プリキュアでは史上初となる、「普通に海水浴を楽しむ話」でした。
その海水浴においては、「泳げない事を隠す紅城トワ」が話の中心となっていました。
続いて、それをいち早く悟ったのか、七瀬ゆいは海水浴から離脱します。そして、一緒に戻ってきた紅城トワに、自分がプリキュアたちと過ごしている絵を見せると同時に、自分の想いを語りました。
その後の戦闘では、「成長」したあとのロックが初めて「真の実力」を見せていました。
海水浴の場面は、皆が楽しむなか、一人「泳げない事がバレたらどうしよう」と困っている紅城トワ、という設定を軸に描かれていました。
もっとも、困っているのは「次の遊びの種目を決める」という時だけでした。
ビーチバレーが始まれば、鋭いアタックを決めます。また、スイカ割りでも、漫画版のような「完全真っ二つ」というわけには行きませんでしたが、見事に割っていました。
というわけで、彼女なりに海水浴を楽しめたようで、それは良かったと思いました。
ただ、この「泳げないことを隠し続ける」という描写が続いたのは、ちょっと奥歯にものが挟まったようなまどろっこしさがありました。
もちろん、趣旨としては「まだまだ四人に対し、心を開ききれていない」という紅城トワの現在の心境を描きたかった、というのは伝わってきました。
とはいえ、遊んでいる最中に泳げない事を告白し、そこからは、泳げないこと前提で遊びを続ける、という展開でもよかったのでは、とも思いました。
あと、紅城トワが泳げない、という事は「トワイライト」も泳げなかったわけです。ヴァイオリンや乗馬はディスピアが教えたわけですが、水泳は教えなかったのでしょうか。
それとも、水泳も教えたものの、どうしても習得できず、さすがのディスピアも匙を投げたのでしょうか。そのあたりも気になりました。
そして、いよいよ泳ぐ以外の選択肢がなくなった時、七瀬ゆいが「泳ぐのは苦手だから」と言って、一人でスケッチをする、と言いました。
確かに、海水浴の最初で三人が華麗な泳ぎを見せる中、七瀬ゆいだけは泳いではいませんでした。そういう意味では素直に事実を述べたのでしょう。
ただ、それをこのタイミングで言った、という事には、紅城トワの不自然さにいち早く気付き、離脱する口実を与えようとする気遣いもあったのかも、と思いました。
そして、二人で宿に戻ると、スケッチを見せました。そこには、紅城トワがプリキュアになってから、五人で過ごした楽しい思い出が描かれていました。
それを見た、紅城トワは、「ゆいが羨ましい」と言います。これには、泳ぐのが苦手と素直に言えた、という事も含まれているのでしょう。
それに対し、七瀬ゆいも「トワちゃんが羨ましい」と言いました。
そして、ある時期までは、自分もプリキュアになって闘いたいと思っていた、と明かします。
さらに、その願いが叶わないと分かった時、この闘いを記録し、いつか皆に伝えるというのが自分の使命だと考え、それを実行しているとの事でした。
一緒に闘えないというもどかしさ、さらには、その残念な気持ちを、自分にしかできない事で昇華させた、という心境を静かな口調で語っています。その口調が逆に、彼女の持つ想いの強さを感じさせられました。
改めて、この七瀬ゆいは、この「プリンセスプリキュア」というシリーズを象徴する存在になっていると思いました。
その時、ロックが現れ、七瀬ゆいをゼツボーグにしようとします。「私の夢は渡さない」と抵抗し、それにはロックもちょっと驚きましたが、最終的には夢を奪われてしまいました。
その夢は、第1話と同じ「絵本作家になる」でしたが、その「絵本」には、五人並びにゼツボーグとの闘いが描かれていました。
自分的には、七瀬ゆいが耐え切るという展開を期待していたので、少々残念でした。ぜひとも、次に襲撃された時は「三度目の正直」で夢を守り切ってもらいたいものです。
さらにロックは、浜辺に行き、泳いでいた三人に挑みます。その際、唐突に分身しました。それぞれ髪の色が赤・青・緑と異なります。ただ、声や口調は一緒でした。
ただ、具体的な設定説明はなかったので、元々ロックは三人いたのか、「成長期」によって分身の術を身につけたのか、よく分かりませんでした。
紅城トワ対ゼツボーグの闘いでは、途中、閉じ込められている七瀬ゆいから、スケッチブックが落ちます。それを踏みつけようとしたゼツボーグに対し、身をていして紅城トワがスケッチブックを守り、あとは必殺技で勝利しました。
一方、「ロックトリオ」のほうですが、それなりの攻撃力を見せたものの、久しぶりの披露となった、フローラルトレビヨんなどの、一番最初の必殺技で勝利します。
しかし、それはロックの計算通りで、その必殺技を出し終えた隙をついて、三人のドレスアップキーを根こそぎ奪ってしまいました。
その事に気づかず、三人と紅城トワ・七瀬ゆいは合流します。
そして改めて、紅城トワは自分が泳げない事を告白しました。
心を開いてくれた事が嬉しかった春野はるかは、飛びついて喜びます。
一方、早くに気付いていた天ノ川きららは「浮かない顔をしていたから、わかってたよね、ゆいゆい」と言い、それを聞いた海藤みなみが「泳げないだけに浮かない顔なのね」などとオヤジギャグみたいな事を言っていました。
さらに、先ほど紅城トワが守った、七瀬ゆいのスケッチブックから新たなドレスアップキーが出現し、皆は喜びます。
しかし、その直後に、ロックに自分たちのドレスアップキーを奪われた事に気づき、騒然となる、という所で話は終わりました。
自分の心境を話す七瀬ゆいの描写が、非常に印象に残った話でした。
同じ秘密を共有しているにも関わらず、自分だけプリキュアになれない事をどう思っているのか、前から気になってはいました。それに対する「答え」を、このような形で聞けたことを本当に嬉しく思いました。
今後、彼女がどのように活躍していくのか、非常に楽しみです。
ところで、今回の話で、みなは、水着に着替えて海水浴をしていました。
ご存知の通り、プリキュアには「水着姿を見せない」という謎の掟がありました。そのため、これまで「フレッシュプリキュア」第2話の蒼乃美希を除いては、海に行こうと川に行こうと、水着シーンは描かれませんでした。
その方針がなぜ変わったのだろうか、と気になりました。それこそ水面下では、今回の描写を実現するために、喧々諤々の議論が行われたのだろうな、とも思いました。
そして、その「解禁」の結果、紅城トワが史上二人目の「泳げないプリキュア」になったわけです。「初代泳げないプリキュア」の美墨なぎさは、その事を告白する際に「わたしってトンカチだから」という、プリキュア史に残る名言を残しています。できれば、紅城トワにもその称号を継承して欲しかったのだが…などとも思いました。
さて次回は、奪われたドレスアップキーを奪還する話のようです。それに伴い、三人の新キャラが登場します。
ホープキングダムのに、先代のプリンセスプリキュアの遺跡と残留思念がありましたが、それと関係があるのでしょうか。
そのあたりがどう描かれるのか、また、ロックが分身した事の真相が描かれるのかなど、色々と気になっています。