Hapiness第36話

 愛乃めぐみが誕生日にイノセントフォームに目覚めた話でした。
 ついでに、彼女がプリカードで叶えようと思っていた一大目標である「母親の病気を治す」は必要がなかった、という事があっさりと明かされた話でもありました。
 突っ込みどころが様々な所にあった話でした。

 今回の話で一番衝撃的だったのは、「母親の病気が思っていたほど深刻でない事を初めて告げられ、それにショックを受ける愛乃めぐみ」という描写でした。
 逆なら普通にある話です。しかし、「親の病気が予想以上に良かった事にショックを受ける子供」というのは、遺産や生命保険を狙っているケース以外では普通ありえません。
 ついでに言うと、毎日一緒に暮らしている14歳の娘にそれを伝えず、誤解させたままにしている、という親も変わっていると思いました。
 まあ、このまま進むと、プリカードが再び揃ったとき、「白雪ひめの故国と両親の解放」と「愛乃かおりの病気完治」のどちらかを選ばなくてはいけない、という深刻な二択を迫られる場面が出てきてしまいます。
 それを事前に防ぐため、このような形で「病気完治の願いは不要」と設定を変更し、ついでにそれを題材に「愛乃めぐみの成長」を描きたかったのだと思われます。
 とはいえ、いくらなんでも無理がありすぎる「告知」ならびに「愛乃めぐみの反応」だと思いました。

 ほかにも、かつては白雪ひめが入る際にも、人目を気にしなければいけなかった大使館に、町中の人を招待している、というのも過去の設定を忘れているように思われました。
 さらに、白雪ひめと愛乃かおりが初対面であるかのように挨拶していました。あれも、第5話で、白雪ひめが愛乃家に来た話を忘れてしまったのでは、と突っ込みたくなりました。
 ただ、この会話における、白雪ひめの返答と、それに対する氷川いおなの突っ込み、という描写じたいは、二人の人柄並びに名コンビぶりが上手く描かれているとは思いました。

 ところで、今回の主題は、愛乃めぐみが母親の病気の件で落ち込んだ時の、相楽誠司とブルーの対応の違いでした。
 結果的に、ただ「お前らしくない」と言った相楽誠司より、「自分の思った通りにすればいい」と言ったブルーに愛乃めぐみは惹かれます。そして、念願のイノセントフォームにも目覚められました。
 その結果、愛乃めぐみはブルーに抱きついて喜び、その場面を相楽誠司とクイーンミラージュが「ぐぬぬ」状態で見る、という結末になったわけです。
 14歳の少年と何百年も生きている神ですから、このような時のアドバイスに大差が生じるのは当然です。
 それがわかっていて、まず相楽誠司が役に立たないアドバイスをして愛乃めぐみがさらに落ち込んだのを見届けたわけです。そして、直後に強引に鏡の中に連れ込んで、あのようなアドバイスをすれば、このような結末になるのは必然でしょう。
 そこまで計算していたとしか思えません。というわけで、ブルーについては、今回も全くブレた所がなかったな、と思いました。
 というわけで、最後にディープミラーが言った「キュアラブリーがブルーをたぶらかした
」は、主語と目的語が逆なのでは、と思いました。まあ、ディープミラーも分かっていながら、クイーンミラージュを煽るためにあえてそう言ったのでしょうか。

 あと、愛乃めぐみが自分と対照的に誰にも誕生日を祝ってもらえなかったオレスキーに「一緒にお祝いしない?」と話しかけた場面がありました。
 一見、敵にも「ビッグな愛」を与えているように見えます。しかし、これが仮に実現したところで、今しがたパーティーを襲撃したオレスキーを心から祝う人など誰も居ないでしょう。
 その結果、皆に祝われる愛乃めぐみと、一人寂しいオレスキー、という結果になるのは明白です。
 愛乃めぐみはそこまで想像せず、「皆が幸せになればいい」という日頃の思想に基づいて、オレスキーを誘ったのでしょう。
 これは「皆が幸せになる」という事がいかに非現実的か、という事を伝えるための会話だったのだろうか、などと思いました。

 次回は、氷川まりあが敵として現れる、という話のようです。アンラブリー同様、ファントムが変身する、という事なのでしょうか。どんな展開になるか、気になるところです。