「アラモード」第46話

 先月から続いていた、一人ひとりに焦点を当てるシリーズの宇佐美いちか編と、最終決戦の始まりを同時に描いた話でした。
 ある意味、宇佐美いちか話だけが一番短い、という形になってしまったわけです。まあ、昨年の事を考えると、最終回が、今回の「続き」的な宇佐美いちかをメインにした日常話になるのでは、と期待しています。
 一方、敵方については、唐突な設定が目まぐるしく描かれた話となっていました。

 冒頭は、いつもと違い、全員が和服を着ての新年挨拶から始まりました。
 しかし、直後にペコリンが宇佐美いちかと激突し、定番の「頭をぶつける」になってしまいました。作りての、こだわりみたいなものを感じました。
 本編のほうは、キラパティでの、宇佐美いちか誕生パーティー打ち合わせから始まりました。
 終わった後、六人がそれぞれ二人づつになって帰宅する、という展開になります。短いながら、漫画版の「レッツらまぜまぜ」的な描写が楽しめました。
 そこで、立神あおいの、普段は見せないような琴爪ゆかりへの敬意や、妹と離れた大学を目指すことをキラ星シエルに告げる剣城あきらが描かれていました。
 そして、メインとして描かれたのは、宇佐美いちかと有栖川ひまりでした。有栖川ひまりは、一年前近く前に友達になり、一緒にキラパティやプリキュアをできた事に感謝します。
 そして、転びそうになった宇佐美いちかを助ける形で手袋越しに手を握り、そのまま熱く、お陰で変わることができたこと、よりスイーツを研究するために進学目標を決めた事を語りました。
 そこまで語ったあと、我に返り、慌てて握っていた手を離し、ちょっと頬を赤らめました。この一連の言動には、彼女の色々な想いがギュッと詰めて描かれており、強く印象に残りました。

 一方、会話を終え、別れた後の宇佐美いちかは、他の仲間達が将来を見据えているのに対し、自分はそれがないと気にします。
 そして、久々に帰宅した母も含めた三人の食事で、そのことを父に相談しまうす。
 すると、父の源一郎は「いちかに相談されたー!」と感涙し、食事中であることを、母のさとみに注意されたりしていました。
 この父娘は、これまでのシリーズにはない独特の位置関係でした。そのあたりをこうやってきっちり描ききったことにも感心させられました。
 そして、源一郎は、自分も、さとみも、中学校の時に将来のことなど考えていなかったと話し、宇佐美いちかを励まします。漫画でもありましたが、このような将来の目標を無理に決める必要はない、という会話には心が温まりました。

 そして、宇佐美いちかの誕生パーティーとなります。ところが、宇佐美いちかは自ら、「スタッフ」として奔走します。しかし、それに違和感が全くありませんでした。この11ヶ月間における彼女を見れば、当然とも言える感じです。それだけ、キャラクターがしっかり描かれてきたのだな、と感心しました。
 ところが、いざバースデーケーキのロウソクを吹き消す、というところで、本来の姿である「黒いエリシオ」になったノワールが自ら襲撃し、日常モードが早々と終了してしまいました。

 そこからは、ノワールが百年前にルミエルに介抱された事、戦場帰りだった事、当時から闇の属性を持っていた事、ルミエルにプロポーズ(?)して、断られたためにこの世を闇に染めることにしたことなどが矢継ぎ早に明かされました。
 さらには、戦闘中に、ノワールに吸収されたはずのエリシオが蘇り、逆にノワールとルミエルを「カード化」する、という展開になりました。
 ノワールの目的は「この世を闇に染める」ですが、エリシオの目的は「この世を虚無にする」のようです。
 率直に言って、ちょっと詰め込みすぎだったと思いました。また、これをやるのなら、エリシオのノワールへの叛意を伏線としてきちっと描いておくべきでは、とも思いまいた。
 そして、エリシオの作った「虚無の世界」で、宇佐美いちかが虚ろな目をしている、というところで次回への続きとなりました。

 宇佐美いちかと有栖川ひまりの会話の部分が強く印象に残った話でした。互いに持つ敬意や羨ましさ、さらには、相手に持っている感情の微妙な違いなどが存分に描かれていました。
 特に、キラパティやプリキュアを一緒にできたお礼をした有栖川ひまりに対し、宇佐美いちかが「巻き込んじゃってごめん」と言い、それに対し、有栖川ひまりが感謝を熱弁する、という描き方は本当に上手いと思いました。
 また、バスの中での琴爪ゆかりと立神あおいとの会話も、この一年間の積み重ねを色々と感じることができ、楽しめました。
 次回は、エリシオの作った虚無の世界から始まります。メインは、ペコリンのプリキュア変身のようです。それがどのように話を動かしていくのか、気になるところです。