単行本「東京ミュウミュウ りたーん」

 「なかよし」に二話掲載された「東京ミュウミュウりたーん」が描きおろしつきで単行本になりました。
 征海さんの単行本を買うのは、「Wish」以来、15年ぶりです。
 本編については、雑誌掲載時に書いているので、ここでは省略します。前編後編
 というわけで、巻末の描きおろしについて書いてみようと思います。

 描きおろしは2つの話がありました。
 一つは、本編でキメラアニマ化して、カフェミュウミュウで保護されたユキヒョウに対し、白金がアルトに返信して気遣い、その言葉を聞いたユキヒョウが好意を寄せる、という短編でした。
 せっかくだから、ユキヒョウの返事も聞きたいとは思いました。
 いずれにせよ、アルト設定が見れたのは嬉しいことでした。贅沢を言えば、フランソワにも出てきてほしかったものでしたが…。

 もう一つの話は、青山雅也と目黒侑の会話を軸に描いた話でした。
 それに励まされた青山が、再びイギリスに戻る前に、桃宮いちごに「再告白」する、という展開でした。
 ラストの直前で「それまで待っててくれますか」とこれまでにない丁寧な言葉遣いをしたので、心境の変化でもあったのだろうか、と思いました。
 しかし、それに続く見開きのラストは「命をかけて、愛しい猫(キミ)を守ることを誓うよ」という台詞でした。

 青山を象徴する台詞といえば、「いちごは僕の猫だから」です。それを考えれば、一貫性のある台詞と言えるでしょう。
 この台詞が出た頃、筆者は「東京ミュウミュウ」に異様なまでにハマっていました。
 ほぼ毎晩、「東京ミュウミュウ」でネット検索して、ファンアートを見たり、感想や論考を読みふけったものでした。
 その中で、この台詞に対して、「こういう事を言う男は、将来DV夫になる」という論考は今でも忘れられません。
 ちなみに、アニメのムックの対談では、監督さんだかが、「この台詞に好意的なファンの声もあった」と聞いたときは、「世の中には色々な人がいるもんだなあ」と驚いたものでした。
 ちなみに、この「りたーん」の雑誌掲載にあわせ、オリジナルが講談社の「パルシィ」に無料公開されましたが、そこでこの台詞に対するコメントは、ドン引きしたものばかりでした。
 それを読んだときは、この18年で、かなり世の中変わったな、と嬉しく思ったものでした。
 今回の「りたーん」では、「エイリアン」三人がミュウミュウに協力してカフェミュウミュウに就職したり、ミュウレタスの必殺技が一新されるなど、大きな変化がありました。
 そんななか、18年前と同じ人権感覚のままの青山が描かれ、それがこの単行本のラストになる、というのは極めて興味深いと思いました。

 ただ、率直に言えば、描きおろしをやるならば、連載において、ちょい役扱いされていた、藍沢みんと・碧川れたす・黄歩鈴・藤原ざくろ、というった四人のミュウミュウを描いてほしかった、というのが率直な本音でした。