なかよし2007年12月号

 「プリキュア5」は、自分よりナッツを優先させる小々田にやきもきしているうちに、自分が小々田を好きになっている事を自覚する、のぞみというのが主題でした。
 冒頭から小々田はナッツのために、と言って店の改装などを行います。一方、のぞみに頼まれたアクセ作成は1ヶ月以上も放置する、という差を見せます。
 その事に対して、のぞみ本人も悲しみますが、それ以上に反応したのは、りんでした。小々田の行為を責め、「のぞみを悲しませるなんて許せない!」と怒りを爆発させます。

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なかよりラブリー増刊秋の号

 「プリキュア5」は、こまち邸でのパジャマパーティーで一発芸+告白大会(?)という内容でした。冒頭の扉が、いきなり、炭酸飲料を顔に浴びて怒る、かれんのアップという、かなり特徴的な絵でした。
 話の方は、のぞみが企画した「芸か告白」を五人がやっていく、という筋立てです。まず最初は、「うららのひそかな楽しみ」でした。何と、風呂の中で演歌を歌ったり、公園で新聞を読む、という意外すぎる一面が判明しました。それに対して、「おっさん女子」という評価がされていましたが、「休日に公園で新聞」は「オッサン」を通り越しているようにも思えました。
 続いて、こまちが一発芸をやります。その直前に、まどかがおやつを差し入れに来るのですが、両手に皿を持って、足でふすまを開けます。このあたりの細かい表現が毎度ながら巧いものだと思いました。そして、こまちの芸は、まどかを使った「幽体離脱」でした。二人がよく似ている事を利用しているわけですが、よく即興で思いつくものです。かなり笑いました。

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なかよし2007年11月号

 「プリキュア5」は、結婚衣装話でした。アニメ第33話の漫画版という感じで、「かれんは和装の結婚式に憧れている」などもアニメと同じでした。
 話のほうは、視覚的なものが中心で、あまり人物描写などはなされていませんでした。そんな中、一人目立ったのが、漫画版では実質初登場である、のぞみの母・恵美でした。なんか妙に結婚生活に疲れたような事を言っています。そういえば、のぞみの父は職業は分かっているものの、いまだに出演がありません。考えてみればちょっと不思議です。これは何かの伏線なのだろうか、と気になりました。
 というわけで、夢原家の謎を除けば、あまり目立った点はありませんでした。上北さんも、近々発売と思われる映画版プリキュア5の描きおろし単行本執筆なので忙しかったのかな、などとも思った話でした。

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なかよし2007年10月号

 「プリキュア5」は、ココとナッツが五人を守る、という話でした。「美青年」という側面をもちながら、その正体並びに設定の都合で、彼女たちに守られる事があっても、守ることのない彼らは、「王子」のプライドもあって、自分たちの無力を嘆きます。
 この「美青年キャラなのにヒロインたちに守られるだけ」というのは、漫画・アニメ共通の問題点ではありました。今回の話では、思いもよらぬ手段で、その問題を解決しました。
 その材料となったのは、昆虫G(仮名)でした。家庭でもっともよく見かける動物の一つでありながら、たいがいの女性が無条件で忌み嫌い、名前を口にする事すらしない女性も少なくありません。これなら、伝説の戦士としての力を持つ五人が「普通の女の子」になっても違和感がありません。
 そしてココとナッツは、この伝説の戦士たちすら恐れる、謎の不気味な生物に果敢に立ち向かいます。そして、本来の姿のまま、「掃除機にまたがった王子様」となって、G退治に成功しました。
 「ココとナッツは外見は格好いいが、守られるだけの存在という設定にならざるをえない」という問題を見事に解決した話でした。しかも、「G」を使う事により、そのシチュエーションに違和感がなくなっています。冒頭に久々の変身後の姿を出したのも、そのあたりの説得力を増やす効果となっています。
 あの二人の「強さ」を描くのに、このような手法があるとは思いませんでした。相変らず、優れた発想力だと感心させられました。

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なかよし2007年9月号

 「プリキュア5」は、かれん中心のリンボーダンス話(!)。いつもの事ながら、キャラの魅力というものを十二分に引き出している描写です。
 仲間とじいやだけ、という気心の知れた人しかいないはずの「プリキュア合宿」においてすら、当初、かれんは、「自分の外面」を維持し続けます。
 しかし、自分がこれまで習得してきた、バレエや社交ダンスなどの対極に存在するとも言えるリンボーダンスに全力を尽くす、のぞみ達を見て、かれんの心に変化が生じます。当初は、驚いたり呆れたりしていただけですが、ついに大会に参加。リンボー歴14年(?)の、のぞみと真っ向から張り合います。最初は照れていた、かれんですが、最後には心から充足した笑顔を見せます。その各所で見せる、かれんの様々な表情が、どれも非常にうまく描かれています。
 かれんというキャラの特徴は、常に高貴に振る舞いたいと思いつつ、そういう自分に対して不安を持っているという悩みにあると思っています。さらにその一方で、素の自分を出したい、という複雑さを持ち合わせています。そのあたりを巧く描きつつ、明るく楽しい話に仕上げていました。
 毎度の事ながら、なぜこの人は、これだけプリキュアキャラの良さを出せるのか、と感心させられる、優れた作品でした。
 また、なぜか知りませんが、リンボーダンスにのぞんで気合いを入れる小々田の描写が、非常に印象に残った話でもありました。
 あと、全くもって余談なのですが、リンボーダンスを主題にした漫画を読んだのは十数年前に読んだ「頑丈人間スパルタカス」以来でした。

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なかよしラブリー2007年夏号

 「プリキュア5」は、のぞみと小々田の話。本誌の、りんとナッツの話と対になっているような感じです。「プール掃除」という意外な題材を主題に、教師としての小々田の心情や、のぞみの気持ちを非常に巧く描いています。
 何か、「夏の思い出」がほしくなって、遊びに行こうとするのぞみですが、小々田につきあって、プール掃除を行う羽目になります。そして、最初はこれまでのように、ちょっとうまくいかないとすぐに投げだそうとします。しかし、小々田の一言もあって、粘り強くプール掃除ロボの操縦に挑戦。頑張った末についに達成すると同時に、自分がほしかった「夏の思い出」はこの達成感だった、と言うことを悟ります。
 「何か一つの事を成し遂げる」という事の重要性をうまく描くと同時に、「プリキュア5」の初期設定である、「やりたい事が分からず、何をやってもすぐに投げ出してしまう」という性格だったのぞみが、この半年で着実に成長した事を見事に表現しています。
 さらに、そのプール掃除でののぞみと小々田の表情が毎度の事ながら非常に良く、また周囲の「暑さ」の描写も非常によく伝わってきます。そのため、より一層、「暑い中頑張るのぞみと、それを応援する小々田」という情景がよく分かるようになっています。
 話は変わりますが、他の四人のうち、りん・うらら・かれんは、いつもの事で忙しくやっています。ところが、こまちは図書委員でなく、小説の執筆に熱中しています。ついつい、書かれた小説は盆明けの有明で発表するのだろうか、などと思ってしまいました。
 そのようなしょうもないネタはともかく、日曜日に受けた負の印象を消してあまりあるほどの、毎度ながらの高品質な、漫画「プリキュア」でした。

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なかよし2007年8月号

 「プリキュア5」は、ナッツとりんのデート話でした。一言でまとめると、「アニメ17話の上北版」となるでしょう。この場合の「上北版」とは、もちろん単なる「漫画版」という意味だけでなく、「極めて質の高い形で漫画にした」という意味です。
 アニメ同様、「ビーズアクセ製造器」から話が始まります。そこそこの出来ながら、職人肌のナッツはそのビーズアクセを商品として認められません。それを聞いた皆が市場調査をかねて祭りに行くことを提案。全員和服で繰り出します。
 そこで偶然の立ち位置から、カップルに間違えられます。しかし、りんはアクセの宣伝になる、という事であえてカップルの役割を演じ、「ラブラブでーす、あたしたち」などと言ったりもしました。
 そして、人混みを嫌がるナッツは、りんの手を握り、小川を飛び越え、静かな所に行きます。そこで座っていると、急に蛙が動き、怖いものが苦手なりんが、思わずナッツにしがみつく、という場面もありました。
 二人の会話は、ロマンティックというのとは縁がなく、かき氷を食べて頭に響いただの、花火がどうこう、といったものです。ところが、逆にそういうとりとめもない会話と、りんの多彩な表情のため、非常にほんわかした場面になっています。
 というわけで、それらしい会話が一切なかったにも関わらず、非常に印象に残った「デート場面」でした。それだけ、りんの表情・内面を含めた描写が秀逸だったという事でしょう。もちろん、ナッツも「好かん星人」をはじめ、いい味を出していました。
 これまで、アニメはもちろん、漫画での描写でも「純情乙女りん」という意味が今ひとつ分かりませんでした。しかし、今回の話で、これが「純情乙女」なんだな、とある程度分かる事ができました。
 なお、アニメで登場のミルクの出場はなし。ただ、日曜にアニメにあった「王子ネタ」はやっていました。ミルクのデビューは17日発売の増刊あたりになるのでしょうか。

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なかよし2007年7月号

 「プリキュア5」は、うららのCM撮影話でした。いつも通り明るく元気に撮影をしていますが、その中で、この仕事のために行っている努力が描かれます。CMの主題は「はじける笑顔」という事で、うららの笑顔がいろいろと描かれます。
 そんな中で、のぞみたちと出会ってから「楽しそうな笑顔を出すのが得意になった」と言います。アニメで初登場の時、「仕事に頑張るあまり、学校では孤独」という設定がありましたが、のぞみ達との出会いにより、それが変わったのと同時に、女優業にもいい影響を及ぼしている、という事なのでしょう。
 後半は「監督のアドリブで、のぞみ達四人も急遽CMに参加」という展開に。「プリキュア5バンド結成」と言ったところでしょうか。今回もラブリー増刊に続き、ナイトメア登場はなかったのですが、この「バンド結成」場面ではそれぞれ髪型を変えていました。これが今月の「変身シーン」なのでしょうか。その中で特に印象に残ったのは、かれんの縦ロールでした。
 そういった頑張りの中、無事CM撮影は終了。最後の所で、うららに「弾ける笑顔」が出るのですが、これはちょっと怖いものがありました。ただ、あくまでも「営業用」なのでしょう。最後は、うららの自然な笑顔で締めていました。
 基本的には視覚的に楽しむ話でした。ただ、そんな中、うららの変化についてさりげなく描かれ、毎度の事ながら巧さを楽しめました。

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なかよしラブリー・2007年初夏の号

 「プリキュア5」は、こまちが主役でした。アニメでも現時点では一番個人描写が少ない彼女ですが、今回は、いろいろと謎が明かされていました。
 特に驚いたのは、「顔がそっくりでバイク乗りで、のぞみに近い中身を持つ姉・まどか」でした。まさか、家族キャラとして、これほど印象の強いキャラが用意されていたとは思いませんでした。「スプラッシュスター」では、咲の妹・みのりが、話の流れにおいて、重要な位置づけをされていましたが、彼女はどんな存在になるのでしょうか。
 そして、その姉以上に強烈な存在感を出していたのが、こまち本人でした。「怒ると怖い」は初期設定として明かされていましたが、これほどまで印象に残るとは思いませんでした。もちろん、上北さんのいつもながらの上質な描写力ゆえ、というのもあるのでしょうが。特に、見開き2頁の間に、「心配→怒り→安堵の涙」と続いたあたりは、こまちの性格の特徴が際だって描かれていました。特に、「かれんはだまってて!!」は強烈に心に焼き付きました。そして、一喝されながらも、話の最後で「そこがこまちの魅力なのよね」と我が事のように誇らしげに語る、かれんの描写がまた上手いです。
 また、冒頭で小説論として、「ギャップがあるのが」と言いながら、自分の「ギャップ」については全く自覚していない、というあたり、きれいにオチていました。ちなみに、今回は、ついに変身はなしでした。今後も、この路線で行くのでしょうか。
 こまちというキャラの凄さと、相変わらずの上北さんの高い能力をともに楽しめ、今回も非常に楽しめました。

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なかよし2007年6月号

 「プリキュア5」は「リーダー論」でした。前半は、かれんの「白馬に乗ったお姫様」ぶりから、乗馬を通して、かれんのやや強権的な要素も含まれるリーダー的資質を描いています。
 当然、同じ事は、のぞみにはできません。その、「もし、のぞみが、かれん風のリーダーだったら」という描写が、凛々しいながらも違和感バリバリのものになっています。
 そんな中、唐突にパフェ大食いコンテストの招待状が登場。のぞみが申し込んでいたものです。もちろん、大食いが得意な面々なので、優勝をします。それについて、皆は、のぞみの、かれんとは違った「リーダーの資質」について認識します。ただ、のぞみは「大好きなみんなと食べるのが楽しくて幸せ」と、特に「リーダー」を意識している節はありません。それを聞いて、他の四人は、プリキュア5におけるリーダーが、のぞみである事を確信しました。
 プリキュア5の初期設定において、この「生徒会長で先輩のかれんをさしおいて、のぞみがリーダー」というのは必然性として難しいものがあるのでは、と思いました。もちろん。「主役だから」という事で強引にこの問題を片付けてしまうのは可能でしょう。ただ、それでは話の基本部分での説得力が弱まります。
 その部分を解決しつつ、のぞみとかれんのそれぞれの特徴をうまく描いており、毎度の事ですが、高品質の作品になっていました。

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