「ラスボスが全ての力を取り戻し町を滅ぼす。それを変身が解けたプリキュア達が再度挑む」という最終回の2話前の定番設定回でした。
しかしながら、その設定を描きつつ、「平光ひなた回」に仕上げていました。シンドイーネの最期の描き方とあわせ、本当に凄いシリーズだと感心させられました。
話を進めつつ、随所で平光ひなたを描いていました。
すこやか市が蝕まれたとき、「パパとお兄とお姉」という台詞も、さりげなく、母親と生別もしくは死別しているという設定を明らかにしており、細かいと思いました。
そして、テアティーヌがついに皆の前に姿を現したときに発した一言も、沢泉ちゆが「神々しい」だったのに対し、「ていうか…でかっ」でした。
ラテと並んでいる姿を見れば、普通の大型犬くらいの大きさです。それを考えれば、この発言もちょっと見当が外れています。
「ラスボス対女神」という頂上決戦を控えて、このような形で彼女らしさを描いたことも凄いと思いました。
さらに、風鈴アスミが考えた「ビョーゲンズを体に宿してネオキングビョーゲンのバリアを突破する」という作戦の解説にも感心させられました。
花寺のどかと沢泉ちゆは即座に納得しましたが、平光ひなたは理解できていません。それに対し、ニャトランが、「平光ひなたとニャトランが一緒に学校に入る」という例えで説明し、理解させました。
このような形でプリキュアとヒーリングアニマルの関係描写を使ったのも上手いと思いました。あわせて、解説アニメに円山先生を登場させたという事にも感心させられました。
そして、平光ひなたの個性を描き続けてきた事が、シンドイーネとの決着の鍵になります。
最終進化を遂げたシンドイーネにプリキュア達は圧倒されます。その時、平光ひなたが「あー、あんな所にキングビョーゲン」と言って気をそらせようとしました。
シンドイーネはそれが嘘だと即座に理解します。しかし、そのような手で自分を騙そうとしたこと、さらには「ネオキングビョーゲン」と呼ばなかった事などに怒り、延々と平光ひなたに語り出します。
その結果、隙きが生じてしまい、プリキュアが逆転勝利をしました。
圧倒的な力を見せる相手に、このような形で逆転勝利をし、しかもそこに平光ひなたならではの機転が活きているわけです。
最終決戦でここまでプリキュアの個性を描いた事に、心底感心させられました。
一方、シンドイーネにとっては退場回となってしまいました。
さらにメガパーツを注入し、最終形態となってプリキュア四人を圧倒します。
シリーズ序盤では、変身前の平光ひなたと同レベルの戦闘力でした。それだけに、その進化ぶりが際立っている事が伝わってきます。
その理由として、戦闘中に彼女は「私はもっともっともっとネオキングビョーゲン様にふさわしくなるために進化するのよ!」と言っていました。
その想いで、リスクを覚悟の上で最初にメガパーツを取り込んで進化し、ついには、キングビョーゲンに最高の評価をもらったわけです。
それでもまだ満足せず、さらなる高みを目指すという、絶対的な想いと忠誠心が描かれていました。
そして、それが仇となるわけです。
平光ひなたのフェイントに対し、嘘であることは即座に気づいたのですが、攻撃する代わりに、自らのキングビョーゲンへの想いについて延々と語りだしてしまい、その隙きをつかれて逆転負けしてしまいました。
逆転の要因にまで、キングビョーゲンへの想いを使ったわけです。本当に徹底した描写だと感心させられました。
そして、プリキュアはヒーリングっどシャワーを放ちますが、大ダメージを受け、初期状態に戻ったものの、まだまだ闘志とキングビョーゲンへの想いは残っていました。
そこで、ラテの助言により、風鈴アスミが後ろでシンドイーネを立たせ、三人の技であるヒーリングオアシスで止めを刺す、という結末になりました。
そしてナノビョーゲンに戻ったシンドイーネを風鈴アスミが取り込んで、先程の作戦を実行する、というところで次回の引きになりました。
グアイワルとダルイゼンは自らの望みに反してキングビョーゲンに吸収されました。一方、シンドイーネは自我を失ってもキングビョーゲンと一体化したいと望んでいたのに、叶うことなく、去ってしまいました。
三人とも最悪の結末となったわけです。
いずれも魅力的なキャラクターでした。しかし、それとは別に、これまでさんざん地球を蝕み、多くの人々やエレメントさんを苦しめた報いを受けた、という事をきちんと描いた、というのも非常に筋が通っていると思いました。
何度も書いていますが、本当に凄いシリーズだと感心しています。
次回はネオキングビョーゲンとの最終決戦です。今回が平光ひなた回だったことを考えると、沢泉ちゆ回になるのでしょうか。
結末と同時に、そのあたりの描き方も非常に楽しみにしています。