ホームルームでの課題がきっかけで、やよいが今はなき父親との想い出をたどる、という話でした。まだ5歳の時の話という事もあり、やよいにはほとんどその時の記憶がありません。
しかし、さまざまなヒントを経て、ついに闘いの間にその時の事を思い出す、という話でした。
脚本にシリーズ構成の人を使い、作画も充実、とかなり力の入った話でした。それだけに面白かった所が多々あった一方で、力が入りすぎて空回りしてしまった、と思った部分もあった所もありました。
特にひっかかったのは、話の軸である、「やよいの名前をつけたのは、今はなき勇一で、それを亡くなるちょっと前に、当時五歳の、やよいに名前の由来を話した。その内容は、母親の、ちはるも聞かされていない」という設定でした。
結論からすると、「春のように優しい、ちはるのようにになってほしいから、春の言葉である『やよい』にした」、という事でした。つまり、「はる」→「春」→「三月」→「やよい」というわけです。それをなぜ、母親であるちはるに明かさなかったのか、というのがどうにも不可解です。
さらに言えば、それを五歳の時の、やよいに明かしたわけですが、こんな複雑な名づけ方を五歳児が理解するのは無理でしょう。
もっとも、その話をする前に、勇一は、やよいの要望に応える形で教会に入り込み「結婚式で娘の手をひく父親」をやっています。
それと合わせると、この時点で勇一は既に自分の命が長くない事を悟っており、残された僅かな時間を使って、10~20年後にやるはずだった「結婚式の父親」をやったうえで、当時の、やよいが理解できないことは承知で、やや難解な命名の由来および、ちはるおよび、やよいへの深い愛情を伝えた、という解釈もできます。
とはいえ、やはり、ちはるにその事を話さなかった事も含め、かなり強引すぎる筋立てだと思いました。
また、戦闘時の、「雨の中、攻撃を受けて地面を滑って後退した跡を見て、やよいが教会の通路を思い出した」というのもかなり強引なのでは、と思いました。
最後の、「亡き父と自分だけの貴重な想い出である、『自分の名前の由来』を、やよいが最後に思い出して、その愛の深さを知る」という部分は確かにいい場面でした。しかし、強引にその場面を作ろうとした結果、そこに行くまでの過程が不自然になってしまった、という印象がありました。
繰り返しになりますが、「名作」を作ろうとして力が入りすぎ、空回りになった、という感が拭えませんでした。あと、率直に言わせてもらうと、勇一を故人にする、という設定は不要だったのでは、と思っています。
他にも、戦闘シーンを含めた後半において、他の四人が背景のような扱いになったのも残念だと思いました。
というわけで、話の本筋については、かなり残念に思った部分がありました。しかしながら、それを除けば、かなりいい描写があった、というのもまた率直な感想です。
特に楽しめたのは、雨の中、五人が帰りながら、それぞれの名前について話す、という描写でした。。
その際、あかねが「うちの親なんて」と言いながら、時には目を輝かせながら自分の名前の由来を語る所や、これまた、文句を言っているようで、実は、その名づけに感謝しており、照れ隠しに、あかねの口真似をする、なおという場面も上手いと思いました。
また、最後に、それぞれの形で、父親への感謝を語るところも、印象に残りました。
そして何よりも、今回の絵は、とても良く描けていたと思いました。やよいの表情をはじめ、非常に印象に残る描写が多々ありました。
ちょうど、今回は夏服初披露回だったわけですが、特にその私服がいいと思いました。やよいが家事を手伝う場面や、れいかが會太郎の部屋に入る時の、一分の隙もない所作など、その動きが非常に良く、新鮮な夏服の印象がより強くなりました。
同様に、五人がそれぞれ、自分のイメージカラーの傘をさしながら歩く、という場面も、視覚的に良く出来ていると思いました。
また、クライマックスの場面についても、教会の描写・やよいの表情など、これまた非常によく描けていました。
特に、見せ場とも言える、やよいが雷の力の発動に対し、これまでと違って怖がらないという、強い意志を見せた、という描写は、強く心に残りました。
それだけ絵が素晴らしかっただけに、妙に凝った設定にせず、やよいを中心に自然に話を作っていれば、とんでもない名作になっていただろうに、と勿体なさみたいなものを感じたほどでした。
次回は、マジョリーナの新発明で、みゆき・あかねが透明人間になる、という話です。その「透明になった二人と、普段通りの三人」という組み合わせによってどんな逸話が生まれるか、非常に気になるところです。
また、マジョリーナの新発明話に欠かせない、交番の警官とのやりとりにも期待したいところです。
次回が休みなのは残念ですが、それだけ一層に、二週間後が楽しみになっています。