「ドクロクシー編」とも言える前半最後の話になりました。
花海ことはの料理を軸に、様々な「想い」が描かれた話でした。
また、重要な位置づけであった「花海ことはが作ったクッキー」について、時代の流れを感じた話にもなりました。
花海ことはが悪夢を見るところから始まります。
自分とエメラルドの存在が、朝日奈みらいと十六夜リコに迷惑をかけている、という思いがまとまった結果なのだろうな、と思いました。
その翌日、朝食を朝日奈みらいと十六夜リコの二人が作ります。それを披露するときのポーズが決まっていて、この二人、本当にいいペアになったな、と感心させられました。
十六夜リコの料理はかなり美味しいのですが、これは「母親が料理研究家だから」という謎の設定によるものでした。これが何の伏線なのか、気になりました。
一方、朝日奈みらいが作ったのは「ちょっと焦げた卵焼き」でした。
シリーズを通じ、プリキュアが卵焼きを作る、という描写はよくあります。
その「伝統」が受け継がれているな、と思いました。同時に、それを「焦げているけれど美味しい」と嬉しそうに食べた朝日奈大吾の描写がさりげない伏線になっているのにも感心しました。
この時点で「家出」を決意していた花海ことはですが、自分も手作りのクッキーで、二人に感謝を伝えようとします。
その結果、塩と砂糖を間違えてしまいます。ところが、朝日奈みらいと十六夜リコは、最初に口にした時から、一切表情を変えず、嬉しそうな顔で、「美味しい」と言いながら食べていました。
この描写には、いろいろ深いものを感じました。
「料理を作る際に砂糖と塩を間違えて、想定外の味の物を作ってしまう」というのは漫画・アニメにおける「20世紀の定番ネタ」でした。
当時は、食べた人は吹き出したりしていました。しかし、二人は、予想外の味だったにも関わらず、普通に食べているわけです。
もちろん、先ほどの卵焼きで父親が示したような、「大切な人の作ってくれたものは、少々出来が悪くても美味しく食べることができる」というのがあると思います。
それと同時に、甘さ控えめが定番になり、さらに「塩飴」とか「塩味パン」などの普及など、味の傾向が変わった、というのもあったのでは、と思いました。
もちろん、最大の理由は、花海ことはへの想いだった事は間違いありません。ただ、表情も一切変わらなかったのには、そのへんの要因もあったのではないでしょうか。
そういう事も含め、「20世紀の定番ネタ」を、この2016年に上手い形で描いたな、と感心しました。
その後、「家出」した花海ことはと、「尾行」するモフルンが描かれたあと、「最後の骨」を持ったヤモーが登場しました。
今回も、ドクロクシーの像に対し、決意を述べます。ドクロクシーがいなくなって1ヶ月経ったわけですが、彼は相変わらず、ドクロクシーのために闘っているわけです。
そして、自らをヨクバール化して闘います。最初は心理状態から変身ができなかった花海ことはを体の中に捕らえるなど、闘いを優位に進めます。
しかし、最後は敗れ、ついに退場となりました。そして、これまでの幹部と同様、「本来の姿」に戻ってしまいます。しかし、その姿になっても、「ドクロクシーの像」に向かって歩いていました。このあたりの描き方にも感心させられました。
それを見たラブーは、ヤモーの利用に失敗した事を残念がりつつ、自分もより上の存在の命令で動いていること、それに従うことを面倒がっている事をつぶやいていました。
どうやら、「真のラスボス」がいて、それがドクロクシーとラブーを手下にしている、という構図のようです。
そして、変身を解いた三人は改めて、「ずっと一緒だよ」と言います。そして、三人の笑顔で話は終わりました。
最後の一言にあった「ずっと一緒」が主題の話だったと思いました。
もともと、朝日奈みらいと十六夜リコも、異世界の人間同士です。しかしながら、じっくりと時間をかけて、今のような関係・相互信頼を築いて来ました。
そこに、途中から急に出てきた、謎の幼女「ハーちゃん」が加わってトリオになったわけです。最初、彼女が三人目のプリキュアになると知った時は、その距離感の差をどうするのか、と思ったりもしていました。
その距離感を自然かつ上手く詰めた話だな、と思いました。
今後も、このような仲間であると同時に、母娘みたいな関係でトリオが描かれるのでしょう。楽しみです。
一方、最後の描写まで徹底して、ヤモーがドクロクシーと「ずっと一緒」だったというのも描かれていました。
今月のヤモーの描写は、それ以前の「側近」時代との整合性も含め、本当に上手かったと改めて思いました。どうやら、今回は前半が「ドクロクシー編」で後半は「ラブー編」のようですが、その前半を締めるのにふさわしいキャラだったと感心しました。
次回からは、ついにラブーが本格始動するようです。新幹部も登場しそうです。
また、舞台も久々の魔法界です。久しぶりに、ジュン・エミリー・ケイの活躍も見れそうで、楽しみです。