「アラモード」31話

 序盤から、出番はないものの重要な位置づけされていた、母親・宇佐美さとみが初登場した話でした。
 話の筋立ては、幼いころ、人前で泣かずに、笑顔でいるように母親に諭された宇佐美いちかが、再会の喜びの感情を表に出さないよう、懸命に頑張る、というものでした。
 しかし、それによって無理が生じ、ケーキ作りも失敗し、結局、父親である宇佐美源一郎の気遣いもあって、やっと母親に本音を伝えることができる、という展開になりました。
 かなり複雑ながら、趣き深い話だと思いました。

 幼少時、泣きそうになった際に、「笑顔でいれば皆が幸せになる」と言われた宇佐美いちかは、それをしっかり守ります。
 そのため、宇佐美さとみと再会できた喜びで嬉し涙を流しそうになったときも、必死に自分をコントロールし、笑顔を作り出していました。
 率直に言って、ちょっと不思議でした。
 親が泣いた子供に「泣き止みなさい」というのは、まあ当然ではあります。
 とはいえ、その幼少時の「教え」を頑なに守り続けて中学生になり、再会の嬉し涙を流さずに、自分の感情を親に偽る、というのは、はっきり言って普通でないと思いました。
 これまで、宇佐美いちかは、天真爛漫で素直なキャラだと思っていました。しかし、ちょっとその認識は違っていたようです。
 同時に、第一話からずっと続けていた、父親の宇佐美源一郎にだけ見せていた、否定的な態度も、この母親の影響で自らに貸した「無理に笑顔であり続ける事」の裏返しなのだろうか、と思いました。
 この設定は、もっと掘り下げて描いてほしいものだと思ったりもしました。まあ、時間的に難しいとは思いますが…。

 他のプリキュアは、ほとんど出番がありませんでした。
 そんな中、キラパティに来た宇佐美さとみが、宇佐美いちかがデコレーションしたお菓子はどれか、と尋ねた際に、人見知りであるにも関わらず、初対面の宇佐美さとみに対し、一歩前に出て「ぜんぶ、いちかちゃんがデザインしたんです」と進んで答えた、有栖川ひまりの描写は印象に残りました。
 ところで、今回、「キラ星シエル」の出番はありませんでした。
 他の描写もあわせ、この話は、本来は、キラ星シエル登場前に流される予定だったのが、何かの事情で、今の時期に延期されたのだろうか、などと気になったりもしました。

 次回は、先代プリキュアに出会う話です。このシリーズの世界観が明かされるのでしょうか。合わせて、ノワールに最終通告を受けたビブリーがどうなるのか、非常に気になっています。