Princess第12話

 新キャラクター・一条らんこが強烈な個性を発揮した話でした。
 天ノ川きららの芸能活動話だったはずですが、なんか、彼女のほうが引き立て役になっていたのでは、と思ったほどでした。
 また、もう一人の新キャラである、天ノ川きららの所属事務所社長・舘響子も、短い出番でなかなか強烈な個性を発揮していました。

 冒頭は、七瀬ゆいの、協力者としてのプリキュアチーム加入から始まりました。そこに、事務所社長の舘響子が入ってきて、TVの仕事が入ったといいます。
 四人が集まっていたのは、春野はるかと七瀬ゆいの部屋だったように思えたのですが、なぜ分かったのでしょうか。まさか、GPSを天ノ川きららにつけているのだろうか、などと思いました。
 そして、TVに興味がないためあっさり断った天ノ川きららに対し、カバンからマーブルドーナッツの箱を出し、新作ドーナッツが食べれる、という話をします。
 それを聞いた天ノ川きららは、あっさり前言を撤回しました。
 この一連の行動は、最初から、天ノ川きららがどう反応するかを完全に読みきってのものかと思われます。さすがは社長と言うべきなのでしょうか。いずれにせよ、感心しました。
 一方、ディスダークでは、クローズの形見である羽をシャットが掴んで、「あんなヤツでもいなくなると調子が狂うな」とといっていました。それに対して、ロックは「あんたもいなくなったらより静かになるな」と言っていました。この、シャットの意外な一面描写も印象に残りました。

 そして、収録になるのですが、共演するのはこの番組のレギュラー・一条らんこでした。
 この新キャラがまた飛ばしまくります。
 裏表なく「自分だけが目立ちたい。だから天ノ川きららは目ざわり」という言動をとり続けます。とはいえ、それを見ていて不快感などはありませんでした。
 「さばげぶっ!」ではないですが、「ゲスかわいい」という感じです。この描き方は非常にうまいと思いました。
 そして、一通りのレポートが終わったあと、天ノ川きららとの「三番勝負」が始まります。
 最初の勝負は「マーブルドーナッツのゆるキャラデザイン対決」でした。ここで、天ノ川きららが、モデルらしく、ファッショナブルな「ドーナッツプリンセス」を描いたのに対し、巨大ドーナッツに胴体をつけた「根性ドーナッツくん」で勝利します。
 このあたり、一条らんこが、「どういうキャラが受けるか」を日頃から研究している、という事がよく伝わっており、面白いと思いました。
 次の対決は、ドーナッツの美味しさを表現する、というものでした。ともに背景を宇宙空間にしたり、分身して空を飛ぶなど、「ミスター味っ子」のような形で「美味しさ」を表現します。
 ここでは、一条らんこが、演技(?)の世界に入り込みすぎて、あっちの世界に行ってしまった感じになり、天ノ川きららが勝利となりました。

 ところで、ここで、春野はるか・海藤みなみ・七瀬ゆいは、収録を見物する、という役回りでした。
 その中で、春野はるかは、TVに写りたい、という強い意志があります。
 そのため、「私達もTVに映るんだね。どうしよう」と言い、海藤みなみに「はるかが出るんじゃないから」とツッコミを入れられていました。
 ちなみに、海藤みなみは、その台詞にあわせて、極めて正統的な「ツッコミチョップ」も入れていました。バレエやサッカーのみならず、漫才も嗜んでいる、という事なのでしょうか。
 それにもめげず、春野はるかは、TVカメラに注目されようと、頭にリボンをつけたり、追加したりしていました。そして、それを見るたびに、七瀬ゆいが驚く、というプチ漫才を何度かやっており、これもまた楽しめました。

 さて、三番勝負の決勝は、第1戦で二人がデザインした「ゆるキャラ」をそれぞれ着てのマラソンとなりました。
 互角に進んでいたのですが、ゴール前で、一条らんこが転んでしまい、天ノ川きららが勝利します。ところが、ドラマが始まったのはそこからでした。
 勝負がついているにも関わらず、一条らんこは、猛然とゴールに向かいます。「ゆるキャラ」の名にふさわしい根性っぷりです。
 それに対して、海藤みなみが、感動の涙を浮かべ、「頑張れ、根性ドーナッツくん!」と声援を送ります。それをきっかけに、他の皆も応援するのですが、なぜか皆、名前を間違えます。
 今ひとつ意味が分からない描写ではありましたが、印象に残りました。
 そして、ゴールテープを切った一条らんこは、再び転びます。そして、「真っ白な灰に燃え尽きたあしたのジョー」のパロディが描かれました。
 定番ネタとはいえ、元ネタの初出は1973年です。本来の視聴者層の親の多くは、そのときに生まれていなかったよな、と思いました。
 同時に、プリキュアでこんなネタをやった事に、驚かされました。

 そこにシャットが現れ、一条らんこに「貴方の夢を見せなさい」と言います。そして、当然とはいえ、「トップアイドル」と答えるのですが、それに対しシャットは「コメディアンでは・・」と驚き、プリキュア三人と七瀬ゆいも同意します。
 それに対し、「一条らんこの夢」が怒る、というやりとりが入りました。ディスダークに捕らわれているなか、驚異的な精神力と言えるでしょう。それだけトップアイドルへの夢が強いという事でしょう。
 このあたりの描き方も本当にすごいと思いました。
 そして戦闘に入るのですが、ドーナッツの力(?)を得たゼツボーグに苦戦します。ここで、海藤みなみが作戦を立てるのですが、その際に、「ふたりとも、耳をかして」と言ったのが、今ひとつ意味が分からないのですが楽しめました。
 そして、前回入手したロッドを使っての技を各々が披露して動きを止めた後、トリニティリュミエールで勝利しました。

 そこから、学園で、その番組を四人で見る場面となりました。春野はるかは、自分が映っていない事を、心底残念がっています。
 一方、天ノ川きららは、一条らんこの事を話していました。すると、そこにノーブル学園の制服を着た、本人が現れます。
 皆が驚く中、海藤みなみは冷静に彼女がこの学園の三年生である事を告げました。ちなみに、一年以上一緒に学園生活を送っている事もあり、収録前から彼女だけは気づいていました。
 そして再び、天ノ川きららへの対抗心を宣言して一条らんこは高笑いしながら去って行きました。その後姿を見ながら、最初は「トホホ」みたいな表情を見せた天ノ川きららでしたが、直後に、嬉しそうな笑顔に変わりました。
 そして、最後に二人が映っているTV画面が出てきて、話は終わりました。

 とにもかくにも、一条らんこが強烈すぎました。ここまで、プリキュアでないキャラが存在感を出したのは、「ハートキャッチ」の来海ももか・志久ななみ・番ケンジ以来かと思いました。
 このキャラ設定からは普通はありえないのですが、将来のプリキュア候補なのかも、とまで思ったほどでした。
 しかも、「ゲスかわいい」ところも含め、キャラが完全に立っており、一連の言動に筋が通っています。そのキャラ作りにも感心しました。
 今後、どんな活躍をするのか、本当に楽しみです。
 また、彼女ほどの出番はなかったものの、初登場から強烈な印象を残した、事務所社長の舘響子も凄いと思いました。こちらも、今後が楽しみです。
 また、この二人に振り回された感じになりながらも、ドーナッツへの思い入れや、一条らんこに見せた優しさなど、天ノ川きららの良さも上手く描かれていました。
 他にも、「正統的ツッコミ」を見せたのをはじめ、さりげなく存在感を出した海藤みなみも、TVへのこだわりで奇妙な事をした春野はるかも楽しめました。
 さらに、プリキュアサポートメンバーのデビューとなった七瀬ゆいも、ゼツボーグ登場時の避難誘導や、新技の盛り上げ役、さらには春野はるかへのツッコミまで、サポートメンバーとしてフル回転していました。
 少々話がぶっ飛びすぎて、ちょっと分かりにくい描写が何箇所かあったの玉にキズでしたが、全体的に見れば、非常に心に残った話でした。
 次回は、ついに「黒のプリンセス」が登場します。春野はるかの宿命のライバル的存在になるのでしょうか。どんなキャラなのか、今から大変楽しみです。