HeartCatch第37話

 薫子の植物園でお茶を飲んでいる四人の場面から始まります。ゆりが今回の集まりについて尋ねると、つぼみとえりかは、学園祭も成功したので、こういう場を持とうと思った、と言います。
 もちろん、プリキュアが四人揃った事を記念して、という意味合いもあるのでしょう。しかしながら、それでなく、「学園祭の成功」を理由にしたのが、本作品ならでは、と思いました。
 それに対し、ゆりは「たまにはこういのもいっか」と好意的な返事をします。これまででしたら、確実に批判的な反応をしていたでしょう。そのあたりの変化がさりげなく描かれていました。

 つぼみが続いて、コスモスが咲いた話をすると、ゆりはまたしても好意的な返事をします。さらに、いつきも別の花が咲いたのを見て喜んでいました。
 その様子を見ていた、えりかは三人の変化についてそれぞれ述べ、「おねーさんは嬉しいよ」と感慨深げに言います。
 それを聞いた妖精たちに、「上から目線」「おねーさんじゃない」と突っ込まれますが、めげずに沙漠の使徒との闘いに話を切り替え、「絶対に倒してみせる」と宣言しました。
 つぼみといつきは、その発言に好意的に反応しますが、ゆりは「本当にそうかしら」と冷静に反応します。
 直後、唐突に、空から謎の物体が飛来し、衝撃波でティーカップを割りました。そこに、薫子が現れ、「みんな、大変よ」と言います。それを受けて、皆は表に出ました。
 そこに現れたのは、「PULUTO」のような容姿を持つ、謎の怪物でした。えいかが「デザトリアン?」と言いますが、ゆりは否定します。しかし、彼女にとっても初めて見る存在のようでした。
 その怪物が口から何かをはくと、一面に咲いていた花が枯れ、沙漠のようになってしまいました。
 四人は変身しますが、つぼみの攻撃はあっさり跳ね返されます。それを見て、「私の親友に何するのよ!」と、えりかが攻撃しますが、これも通用しません。
 すると、ゆりは「四人同時のフォルテウェーブしかないわ」と言い、それを受けて四人は同時攻撃します。すると、謎の怪物はあっさり「ほわわわわん」となりましたが、その跡にアンテナみたいな物体が出現しました。
 驚く皆に対し、その中からデューンが話しかけます。そして、自己紹介をした後、自分の居城を映し出します。そのア・バオア・クーを彷彿させる建造物を見ると、ゆりは「薫子さんから聞いた事がある、あれは確か惑星城」といいました。
 そして、その「惑星城」の一部が開き、ソーラレイの代わりに、巨大な弾丸を発射します。その弾丸が地球型の星にぶつかると、一瞬にしてその星は沙漠と化してしまいました。
 驚く皆に対し、デューンは「その星の緑を全て枯れはてさせる、沙漠の種、デザートデビル」と説明し、「君たちにプレゼントしよう」と言って地球に射出します。
 そして、対抗意識を見せる、つぼみ達に対し、「では、お前たちがいかにしてデザートデビルと闘うか、じっくり楽しませてもらおう」と言い、高笑いして去って行きました。
 その様子は、沙漠の使徒本部の巨大スクリーンにも映し出されており、サバーク博士と三幹部もそれを見ていました。そして、サソリーナはセクシーポーズ(?)を取りながら、自分たちをさしおいて、デザートデビルを放ったデューンを暗に批判します。それに対し、サバークは、「真の目的は、地球の沙漠化だけでなく、ハートキャッチミラージュの破壊だ」と分かるようで分からない説明をしました。
 一方、プリキュアのほうは、ゆりが「対抗するには、残されたわずかな時間で、私たちが力をつけるしかないわ」と言い、皆も同意します。
 すると、そこに薫子が現れ「ならば、プリキュアパレスに行くしかないわ」と言います。それは別にいいのですが、ずっといたなら、惑星城の映像が出たときも、自分で説明してあげればいいのに、と思いました。
 それはともかく、薫子はプリキュアパレスで待ち受けるさらなる試練の厳しさと、それによって得られる効果について語ります。それを聞いた四人は、パレスでの修行を決意しました。
 そして、前回同様、植物園に生える樹の洞からパレスに移動した四人ですが、いきなり異空間に飛ばされます。そこには、つぼみは桜、えりかは水など、それぞれを象徴する物がありました。また、いずれも皆既日食のように、黒くて周辺にコロナが漂っている太陽が空に浮かんでいました。
 さらにしばらくすると、それぞれの「試練の相手」が現れます。それは、皆にとっての「もう一人の自分」でした。服装はいずれも白衣の下に黒い服、といういでたちです。また、髪の色はやや暗さが入っている、という感じでした。さらに、いつきの場合は髪が長く、ゆりの場合は眼鏡をかけていませんでした。「変身する直前の自分」という事なのでしょうか。
 そして、「もう一人のゆり」が代表するような感じで「月に影があるように、心にだって暗い影がある。それが私だ」と自己紹介し、攻撃をしかけてきます。
 そして、「影のえりか」は、「私だって、もも姉みたいに美人になりたい!」と言って、えりかに殴りかかります。それを聞いた、えりかは、番組初期の、ももかへの憧れと妬みが一体化した感情によって苦しむ、かつての自分を思い出しました。そして、「つまり、影の私って、昔の私ってわけね」と言いますが、「影のえりか」は「今でもそう思っているでしょ!」と言って、より強力な攻撃を仕掛け、えりかは吹っ飛ばされます。
 同様に、「影のいつき」「影のゆり」も、かつての自分が持っていた心の傷を語りつつ攻撃してきます。ちなみに、ゆりの「心の傷」は、コロンを失ったことでした。どうやら、この「影の自分」は、「第1話が始まる前の自分」という位置づけのようです。
 それに対し、いつき・ゆりとも、その心の傷を受け止めつつも、それを克服できた過程について語ります。すると、それぞれの「影」は、「ならば私はいらないとでも言うの?」と、言いました。
 一方、えりかは「私は、つぼみやみんなのおかげで、自分にもいい所があるってわかったの」と言います。それに対し、「じゃあなんで、影の私がいる!?」と反撃されると、その拳をつかんで、「しょうがないじゃん、マイナスの事を言う影の私も、私なんだもん」と言います。そして、そのまま、「影のえりか」を抱きしめ、「でも私、あんたの事、嫌いじゃないよ。私って、自分の事、全部大好きだから」と言います。それを聞いた、「影のえりか」は、安堵したような笑顔を見せて消え、同時に、えりかもその空間から消えました。
 いつき・ゆりも同様に、「影の自分」を否定せずに受け入れる意志を語ります。それを聞いた、「影」も同様に笑顔を見せていきました。
 三人がプリキュアパレスに戻ると、同時にそれぞれの石像ができました。薫子の解説によると、最後の試練を乗り越えると、プリキュアパレスに石像が飾られる、との事です。
 そして三人はお互いの無事を喜びますが、直後に、つぼみがいない事に気づきます。その頃、異空間では、「影のつぼみ」が「キュアブロッサム、あなたは変わる事はできない」と「自己否定」しています。それに対して、つぼみが反論できない、という所で次回への引きとなりました。

 予告で「修行話」かつ「自分の劣等感と闘う」というのを見たときは、少なからぬ不安もありました。「修行」といえば昨年の「御子柴財閥秘密基地」という残念な話がありましたし、「劣等感というもう一人の自分との闘い」と言うと、三年前の勿体無い話がありました。
 しかしながら、その不安はいい意味で裏切られました。
 その象徴と言えるのは、えりかが、「影の自分」に対する最後の台詞でしょう。まず、ももかを妬んだ当時の自分を認め、それが、つぼみたちとの出会いによって変わった事を語ります。
 このあたりで、えりかの、ももかに対する言動が、ある時期から変わっていった理由がよく伝わってきました。
 そして、その事によって「自分にもいい所があるって分かった」と、劣等感の塊だった、かつての自分との決別を明示します。そして「影」を抱きしめながら、「自分の事、全部好きだから」と、優しい笑顔で言い、「影のえりか」もそれを聞いて、安堵の表情を浮かべます。
 この描写には、第一話から描かれ続けた、来海えりかという個性的な少女の心の優しさと、そこに達するまでの過程を十二分に感じることができました。
 改めて、作り手がキャラを愛している事が伝わり、嬉しく思いました。
 他に印象に残ったものとして、冒頭部分がありました。お茶会の理由として「プリキュアが四人揃った」ではなく「学園祭の成功を記念して」と理由付けするところおよび、そこで描かれた、ゆりの変化に、このシリーズならではの温かさのようなものを感じました。
 次回は、同じ闘いの「つぼみ編」となるようです。「成長」および「過去の自分に対する決別と理解」を、えりかとは異なる形で描くのかと思われます。それが、どのようなものになるのか、楽しみにしています。

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