「キボウノチカラ」第9話

 日向咲をメインに据えた話でした。そして、大空の樹の前で、再びプリキュアに変身した話でした。
 しかしながら、自分的には、かなり残念な話でした。
 その理由は、日向咲の描き方にあります。
 第3話での初セリフからそうでしたが、彼女の描写のほとんどが「パンづくり」と「婚約者」に関するものです。 

 本人の台詞にもあったように「もう子どもじゃない」というのは確かに事実です。
 だからとはいえ、ここまで仕事のことしか考えない「オトナ」にする必要があったのでしょうか。
 婚約して相手が夕凪でレストランを作る準備をしているにも関わらず、留学を決める、という行動も理解不能です。
 しかも、作中の会話を見る限り、婚約者はフランスに一緒にいくつもりはありません。
 籍だけ入れて、別々の国で暮らすつもりなのでしょうか。

 第4話を見たときも、二人が、「S☆S」には出てきていない相手と、婚約したり失恋する描写には引っかかっていました。
 しかし、その時点では、「夢原のぞみもココと縁遠くなっている、中学時代の恋愛感情を20代後半になっても引っ張るほうが非現実的だ」と自分を納得させていました。
 ところが、それ以降、夢原のぞみとココの恋愛描写が軸となり、さらに、春日野うららとシロップの描写もありました。
 ならば、日向咲についても、美翔和也への恋心という設定を引き継ぐべきだった、と今は思っています。
 一つひっかかるのは、第4話で日向咲が美翔舞に「おねえさんに話しなさい」と言ったところです。
 「S☆S」において、そのような台詞を言ったことは一度もありませんでした。
 もし、婚約相手が美翔和也だったら、「お義姉さんに話しなさい」という事になり、筋が通ります。
 それもあって、当初はその構想だったが、何らかの理由で変更し、あの部分の脚本でその修正に対処し忘れて「おねえさん」が残ったのだろうか、と思っています。
 もちろん、あくまでも想像であり、実際はどうなのだかわかりませんが…。
 結果として残っているのは、二人が名前さえ描かれず、何の個性もない「モブキャラ」と婚約したり失恋したりしていることです。
 第1話で太田優子が星野健太と結婚した描写を見たときは本当に嬉しく思ったものでした。
 それもあって、より一層、「S☆S」の二人の恋愛をこのように扱ったことは残念でした。

 OPを見れば、このシリーズの「主」は「5GOGO」であり、「S☆S」は「脇」であることは最初から理解していました。
 だからと言って、こんなところで扱いに差をつけなくても良かったのでは、と思っています。
 婚約も失恋も、本作における彼女たちの描写に何ら必然性はありません。
 そういう「オトナ」の役割を雑に二人に押し付けたことが残念でなりません。
 結果的に、この話を見て「良かった」と思ったのは、コロネの健在を確認できたことだけでした。