、設定を完璧に活かしている事に心底感心させられました。
さらに、店主に声をかけられた瞬間に、素に戻り、リスのように逃げ出した描写も上手いと思いました。
また、宇佐美いちかがマスコットで、ネットに顔を出せないという事情がある立神あおいが撮影担当である、という割り振りについても、次回への伏線も含め、分かりやすく伝えられていました。
そして、宇佐美いちかがマスコット役を順調にこなすなか、有栖川ひまりが当然とは言えその極度な人見知りにより、レポーターを失敗する、という描写も、自然に楽しめました。
さらに、そこで頑張ってレポーターをしようと自己紹介した有栖川ひまりが緊張のあまり我を失い、自己紹介に続いて、「キラキラルの力で伝説のパティシエ・プリキュアに…」とカメラに向かって言いかけ、二人に慌てて阻止されます。
そして、この部分は、冒頭において、宇佐美いちかが自己紹介する場面のパロディともなっていました。
そういう事もあり、この場面を見た時は、思わず吹き出してしまいました。プリキュアを見て吹き出したのは何年ぶりだろうか、と思いました。
その一方で、EDのダンスを披露するなどして、マスコットとして人気を掴んだ宇佐美いちかの描写も面白いと思いました。また、その着ぐるみの「いちご」が宇佐美いちかの表情とシンクロする事がありました。それを見た時は、、「ピョン吉か、お前は」と突っ込んでしまったほどでした。本当に細かい所にも笑いを入れています。
ちなみに、今回の企画は、ネットの動画サイトで商店街の宣伝をする、というものでした。
そのため、「踊ってみた」「真似してみた」など、ネット動画ならではのパフォーマンスをやります。
さらに続いて、「相撲取ってみた」と言って、マスコット着ぐるみの宇佐美いちかと、レポーター姿の有栖川ひまりが、河川敷で相撲を取り始めました。
そんなものが、ネット動画で流行っている事を今更ながら知り、驚きました。
そして、中学時代、休み時間に友達と相撲を取るのが日課だった身としては、懐かしさを感じました。同時に、プリキュア同士で相撲を取る、などというのは空前絶後だろうな、とも思ったりしました。
ちなみに、相撲の結果は、宇佐美いちかがもろ差しを許したものの、体型の差を活かして(?)有栖川ひまりをふっ飛ばして勝利していました。相手に差されて廻しを取らずに投げたから、決まり手は小手投げなのだろうか、などと思いました。
その後、キラパティスリーに移動しても、有栖川ひまりのレポーターはなかなかサマになりません。
しかし、そこにいた親子の会話が転機となります。それは、冒頭で有栖川ひまりのが饒舌になった理由である、「チュロスがなぜ星型なのか」でした。
その場では、人見知りの性格により、「解説」はできませんでした。
しかし、自分が幼少時に「プリンはなぜ丸いのか」を疑問に思い、それがきっかけで「スイーツ博士」になった事を思い出します。
それもあって、勇気を出して、キラパティスリーを出た母子に話しかけました。
しかし、最初の説明は難しすぎて、女の子には理解できません。
それに気付いた有栖川ひまりは、深呼吸したあと、膝をかがめて、目線を女の子と同じにします。そして、分かりやすいように言葉を言い換えて、その理由を説明し、納得してもらいました。
そこに、ジュリオが現れ、母子のキラキラルを奪い、「フラミンゴチュロス」を模した弓を作って武器にします。
プリキュアたちが馳せ参じますが、琴爪ゆかりだけは、一度ジュリオに対峙したあと、母子の健康状態を確認していました。この細かい描写も、非常に印象に残りました。
そして、闘いにおいて、有栖川ひまりが、これまでに見せなかった力を見せます。ジュリオが最終技として無数の矢を放ちますが、それも新技「カスタード・イリュージョン」で全て防いでしまいました。
冒頭にも書きましたが、彼女はこれまでの戦闘で、すぐに破られる拘束技ばかり使っていませんでした。それが、今回の成長により、このような威力のある技を使った、という描写にも感心しました。同時に、その大幅にパワーアップした技も、相手を攻撃しない技、というのも面白いと思いました。
そして、最後はついにハキハキとレポーター業をこなせるようになり、動画のアクセス数も300を越えるという結果になりました。
それに喜んだ彼女の笑顔で、話が終わりました。
プリキュアの歴史の中でも、類例のない、有栖川ひまりというキャラの個性並びにその成長を余すところなく描いていました。
このシリーズが、各キャラを本当に深く描いているのだな、と感心させられました。
他のキャラも、それぞれ魅力的に描かれていました。
「ドキドキ」の剣崎真琴転入話以来の「名作」を見た、という気分になりました。
縮小運営中なので、この辺にしておきますが、本当に楽しめた話でした。
次回の立神あおいの意外な家族話も、今から大変楽しみでした。