「ヒーリングっど」第13話

 コロナの関係で、約2ヶ月ぶりの新作放映となりました。
 その影響なのか、回想や変身バンクが長いなど、やや薄めの話ではありました。
 しかしながら、主題である「平光ひなたが、プリキュアを続ける事に不安を持つ」という心境並びに、その不安感の克服、というシリーズ初とも言える主題を上手く描いていました。

 冒頭、平光家の獣医でラテが診断されているのですが、医師は、以前の兄・平光ようたではなく、父の平光てるひこでした。
 ちょっと唐突に思いましたが、これも何かの事情なのでしょうか。
 平光てるひこのオヤジギャグに受けている花寺のどかと沢泉ちゆを横目に、平光ひなたは浮かぬ顔で、「プリキュアやめるかもしれないのに…」とつぶやき、二人を驚かせていました。

 「脱退宣言」というわけではありません。可能性を示唆しただけです。そういう留保ぶりも面白いと思いました。
 もともと、自分に自信がないところがあり、プリキュアになりたての時も、沢泉ちゆの言動に神経をすり減らしていた平光ひなたです。
 その彼女が、「時間が経って強大化したメガビョーゲン」や、「それを新技でやっと倒したのに、新たな強敵・バテテモーダが出現した」という状況に対し、プリキュアとして勝利する自信をなくしかけた、というのもある意味当然と言えるかもしれません。
 それに対し、花寺のどか・沢泉ちゆ・ヒーリングアニマルたちも驚きます。特にパートナーのニャトランは、当然ながら翻意を求めます。
 その一方で、沢泉ちゆが「結果が伴わないと、自分のやっている事に迷いが生まれる。そういうのちょっとわかるわ」と、理解を示します。
 第8話のスランプ経験に基づいた発言なのでしょう。その経験によって、平光ひなたの不安感を理解している、という描き方も、非常に奥深いと思いました。

 一方、ビョーゲンズのほうは、前回デビューしたバテテモーダに対する三幹部の評価が全く異なる、という事が描かれていました。
 シンドイーネは露骨に敵意を見せます。もちろん、彼がキングビョーゲンに褒められているのが気に入らない、というのがあるのでしょう。
 それを振られたダルイゼンですが、前回のバテテモーダの自己紹介には違和感を覚えていた感じでした。しかし、「ナノビョーゲンを出せる奴が増えれば仕事がはかどる」と、キングビョーゲンどうこうよりも「地球を蝕むことをとにかく最優先する」というこれまでの立場からブレない対応をしました。
 そして、グアイワルは、シンドイーネの言動を「嫉妬」と看破し、バテテモーダを自分の子分にしようとして一緒に出撃します。
 毎度のことですが、敵陣営の描き方は本当に秀逸です。今回も感心させられました。

 平光ひなたの宣言に戸惑っている間に、ダルイゼンがドローンと電気を利用したメガビョーゲンを誕生させました。
 それが発生させる強力な静電気により、街中はパニックに陥ります。
 ヒーリングアニマルたちも、前髪が跳ね上がり、ニャトランの額に魚の形をしたアザがある事が判明します。
 ただ、このアザに関するやりとりは、ちょっと冗長だと思いました。まあ、回想や変身バンク同様、コロナ禍対応のため、仕方ない面もあるとは思いますが…。
 また、街なかのパニックのなかで、花寺やすこが勤務する、すこやか運送のベルトコンベアが停電で止まった状況が描かれます。
 その際に、最近入社した花寺やすこがリーダーシップを発揮して、「先輩社員」たちを指揮します。
 短いながら、彼女の為人を上手く描いており、印象に残りました。

 メガビョーゲンは発生しましたが、出現場所が特定できないこともあり、三人は変身せずに、聞き込みを続けて、存在を特定しようとします。
 この描き方も、歴代シリーズにあまりない新鮮さがありました。
 しかし、いくら続けても、場所の特定ができません。
 ネガティブな感情を引きずっている平光ひなたは諦めかけます。しかし、姉の平光めいが静電気の影響で車の中に閉じ込められている、と聞き、急いで現場に向かいました。
 そして、花寺のどかに説得され、がぜん、やる気を出します。そして、得意のネットリテラシーでメガビョーゲンの場所を検索して発見しました。
 苦戦しながらも勝利をし、改めて、プリキュアを続ける決意を再確認する、というところで話は終わりました。

 コロナ禍による制限もあって、本来描こうとしていた構想を全部描ききれていない、という印象もありました。
 しかし、その制限の中で、平光ひなたの彼女ならではの不安感とプリキュア継続に対する想いがしっかり描かれていました。
 また、それに対する花寺のどかと、沢泉ちゆの対応も、短いながら、しっかりと描かれており、楽しめました。
 次回は、街のお祭り「すこやかフェスティバル」を描く話のようです。また、花寺のどかの病気とその回復についての描写もあるようです。
 どんな展開になるのか、これまた楽しみです。