「プリキュアコレクション」として、漫画「プリンセスプリキュア」の第2巻が発売されました。
1巻同様、なかよしに掲載された漫画・イラスト・トーク、そして長編描きおろし漫画、という構成になっていました。
1巻の描きおろしは、本編の流れとは関係ない、劇中劇的な話でした。
それに対し、2巻は、なかよし2月号に掲載された最終回の翌日を舞台にした続編になっていました。
カナタと紅城トワがホープキングダムに帰る予定の日に、ボワンヌが、天ノ川きららの留学前最後となる、ファッションショーを企画します。
それを見てから帰りたいという紅城トワの要望に、カナタが了解しました。
するとそこに、ちょうどボワンヌが現れます。天ノ川きららにショーの企画を相談するつもりだったのですが、そこでカナタを見ると、「オー、スター、プリンス」と叫び、モデルとしての出演を依頼します。
さらに、そのカナタの相手となる「プリンセス」を探して欲しいという依頼を、皆にしました。
そこで、皆は、「プリンセス探し」として、歴代プリキュアの主人公を「候補」にします。それぞれの良さを褒めていましたが、結論は出ませんでした。
ちなみに、「5」以降はプリキュア達だけ描かれていましたが、「無印」ではなぎさ・ほのか・ひかり・志穂・莉奈が、「S☆S」では、咲・舞・満・薫・みのりが描かれていました。
あと、各主人公の紹介文では、相田マナの「文武両道オールマイティーな上に、惜しみなく愛を振りまく博愛主義の女子」というのが強く印象に残りました。
そして、結論が出ないところで、紅城トワが春野はるかを推薦し、それをカナタも了承します。
その流れで、五人全員で出演する、という展開になりました。
そして、練習の場面などが描かれます。始める前に、海藤みなみが「女子中学生にアピールできればいいんですね!ガンバります!」とボケ、それに対し、天ノ川きららが「えー、みなみんは、もっと上の層担当かなー あはは」とツッコミを入れた場面が楽しめました。
そして、練習場面が描かれたあと、いよいよ、ファッションショーが始まります。
もともとの主演である、天ノ川きららは一人で一ページを使い、海藤みなみ・紅城トワ・七瀬ゆいは三人で一ページを使って描いていました。紅城トワの衣装は、細部でトワイライトを想起させるデザインが施されていました。
そして、最後に、春野はるかが登場します。プリンセスを意識した衣装を着こなし、観客にも「かわいい」「モデルの子、なんか親近感わくね」などと好評でした。
ところが、プリンス役のカナタが登場すると、観客の目は彼に釘付けになります。
続いて、カナタと春野はるかの結婚式のような「戴冠式」が始まるのですが、すると突如、場内は大ブーイングとなります。
それを見たカナタが冠を脱いで観客に謝りますが、逆にこれも「火に油」となってしまいました。
その結果、ショーは一時中止となり、ショックを受けた春野はるかは、舞台に座り込みます。
しかし、四人に励まされると、まだうずくまりながらも、「わたしが、あこがれてきたプリンセスって、いつでも美しくて、やさしくて… -そして、とても強かった!」と「プリンセス」を思い出します。
続けて、涙をぬぐいながら、「わたしも、こんなところで逃げ出すわけにはいかないよ! Go!プリンセス!」と自らに言い聞かせ、立ち上がりました。
そして、舞台に戻り、笑顔見せ、「プリンセスの挨拶」をします。同じ笑顔ですが、最初に舞台に立った時は、頬を赤らめて照れたような所がありましたが、今度はそのような所はありません。
そして、観客が驚くなか、歩き始めます。直後にスカートの裾を踏んで転びますが、平然と起き上がり、笑顔で「ごきげんよう」と言いました。
そして、満場の拍手で、見事にショーを成功させました。皆で拍手をしているのですが、海藤みなみだけが涙ぐんでいる、というのは上北さんらしい細かく丁寧な描写だと思いました。
そして、いよいよ別れの時になります。春野はるかとカナタは、出会った花畑で再び二人で話します。
すると、カナタは「一緒に王国に来てくれるかい?」と「プロポーズ」をしました。
草陰で覗いていた四人が驚くなか、春野はるかは「嬉しいけど、ゴメンなさい」と断った後、「でも十年後なら」と続けます。
そして、「こんなわたしを認めてくれて、すごくうれしい!だから、十年後にもういちど、その言葉をいって!自分をうんと磨いてステキな女性になっていたいから」と言いました。
それに対し、カナタは春野はるかに小さいティアラをかぶせながら、「あぁ、約束するよ。必ずキミを迎えにくる」と返事をしました。
そして、ちょっと抱き合ったあと、カナタと紅城トワは、海藤みなみが用意した餞別の詰まったトレーラーとともに、ホープキングダムへ帰って行きました。
見送りながら、春野はるかは笑顔で「…いっちゃった」と言い、天ノ川きららは「すっごく濃いィ一日だった~」と返します。
春野はるかは続けて「さあー、次は、きららちゃん見送るよ」と言い、海藤みなみが「そうね」と続き、それに対して天ノ川きららが」「もー大げさにしなくていいからねー」と言いました。
そして、「きっとまたあえる。心から望めば」という春野はるかをはじめとする皆の想いが書かれ、「Go!プリンセスプリキュア」が完結しました。
アニメが最終盤に入ってから、「春野はるかが持つ、プリンセスになりたいという夢にどうやって決着をつけるのだろうか」と気になっていました。
アニメにおいて、それに対する明確な回答を得ることはできませんでした。
その「最後のテーマ」をこの漫画は完璧に描き切っていました。
ファッションショーで春野はるかが登場した時、観客は好意的でした。ところが、カナタが出てくると、彼に釣り合わないと、大ブーイングを浴びせます。
この時点では、春野はるかは「素敵なレディ」ではあったものの、「プリンセス」ではなかったわけです。
ところが、挫折しながら、この一年間、頑張ってきた事を思い出し、プリンセスの要素である「美しく」「やさしく」そして「強く」を心に刻むことにより、ついに「プリンセスになる」という夢を一つかなえました。
その「夢をかなえる前」と「かなえた後」の表情の描き分け方が素晴らしく、「ついに春野はるかの夢が一つかなったのだな」という事が伝わってきました。
また、その後に、カナタに「プロポーズ」させる、ということで、「具体的にプリンセスの資格を得る」というハードルもクリアさせています。
その上で、その時点では断り、十年後に向け、さらに自分を向上させると宣言する、という締め方も素晴らしいと思いました。
アニメ最終回で、最後に「10年後」が描かれた時は、その意味が今ひとつ理解しきれませんでした。しかしながら、この漫画を前提に見ると、ピッタリはまります。
そういう意味においても、本当に完璧すぎる、「Go!プリンセスプリキュア」最終回だったと思いました。
このような素晴らしい漫画を描いてくれた上北ふたごさんには、心底感謝しています。