上北ふたごさんの「ふたりはプリキュア・スプラッシュスター」第1巻が発行されました。内容はなかよしおよびラブリー増刊に連載された漫画を、第1話から先月号掲載まで載せています。もちろん、雑誌掲載時にここで毎回書いていたように、各話ともいい話です。しかし、この本の最大の見所は巻末の書き下ろし漫画。はっきり言ってこれだけで400円払う価値があります。
内容は、舞の家で咲・みのり、そして満・薫が集まってのスケッチ大会というある日の話です。みのりの口車に乗った(?)満が雑誌に載っているモデルのポーズをとります。さらに、舞の服を借りてモデルになります。そして続いて薫も私服でモデルに。そしてみのりの「お願い」を聞いてその姿勢のまま微動だにしません。そして描き終えたみのりに抱きつかれてお礼を言われ、動揺します。
SSに入って全て「戦い」が入っていたわけですが、この書き下ろしは、無印・MAXの時のような日常生活ものでした。しかも、満・薫が加わり、私服姿あり、お互いの細かい心理描写ありと、まさに「これを待っていた」というような作品でした。
カテゴリー: 少女漫画
なかよし2006年10月号
「プリキュアSS」は、ウープ・フープの登場から一気に、アニメより1日早い「ブルーム・ウインディへの新変身」まで進みます。
話はアニメの筋を追っています。というわけでそちらについては特にないのですが、絵のほうは非常に印象に残る場面が多々ありました。まず、最初の頁での、教室で満・薫の存在が消えた事を確認した時の二人の表情です。続いて部屋で気配を感じて「薫さん?」と尋ねた舞、そしてミズ=シタターレの失言から、満・薫の生存を知って喜ぶ二人などです。特に、今回の舞の表情には、これまでにない大人っぽさみたいなものを感じました。
なかよし2006年9月号
「プリキュアSS」は満・薫の一時退場話でした。前号で正体を明かして戦った後、一晩を過ごし、再戦をする、という形になっています。再度の戦いを挑む満・薫に対し、咲・舞は変身をしません。アニメの同じ場面で「プリキュア!」と呼ばれて「違う!」と返したのと同じ意味づけですが、見た目もあって分かりやすい表現です。そして、この「無抵抗主義」が決め手となり、満・薫の心が決まります。
後は、アニメと同じでダークフォールに引きずり込まれてアクダイカーンと戦闘、圧倒的な力の前に敗れかけるところを、満と薫が身をもって助ける、となります。満・薫が咲・舞の名前を呼ぶタイミングや、その後の四人の表情などは、上北さんならでは上手さを感じました。
毎回書いていますが、もう何話か、漫画で満・薫の話を読みたいものです。9月にSSの単行本が出るそうですが、書き下ろしで追加されたりしないものでしょうか。
なかよし増刊ラブリー 夏の号
「プリキュアSS」は満と薫の話の二話目になっていました。8月号冒頭の「ひまわり」のところが今ひとつ分からなかったのですが、どうやらこの話が前提になっているようです。編集上の都合とかあるのでしょうが、やはり発売順にあわせて作品を掲載してほしいと思いました。
話のほうは、ひまわりを育てる事を通じて、満・薫が「緑の郷」および咲・舞に対する親近感を得る、というものでした。また、漫画のほうは、基本的に薫が行動の主導権を握っている感じです。
これまで何度も書いたように、この「満・薫と咲・舞の間に友情が芽生える」という話は非常に面白く、アニメ・漫画とももっと話数を使ってほしかった、と思っています。それこそ、7月号が「初登場」なら8月号で「人間たちにプラスの感情を持つ」にし、増刊を二本立てにして前編が「咲・舞との友情芽生える」で後編が8月号に載った話、というくらいの量は使ってほしいものです。
もっとも、この増刊で上北さんは「アクビガール」と二本立てです。したがってそんな分量を描けるわけはありません。とはいえ、やはりこの満・薫の話数の少なさにはもったいなさを感じました。
なかよし2006年8月号
「プリキュアSS」はアニメ放映日程の都合で、早くも満と薫との決戦に。前話より3ヶ月後という舞台設定になっていますが、やはり漫画だけでみると無理が生じてしまっています。間にもう一話あれば、アニメの「満と薫のパンパカPAN手伝い話」あたりを上北さん流でうまくまとめて、友情が生じた経緯を描けたかと思います。やはり、「出会い」から「決戦」の間が早すぎる、という事なのでしょう。
というわけで、今回はアニメの3つくらいの話を一話に詰め込んでしまった感じ。必然的に戦いの場面が増え、「上北プリキュア」の良さを出すための紙数があまりありませんでした。ちょっと勿体ない感じです。
なかよし2006年7月号
「プリキュアSS」は満と薫が初登場。登場部分などはアニメと同じでしたが、やや自己主張が強い感じです。クラスに入っていきなり「私たちをタイクツさせないでね」と言ったり、咲と舞に直接、「私たちをワクワクさせるのは強いライバルの存在だけ」と言うなど、自分たちの正体を示唆するような発言をしたりもしています。
とりあえず今回はキャラ紹介だけ、という感じでした。上北さんがどのようにこの二人を描くかは次回以降のお楽しみ、といったところでしょうか。
なかよし2006年6月号
「プリキュアSS」はある意味みのりが中心とも言える話でした。各ポーズはもちろん、頭を下げるタイミングまで咲の真似をするなど、みのりの咲に対するあこがれ+姉妹愛みたいなものが非常によく伝わってきます。一方、咲のほうも、ケーキの外見が良くなくて落ち込むみのりを、舞が自分の絵になぞらえてなぐさめると、我が事のように「フォローありがと」と言います。小さい絵ですが、そのあたりからも、この姉妹の仲の良さが伝わってきます。
戦いのほうは「モエルンバ退場」でした。近所の家の焼き魚にボケるなど、最後まで彼らしい散り様だったと思います。
なかよし2006年5月号
「プリキュアSS」は、咲と舞の間に生まれ、着実に育っている二人の絆について、相変らずの巧さで描いています。アニメ第1話冒頭の設定も生かして、「咲は『約束』に対して強い責任感がある」という事を描き、そこから、「舞との約束を守るために、戦いでこれまで以上の力を発揮する」という展開に見事につなげています。
さらに、「二人でアクセサリーを買いに行く」という約束をするまでの話の作り方もまた絶妙です。「舞の兄・和也にあこがれ、うらやましがる咲」→「それに対し、お揃いのアクセサリーをつけることができるなどという、姉妹のいる良さについて話す舞」→「ならば、一緒にアクセサリーを買いに行こう」という流れが、「どちらの家族構成のほうがいいか」という描き方をせずに、「姉妹のように二人でアクセサリーを買いに行く」という約束につながっています。
そのようなちょっとした約束がきっかけで、二人の絆がだんだんと強くなっていく事が、明るく楽しく、かつ自然な描写で伝わっていきます。「絆」と「約束」という言葉の持つ強い意味を、あらためて認識することができた一作でした。
余談ですが、二人の回想において、前話で倒したカレハーンの強さを認めていた事は、「カレハーンびいき」としては、嬉しいことでした。死んだと知るや、「ヤツ」呼ばわりしだしたゴーヤーンと対照的です。優れた敵に評価されているのですから、カレハーンも文字通り草葉の陰で喜んでいる事でしょう。
なかよしラブリー増刊2006年春号
上北ふたごさんの「ふたりはプリキュア スプラッシュスター」が目当てに購入しました。内容は、咲と舞がお互いの接し方に悩む事に、カレハーン最後の挑戦をからめた話。先日書きましたが、アニメ第7話のカレハーン退場話は、「戦い+設定説明」のみとも言える内容でした。それに対し、この漫画では、咲と舞の微妙な距離を主題に、そこから生じる微妙なズレをカレハーンとの戦いにも生かして描いていました。
持ち前の明るさで、舞の事を何でも知ることによって友達になろうとする咲に対し、舞はちょっと引いた感じです。といっても、咲のその積極性が嫌なわけではなく、急激な接近に、破綻の危険性があることを察しているから、という心理描写がまた面白いです。私自身、人間関係において似たような経験をしているだけに、この舞の心理描写は非常に現実感がありました。
そのへんの舞の葛藤を、「星と星が近づきすぎた場合」になぞらえ、さらにそれを和也に相談して適切な助言を得る、という話の作り方は相変らず巧いと思います。
そういう事もあり、お互いぎくしゃくしたままで、そしてカレハーンとの戦いに入るわけですが、導入部が「そのおいしそうなパンひとつくれないか」「どうぞ(中略)パンパカパンってパン屋さん、よろしくぅ!」という漫談から入るのがいいです。これぞカレハーン、という感じです。
さらに、闘いにおいても、お互いの気持ちのズレによって力が出せず苦戦。そこから逆転するきっかけになったのが、舞のスケッチブック一杯に描かれた咲の絵、というのもこれまた巧い描写です。また、そのちょっと前になりますが、お互いの呼称が、「ブルーム・イーグレット」から闘いの最中にも関わらず「舞・咲」に戻った、というのもいいです。
というわけで、アニメではやや不完全燃焼だった「カレハーン退場話」を十二分に楽しめた、素晴らしい作品でした。この40頁だけでも550円の価値はあったかもしれません。
上北さんのなかよし掲載作品の単行本
「たのみこむ」というサイトで、上北ふたごさんがなかよしに連載した「プリキュア」の単行本化というリクエストが出ています。
当ブログでも毎月書いたように、この作品は、アニメの設定を生かしつつ、「なぎさとほのかの学園生活」というものを主題に、二人をはじめとする「プリキュア」の各キャラを非常に上手く描いています。
にも関わらず、単行本に関しては、アニメや映画の話を漫画化した本の「穴埋め」みたいな感じで断片的に収録されているのみです。
それを、まとまった単行本として出そうというのが上の企画です。なかよし掲載分を全て切り抜いて保存している私としても、単行本としてまとまったものは是非とも出してほしいと思っているので、当サイトでもこの企画を紹介させていただきました。